

喋り方が違う? 服装が違う?
イギリスの階級制度ってどうなってるの?
イギリスはかつて階級制度が存在していたよ。今日の多文化主義と経済システムの変化によって徐々にこの制度は目立たなくなっているけど、未だに身分制度の体質が残っているんだ。映画『タイタニック』を観ると、イギリスでは身分の違いによって暮らしぶりや服装が全然違うことがわかるわ。
イギリスにもともと存在する階級
① Upper Class(上流階級)(1%)
財産を多く持っている人たちで、多くは昔ながらの貴族の家柄や大地主。超お金持ち
② Middle Class(中流階級)(41%)
医師、弁護士などの大卒以上の知的労働者、ビジネスパーソン、店舗経営者。イギリスの人口の半数がこの階級
③ Lower or Working Class(労働者階級)(55%)
清掃業、農場、鉱山、工場などで働く人
階級の違いは何で見分ける?
アクセントや発音に特徴があって、主に方言や語彙の違いで聞き分けられるんだ。
アッパー~ミドルはクイーンズイングリッシュといわれる訛りのない洗練された英語、ワーキングクラスは訛りのある英語が話されているよ。
【お風呂に入る】の言い方
アッパー~ミドル→“take a bath”
ワーキング→“have a bath”
【トイレ】の言い方
アッパー~ミドル→lavatory
ワーキング→toilet
【デザート】の言い方
アッパー~ミドル→pudding
ワーキング→afters
【ノートに書く】の言い方
アッパー~ミドル→note a paper
ワーキング→writing paper
他にはもちろん、住んでいる場所、両親の仕事・学歴、文化への興味度、経済への関心度、着ている服、読んでいる新聞媒体などが全く異なるんだ。
上流階級の特徴
・移民ではなく、イギリス本国出身
・ロンドンやサウスイーストに住む
・トップクラスの大学出身(オックスフォード、ケンブリッジ等)
・年収は9万ポンド以上
・会話は同じ階級の人と主に話す
・趣味はオペラ、クラシック音楽やジャズを聴くこと
・休日は美術館や博物館を訪れること
階級によって入れる学校は違う?
入れる学校は親の収入や住んでいる場所の環境次第になってしまうため、もちろん変わってくるわ。エリートやミドルは寄付金が必要な名門パブリックスクールに通い、オクスブリッジなどの名門大学に進むのが一般的。ワーキングクラスは、費用の安い公立学校へ行き大学進学率が低いよ。両親の階級が高くて高収入だと、子供も高収入になるという傾向があり、日本のように親は貧乏だけど東大へ行ってリベンジなど国内では人生逆転が難しいのがイギリス。そのため、外国へ出て一発逆転を狙う人もいるの。
イギリスの有名人は何階級 ?
ミドルクラス
ジュード・ロウ、エマ・ワトソン、ダニエル・ラドクリフ、ヒュー・グラント、スティング
ワーキングクラス
デビット・ベッカム、ケイト・モス、ケイト・ウィンスレット
現代の階級は7つに分かれている!
現在の英国では、出自よりも生きている今の姿を重視して、職業別に上級のエリートから下級のプレカリアートまで7つの社会階級に分かれるよ。
① エリート(6%):CEO、銀行員、歯科医師
② イスタブリッシュド・ミドル(25%):科学者、助産師
③ テクニカルミドル(6%):パイロット、製薬系会社
④ ニュー・アフルエント(15%):セールス、エンジニア
⑤ トラディショナル・ワーキング(14%):秘書、トラックドライバー
⑥ エマージェント・サービス(19%):シェフ、ケアワーカー
⑦ プレカリアート(15%):清掃業、働いてない人
読者の皆さんは何階級っぽい?
イギリスでは身分によって発音やアクセントが違うので、映画を観る時なんかも、役柄に合わせた発音を意識してみるとさらに興味がわいてくるはず! チェックしてみてね。
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