Dear B,

Digital Nomad
静岡生まれ。カナダに語学留学したのをきっかけに海外に興味を持ち、その後世界一周の旅に出発。一周後も生活の拠点を海外に移し、訪問した国は40ヵ国以上。趣味はダイビングにトレッキング、海外の可愛い雑貨集め。面白そうなイベントがあれば、世界中どこへでも飛んでいきます。現在はタイで子育てをしながら、次はどこの国に住もうか模索中。
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HOW TO
2017.02.28

世界に触れてみて変わる、幸せな生き方

~結婚観編~

筆者はアラサーですが、一般的に30代というのは結婚というものを意識する年代ではないでしょうか。バリバリのキャリアウーマンの方も、自分が意識していないのに、周りがとやかく言うというような年齢ですよね。結婚したいという方も、まだまだしなくていいという方も、ほかの国の考え方を知ると、また自分の人生設計が変わってくるかもしれません。という事で、今回はふたつの国の結婚観について掘り下げてみました。

イタリア

 

イタリアでは晩婚カップルが少なくありません。恋愛に対して情熱的で、先々の事より目の前の愛を語りあうような国だと思っていたので、なんだか意外でした。

その理由のひとつには、イタリアの大学のシステムだと思われます。日本では高校→大学と順調に卒業していけば20代前半には就職し、そこから数年で社会人として生計を立てている方が多いですよね。しかしイタリアは大学を卒業するのが非常に難しく、4年で卒業できる方は非常に稀な為、社会人になるのが20代半ばから後半なのです。社会人になりたてで結婚する方は少ないので、必然的に結婚は遅くなります。さらに、イタリアではこの所経済が不安定なので、若者が結婚へしり込みするのでしょう。経済的な理由で実家暮らしの方も多く(さらにマザコンという事でも有名ですよね)、今期は遠ざかっていきます。

さて、カトリック教徒の多いイタリア。驚くことに、そう昔ではない1980年代まで、教会で結婚式を挙げた場合、離婚することができませんでした。神への誓いに反するという事ですね。日本ではオシャレだから教会であげようか~というかなりラフな感じなので、この事実には驚きです。現在では離婚は認められているものの、通常は3年以上の別居を経て離婚が成立します。非常に面倒だとは思いますが、一時の感情を抜きにして、距離を置いて考える期間を与えているようです。それでも、離婚率は日本より高いというのですから、不思議な話です。

現在は人生のパートナーを見つけた方々は、皆必ず同棲をします。それは、結婚離婚が非常に重大なもので、間違いがあってはいけないので、じっくり考える期間という事の表れかと思います。筆者のイタリア人カップルの友人も、数年同棲している事実婚です。本人たちによると、結婚すると自由度が減るし、今のままで全く問題がないから、子供ができても結婚は考えていないとの事でした。日本だったらかなり珍しいケースですが、イタリアではかなり多く、社会からも受け入れられた家族の形なのでしょう。

このように、様々な側面を持つイタリアの結婚観ですが、日本に比べて結婚に対する考えがかなり具体的で、かつ重みのある物のように感じます。それぞれが自分の価値観を持ち、流れに惑わされずいるからこそ、パートナーを常に愛し、いくつになっても恥ずかしがらず嫉妬したり、愛し合う事ができるのかもしれませんね。

 

キルギス

 

キルギスって知ってますか? 筆者はヨーロッパからアジアに向けて旅をしていた時に、通り道だから行ったという感じで、それ以前は全く知りませんでした。中央アジアに位置し、素朴な雰囲気のある国です。訪問してみて驚いたのですが、顔、背格好の見た目が日本人とそっくりなのです。彼らが日本にいても、話さなければ日本人だと思われるでしょう。

とはいえ、見た目が一緒でも、結婚観は全く異なります。日本の昭和時代のように、男は強く、女はしおらしくという感じで、アピールするのはほとんど男性。プレゼントや手紙などで交際前に猛烈に押しまくります。デートでは常に男性がリードし、自分の良さをアピール。その勢いに流されて女性が交際をOKするという感じなのですが、そこまでされたら悪い気はしないですよね。この背景には、女性があまり外出して遊ぶという文化がない点、都市部のモテる女性はボーイフレンドが沢山いて、競争率が高いという点があるのだと思います。

さて、こういった道をへて結婚についてはというと、実は交際当初から結婚を意識しているカップルが多く、平均的に付き合って半年くらいで結婚をします。驚きのスピードですが、『お互いに恋の情熱があるうちに結婚して早く子供をもうける、それから愛情を育む』というスタンスだそうで、さらに女性は早く結婚する事が一番の幸せと考えられているのです。筆者が24歳の時にキルギスを訪問しましたが、現地の方々にこぞって「結婚は?」と聞かれました。そんな短い交際期間では相手の事がよくわからないのでは?と思ってしまいますが、意外にも離婚率が低いのです。と言うのも、結婚はその男女間の事というより、女性が男性の家族に入るという感覚が強く、女性が家族とうまくやれるか、家政をしっかり回せるかという事が重要視されるそう。だから、本人同士の意思よりも、親の意見が尊重される場合も多いのです。

そして、特筆すべきは、キルギスにには誘拐結婚という文化があるという事。元々は親から交際を承認されないカップルが、反対を押し切って結婚する為に行った情熱的でロマンティックな結婚方法です。(女性が男性の家に入ると処女性を失うと言うことで、親たちも承認せざるを得なくなるそうです)またべつで、女性に一目ぼれした男性が女性の承諾を得ずに結婚したい場合、女性を拉致誘拐し男性の家に連れていき女性は受け入れる、という男性側の都合だけで強引に結婚が承認される事もある、摩訶不思議な文化です。現在は法律で禁止されているものの、宗教観や歴史、伝統や礼節なども複雑に絡み合って、地方の田舎ではまだ行われ、重い犯罪だとは認識されていない風習との事。都市部に住んでいるキルギス人に聞いてみたところ、実際にした人は会った事がない、と言っていたので稀な事だとは思います。突然知らない男性に誘拐されて、それを受け入れた女性。ただデートするだけならまだしも、人生に大きく左右する結婚です。筆者は全く想像ができない世界、一言では語れない複雑な心模様があるのでしょう。いつかその方々の話を聞けたらいいなと思います。

 

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