Dear B,

Travel Editor
旅する編集者 ファッション、ワインPRを経て旅する編集者になる。 「世の中やサービスに新しい視点や価値を加える」を軸に21世紀の新しい生き方、ライフスタイル、価値感を、執筆を通じて発信している。
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HOW TO
2017.04.23

自分に自信が持てない日本女性に捧ぐ

フランス式 私らしい人生のつくり方(後)

 

前編では、日本とフランスの架け橋として活動するフランス人作家ドラ・トーザンさんに日本人とフランス人の価値観・結婚観の違いから日本人女性が社会的に自立できない原因についてお話を伺いました。後編では、日本女性はどうしたら世間の声や常識に惑わされず自分らしい人生を切り開いていけるのかということについて聞いていきます。

前編はこちら

 

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日本人は時間の使い方が下手

  

Dear B, まさに時間の使い方が下手なのが日本人です。仕事が楽しくて仕方ないならまだしも、人生の時間のほとんどを仕事に捧げるのはヘルシーじゃないですよね。

 

ドラ 日本は安全で何でもそろっていて、人は親切で素晴らしい国なのに、ストレスを抱えている人が多いですよね。そのストレスの原因は無駄な時間や無駄な人間関係に起因しているように思います。

 

Dear B, 確かに。日本の会社では、定時には帰りにくい雰囲気はありますし、未だに接待の飲み会も多いですね。相手に気を使いすぎるがゆえ、無駄な時間が発生しているというのはあると思います。

 

ドラ 気遣いは日本のエレガントな文化のひとつだと思いますが、日本人は必要以上に他人の目を気にしますよね。でも大事なのは他人からどう見られるじゃなくて、自分がどう生きたいかだと思います。自分らしく生きるには自信が必要。日本人女性が年齢に気を揉むのは、自分の選択に自信がないからじゃないですか? 30歳前後の女性が「結婚しなきゃ」とパニックになるのもそのせいだと思います。

 

フランス人は個人主義、日本人は全体主義

 

Dear B, 日本人はどちらかというと和を乱してはいけないと教育されて育つので、人の目や人の意見がガイドラインになってしまうんですよね。

 

ドラ そこが日本の難しいところですね。フランスは個人主義の国ですから、小さい時から自分の頭で考えて自分の答えを出すということを訓練されています。学校教育の中でも、ディベートの時間があって、問題に対してどうすれば良いとか、答えを自分で見つける訓練がされているんです。この訓練が実を結ぶと自分の意見を持てるようになり、それが自信となっていくので、誰に何を言われようが年齢に区切りをつけることなく自分がやりたいことをやれるのだと思います。

 

 

自分を知るためにひとりの時間を持つこと

  

Dear B, 確かに日本の学校教育は、授業の中では答えが用意されているので、自分の頭で考えて発言するという機会があまりありません。自分で考える訓練をせず育ってきてしまっている私たちはどうしたら自信を持てるようになると思いますか?

 

ドラ ひとつは、自分を好きになることが大事だと思います。それは自分が一番とかナルシストになれという意味ではなく、自分の人生を好きになることが、自分らしく生きる道に繋がり、最後は自分への自信になります。

 

Dear B, 自信を持つ秘訣は自分の人生を好きになること! どうしたら自分の人生を好きになれるのでしょうか?

 

ドラ 自分の人生が好きかどうか考える時間を意識的に持つことが大切です。例えば今の仕事、今の生活スタイルで幸せか、満足をしていないならそれを変えるべきなのか、どう変えたら自分は幸せになれるのか……。自分の頭で考えて、変えたいところがあるのならチェンジすればいいんです。自分の人生を好きになると段々自信を持てるようになります。

 

Dear B, なるほど。そもそも今ある人生が自分の決断によって決められたものでないから人生が好きになれない、自信が持てないということが起こるのですね。

 

ドラ おっしゃる通りで、両親や先生、友達にこうすべきだと言われたからとか、この会社が有名だから入社したとか、他人の物差しで決めてしまった人生に自信を持つ事はできません。今の人生が好きかどうかを見直して、好きでないならば好きになれるようにチェンジすることが大切なんです。まずは自分を知るためにも自分自身と向き合う時間をつくることが大事です。自分らしく生きる道を見つけられた時、周りが言うことは気にならなくなり、自分らしい人生を切り開いていけるようになりますよ。

  

旅好きなDear B,読者へ

 

Dear B, 確かにその通りですね。「自分の人生が好きか」と考えたことがある人って意外と少ないと思います。毎週意味もなく飲み会に参加する時間があったら、一度自分と向き合って、人生について考えることが大切だということは、現在モヤモヤしている日本の女性の皆さんの心に響いたのではないでしょうか? それでは最後にドラさんは、フランスと日本をはじめ世界を旅されていますが、「旅」が好きなDear B,読者に向けてメッセージをください。

 

ドラ 私は小さい時から旅が大好きなのですが、旅の良いところは、世界が広くなることです。初めて訪れる国で、初めて会う人々や習慣、文化などを知ると、他のことが怖くなくなる。新しい食べ物、装い、価値観、生き方を目の当たりにすると、自分の中の引き出しも増えます。もうひとつは先ほどまでの話にも通じますが旅をするとことは「自分を知ること」でもあります。外国にひとりで旅したり、住んでみたりすると、「自分って思ったよりも勇気があるな」とか「こんなことに悔しいと思うんだ」とか今まで知らなかった自分に出会う機会があり、自分自身への理解が深まります。なので、Dear B,読者には自分を知って自分らしい人生を切り開いていくためにもどんどん旅にでて欲しいですね。

 

 

ドラ・トーザン(Dora Tauzin) 

エッセイスト。国際ジャーナリスト。フランス・パリ生まれ。ソルボンヌ大学、パリ政治学院卒業。国連広報部勤務後、92年からNHKテレビの「フランス語会話」5年間レギュラー出演。慶應義塾大学講師を経て、現在は「アンスティチェ・フランセ東京」、「アカデミー・デュ・ヴァン」などで講師、また日本とフランスの懸け橋として、新聞・雑誌への執筆や、講演、テレビ・ラジオのコメンテーターなど多方面で活躍中。主な著作として、『ドラがみつけた外国人の東京スタイル』、『東京のプチパリですてきな街暮らし』、『フランス人は「ママより女」』、『パリジェンヌ流今を楽しむ! 自分革命』、『パリジェンヌのパリ20区散歩』、『フランス人は年をとるほど美しい』『好きなことだけで生きる』など。2009年、文化庁より長官表彰(文化発信部門)。2015年、レジオンドヌール勲章シュヴァリエを受章。

HP: http://www.doratauzin.net/

FB: https://www.facebook.com/dora.tauzin.official/

 

撮影:REGION

撮影協力: 神楽坂キートス茶房

 

書籍紹介

  

フランス人は「ママより女」 (小学館文庫)

 

好きなことだけで生きる~フランス人の後悔しない年齢の重ね方

 

パリジェンヌ流 美しい人生の秘密

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