イギリスでも過労死問題が
世界のKAROUSHI事情
日本でニュースを観ていると「過労死」というワードが目に付くよね。とても悲しいことだけど、第二次世界大戦以来、一生懸命働いてきたワーカホリックな日本人だからこそ陥りやすいって外国では認識されているんだ。日本以外の国にも過労死ってあるのかな?
過労死とは
過労死とは、働きすぎによって健康を害して亡くなってしまうこと。テクノロジーの恩恵で、深夜の残業も可能となり、周囲のプレッシャーが強い働き者で真面目な日本人は仕事を辞めるという選択肢がなく、月100時間以上の残業を強いられることも……。そのような生活を続けていると、睡眠不足も重なって気分転換もできず、心臓麻痺や脳溢血による突然死や、うつ状態になって自殺を選んでしまう人も。このような不幸な現状が減らないことが日本では問題になっているんだ。
英語で過労死はKAROUSHIと呼ばれる
日本の過労死の現状は世界でも取り上げられているわ。過労死とは英語では“death by overwork”を意味するけど、ブラック企業による過労死という働きすぎの概念は労働者の権利が法律で守られている欧米にはあまりない現象なので、最近ではKAROSHIという呼び方が定着しているよ。オックスフォード辞書にも載っているんだよ。ただ、英ロンドンで2013年にメリルリンチ証券に勤める21歳の男性が72時間働いたあとに亡くなったことが世界中で過労死問題に火をつけ、このことから日本だけの問題ではなくなっている現状がわかるよ。
過労死が報告されている&多い国
日本以外に過労死が最近増えてきている主な国は、インド、韓国、台湾、中国。いずれもアジア圏だね。どこも、学歴社会で受験戦争が激しく、頑張るということが身についている国々。我慢強く頑張ることが当たり前で、稼げれば稼げるほど良い生活ができるという考えや、格差社会で失業が怖いという思いが浸透していたり、老後の保障が北欧諸国のように安定していないというのも各国共通しているよ。欧米と違って、家族よりも仕事を優先せざる得ない状況っていうのは、われわれには当たり前だけどちょっと異常らしいよ。
どんなことが原因になっている?
欧米では、時間よりも能力で給料を換算する傾向があるから、9時から17時で仕事を終わらせられない人はカッコ悪い風潮があるの(もちろん、トップの方は多く働くよ)。日本みたいに、長時間働くほど仕事に貢献しているという考え方は特異なんだって。過労死の原因はブラックな企業体質と長時間働くのは美徳という日本人らしい考え方や、新卒第一主義で仕事を辞めたら後がないと思ってしまう心にあると思うの。働きすぎだと思ったら、「ちょっとうちの会社働きすぎじゃない?」って周りに相談したり、追い詰めないことが大事よ。あとは、ひとつの会社のレールを外れても生きていれば何とかなるってことを心得ておくこと。欧米では環境改善やより良い待遇条件を求めて転職するのは、むしろ当たり前の行動なんだから。
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