編集部総動員! 無茶ブリ企画
もしも社内公用語が英語になったら?

グローバル化が進む日本企業で生き残れるか?

グローバル化を掲げる企業が増え、社内公用語が英語になったり、管理職になるため(なり続けるため)にTOEIC®テストの結果が求められたりするなど、今まで以上に強く英語力が求められる時代がきています。そこで、Cheer up! English編集部では「もしも、社内公用語が英語になったら」という仮定のもとに実験。まずは、適度に会話を強制されつつ短時間で済む、ランチミーティングで試してみることにしました。毎週月曜に行われるこのミーティングでは、担当者が最近興味をもったWEBサイトを紹介します。果たして、成功するのでしょうか。

 

◆ まずは発表準備

 

まず、紹介するWEBサイトを選び、発表用の資料づくりをすることからスタート。普段のミーティングでは資料を用意しないのですが、必要な単語がわからないのではどうにもなりません。なので、日本語で発表内容のテキストを作ります。その上で、翻訳ソフトを使って英訳。しかし、英訳してみるとわかるのですが、まわりくどい表現をしていると何を言いたいのかわからなくなります。そこで、日本語の文をシンプルにリライトし、再び英訳していきました。

例えば「これからWEBサイトの紹介を始めたいと思います」という原稿を作ったとします。これを翻訳ソフトにかけると“I would like to begin introduction of a WEB site from now on.”とでてきます。しかし、「これからWEBサイトを紹介します」と入力すれば“From now on, a WEB site will be introduced.”と翻訳されます。変換された例文の良し悪しはともかく、どちらもたいして意味は変わりません。「自分が話しやすい」というのもありますが、「相手が理解しやすい」内容を心がけることも大事です。
次に原稿を印刷し、わからない単語の意味を調べるために「海外旅行前に絶対インストールしたい 全部無料の英会話支援アプリ5選」で紹介した、iPhone用のアプリ『英和辞典 Japanese English Dictionary Free』を活用。調べた言葉はボキャブラリにプラスされていくので、結構勉強になりました。毎週発表したら、かなり語彙が増えそうです。

 

◆ ついに発表当日

 

発表時は、趣旨についてだけ日本語で言いました。ルール違反のようですが、社内公用語化を推進中の某大手ショッピングサイトでも「大事なことなので日本語で言います」というケースがあるそうです。あくまでも「英語が公用語」であって、日本語を使うことを禁止しているわけではないのですから、臨機応変に対応しました。
発表は事前準備のかいがあり、なんとかクリア。しかし、説明が終わると質疑応答の時間あります。ここでは、いくつかの質問を受けましたが、残念ながらさっぱり答えられませんでした。念のために、言葉を吹き込めば翻訳してくれるアプリ「VoiceTra+」を準備していたのですが、長文だと翻訳に時間もかかり即応性が求められる会議では使えません。最後は困ったとき用に準備しておいた、“no time”という言葉で強制的に終了させました。

 

次にミーティングに参加した人たちに、3つの質問をしてみました

A:発表者の英語はわかりましたか?

B:社内公用語が英語になったら、どうしますか?

C:何か感想があればお願いします。

 

【編集長 Silhouette】

A:よくわからなかった。発音も聞き取れなかったし、文法も間違っているような気がした。
B:英語を勉強します。特に会話。
C:チャレンジ自体は面白いが、発表者もレスポンスしないと、会話や議論が成り立たないので、次回は英語のわかる発表者で実験したい。

 

【編集 heatwave】
A:ミーティングで発言した全員の英語はわかりました。
B:スクール通いを検討します。

 

 

【編集 a.m.a.n.o】

A:知らない単語がたくさんあって、特に冒頭が分からず、「何を言ってるの?」でした
B:日中は日本語だけで過ごしたい。
C:英語勉強するのって大変だ。

 

 

【編集 ECO】

A:全部聞き取れてはいないが、言いたいことはわかった。
B:困ります。
C:「やっぱり日本人って発言しないんだな」と思った。

 

【ライター kai】

A:発表者や編集長の英語は簡単だったので理解できました。ほかの方の発言は難しかったです。
B:頑張って勉強しつつ、転職先を探します!!

 

 

【ライター MAHO】

A:カテゴリーごとに、ゆっくりはっきり話されていたので分かりやすかったです。
B:個人的には英語の勉強になるのでうれしいですが、一般企業では意思疎通に時間がかかり、効率的ではないと思います。
C:最初にトピックを決めた討論の方が、意思疎通がしやすいかもしれません!

 

 

【編集アシスタント まよい】

A:発表者の英語はなんとなくわかりました! 他の人はあんまり聞き取れなかったです。
B:ちょっと、困るかも。
C:おもしろかったです! 自分も英会話を勉強して聞き取れるぐらいになりたいです!

 

 

◆ 総評

 

参加者の感想を聞いてみると、発言内容を単純化した作戦は適度の効果があったようです。また、実際に施行されるとなると、業務に支障なく運用するには高いレベルでの英語力が必要だと思います。しかしながら、前向きに学習したいという意見も多くあり、「話さなければいけない」環境づくりも学習へのカンフル剤になりそうですね。
個人的には、一番の問題はリスニングよりもボキャブラリの貧困さですね。耳で聞き取れても、意味がわからなければ返す言葉も思いつきませんから。漫画やアニメの主人公たちは異世界に召喚されると特殊能力が発動されますが、英語力の低い人間がグローバル化された社内に召喚されても、壁の花にもならないようです。この悔しさをバネに、英会話スクールへの入学を検討します!

 

構成・文/さいとうよしかず(編集部)


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