ギリシャ旅行の際は絶対に食べたい
はずれのないギリシャ料理10選
海外旅行にでかけたら現地の料理を食べよう
世界料理図鑑Vol.2 ギリシャ料理
海外旅行で景色や観光スポット同じくらい楽しみなのが"食"ですよね。世界には日本では見かけることのできない驚きと発見のある食で溢れています。せっかく飛行機に乗ってでかけるのなら、現地の料理を思い存分楽しんでみませんか? 世界料理図鑑は、その名のごとく世界各国の名物料理を紹介していく連載です。
海外旅行の際に「この国の名物料理って何があるんだろう」そう思った時は、ぜひこの連載を参考にしてみてください。
ムサカ Moussaka
ギリシャ料理として最も有名とも言える「ムサカ」は、ナスやじゃがいもの薄切りをミートソース、ベシャメルソースと交互に重ねて、オーブンで表面をこんがりと焼き上げたものです。
作り方は各家庭やレストランによって異なりますが、ミートソースには牛肉のほかラムが使われることも多いです。ベシャメルソースにはパルメザンチーズや卵が入るためしっかりとしたコクがあり、グラタンやパスタに使われるソースよりも固めで、仕上がりの層も厚めなところもムサカの特徴です。
焼いたナスとひき肉の相性がもともと良いところに、ベシャメルソースと焼き色の香ばしさが加わり、ミートソースのハーブも効いてさすがギリシャの代表料理、と言えるたいへんおいしい一品です。
パスティッチョ Pastitsio
ムサカに似ているとされるオーブン料理ですが、長いマカロニのようなチューブのようなパスタを使うところが大きな特徴です。
ミートソース、茹でたパスタ、ベシャメルソースを重ねてチーズをかけてオーブンで焼きます。イタリアのラザニアにも似ていますが、パスタの形状が特徴的であることと、ミートソースに使われるハーブがオレガノやシナモンであるという違いで、ギリシャならではの風味の料理に仕上がっています。
焼き上がりすぐではなく、しばらく置いてソースとパスタがなじんでから切り分けていただくのですが、ソースが染みたマカロニがとてもおいしいです。
スブラキ Souvlaki
一口サイズの牛、豚、鶏、羊、白身魚などを串刺しにして炭火で焼いたもので、味付けは塩こしょうのみ、またはそこにオレガノなどのハーブが加わることもあります。
アテネ市内にはファーストフード店のような雰囲気のスブラキ専門店がたくさんあり、1本から注文できるので、味見する感覚で気軽に利用することもできます。
焼きたてのところに、レモンを絞っていただきます。塩加減が絶妙で、お肉にオレガノを振るとこんなにおいしいんだ、レモンも効いていて爽やか! とあまりにもおいしいので、たいてい1本で済むことはありません・・・…。
レストランによっては、レモンではなくヨーグルトを使ったソースなどがつくところもあり、味付けもさまざまです。
ギロ・ピタ gyro pita
「ギロ」はもともとトルコのもので、薄切りにした豚肉や牛肉、鶏肉などをそれぞれ重ねて大きな塊にしたものをスタンド形式のグリルで回しながら焼き、焼けたところを削ぎ落として食べるものです。現在では、ギリシャの代表的な料理ともなっています。
それを「ピタ」というパンで巻いたのが「ギロ・ピタ」です。お店によって一緒に巻かれるものも味付けもかなり異なりますが、写真のものはサントリーニ島の有名店のもので、目の前で作ってくれます。ピタにはグリークヨーグルトが塗られ、削ぎ落としたばかりのたっぷりのギロスとトマト、レタス、玉ねぎ、フライドポテトも一緒に巻かれてボリューム満点です。軽く塩をふられただけだったのに、どれも欠かせない相乗効果のある具のバランスで、あまりにおいしくて驚きました。
ホリアティキサラタ Horiatikisalata
ギリシャの代表的なチーズ「フェタ」が入ることが特徴のサラダで、野菜はトマト、きゅうり、玉ねぎ、オリーブとシンプルです。ディルやオレガノなどのハーブもかかっています。レストランでは、テーブルに備えられているオリーブオイルと塩で各自で味付けして食べます。
ギリシャで実際に食べたものは、写真よりもフェタチーズの分量がもっと多かったですが、チーズを崩しながら全体をよく混ぜたところたいへんおいしいサラダになりました。毎食食べ続けても飽きない不思議なサラダです。
フェタは、四角い見た目が木綿豆腐のようでもありますが、ヤギのミルクを食塩水の中で熟成させて作るチーズで、独特の風味があります。食感としてはカッテージチーズに近いです。ヘルシーであることで欧米でもたいへん人気があるチーズで、このサラダも「グリーク・サラダ」の名前で一緒に浸透しています。
カラマリア Kalamarakia
薄く香ばしい衣がついた、シンプルなイカのフライです。レモン汁をかけていだたきます。確実にハズレなくおいしいので、何を注文しようか迷ったとき、とりあえず選んでよい料理のひとつです。
国土の大部分がエーゲ海に面しているギリシャ。サントリーニ、クレタ、ミコノスといった観光地として人気の島々でも、シーフードをいろいろ味わうことができます。「カラマリ」はイカのことですが、タコ、エビ、貝類など素材そのものをシンプルな味付けと調理方法で供される料理が多いようですす。
ドルマ Dolmas
ブドウの葉に米やひき肉を包んで煮込んだものです。ロールキャベツのキャベツがブドウの葉になったようなもので、小さく作られたものは前菜として食されることが多く、肉を入れずに作る場合もあります。
ソースとして、卵黄とレモン汁で作る「アヴゴレモノ」が添えられるのも特徴です。なお「アヴゴレモノ」は「卵とレモン」という意味で、スープとして供されている場合もあります。
ギリシャの他トルコやアラブ諸国にも同じ名前の料理があります。
イェミスタ Gemista
トマトやピーマン、ズッキーニなどをくり抜いて中に米やひき肉を詰め、オーブンで焼いたものです。詰め物はドルマとほぼ同じか、くり抜いた内側の野菜も入れてしまうことも多いようです。また味付けにはミントが入るところが特徴です。フェタチーズが入ることもあります。
ギリシャは野菜がおいしい国ですが、焼くことによって香ばしくなり旨味が凝縮される「イェミスタ」は、詰め物にごはんが入っていることもあって、食べごたえ充分、たいへんおいしい料理です。
グリークヨーグルトとグリークハニー
Greek yogurt with Greek honey
「グリーク」はギリシャのことです。
日本でも知名度が上がってきたギリシャのヨーグルトですが、欧米ではかなり前から一般的になっています。濃厚でクリーミー、一度知ったら普通のヨーグルトにはもう戻れません。
ギリシャのヨーグルトは水分が切られていることで、あの濃厚さが出ています。そのまま食べるほか、ギリシャではソースにしたりドレッシングにしたりディップのベースとしたり、料理の素材としても多用されています。
そのまま食べる際のお供は「グリークハニー」、ギリシャのはちみつです。こちらもはちみつの常識が覆るような濃いとろみで、風味も濃厚です。これをグリークヨーグルトにかけて食べると、驚くほどおいしいですよ。
バクラヴァ Baklava
ギリシャ、トルコ、アラブ諸国の人は全員が好物だとも言われている、甘い甘いデザートです。食感からはパイの一種とも言えますが、「フィロ」という小麦粉で作られたごく薄いシートが何層にも重なって作られているのが特徴です。
フィロにバターを塗り、クルミやアーモンド、ピスタチオなどのナッツをくだいたものとシナモンを散らし、フィロを重ねバターを塗り……という工程を繰り返した後、オーブンでじっくり焼き上げます。焼き上がり直後に、砂糖とはちみつのシロップをたっぷりかけてそのまま一晩おき、生地にしっかりと染み込ませます。
この極甘シロップがバクラヴァの最大の特徴であり、日本人は受け入れられないといわれる甘さの元にもなっています。でも、シロップにギリシャ製の濃厚なはちみつと、ギリシャ特産のピスタチオが使われたバクラヴァなら、特別においしいのではないかと思います。
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