Dear B,

Digital Nomad
静岡生まれ。カナダに語学留学したのをきっかけに海外に興味を持ち、その後世界一周の旅に出発。一周後も生活の拠点を海外に移し、訪問した国は40ヵ国以上。趣味はダイビングにトレッキング、海外の可愛い雑貨集め。面白そうなイベントがあれば、世界中どこへでも飛んでいきます。現在はタイで子育てをしながら、次はどこの国に住もうか模索中。
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HOW TO
2017.08.16

「あなたの幸福度は何%ですか」

世界幸福度調査~ラオス人編~

ライフワークバランス。昨今、日本でも注目されつつある言葉ですね。仕事にかける時間が多すぎて、私生活を充実させることが出来ない日本人が見直さなくてはいけない人生のポイントのように感じます。筆者も一時、がむしゃらにそれこそ昼も夜も働いて、休日なんて無いような生活をしていた時期があります。その頃は、少々背伸びしたブランド物が欲しかったし、便利な電化製品も効率よく仕事をするために欲しい、短い休みで効率よく旅行するために高額な旅費がついても構わない! なんてがんばっていました。でも、だんだん自分を充実させるために仕事をしているのか、仕事の為にお金を稼いでいるのかわからなくなったのです。何の選択をするときも、仕事がまず第一優先、それにあわせて他の事柄も決めてしまっているのかな、と自分の人生に迷いが出ました。筆者はそのときに初めて、ライフワークバランスを考えるようになりました。

 

さて、今回のインタビューはラオス人の方。ラオスというと、のんびりとした国で、がつがつ観光をするというわけでもなく、何も無いという時間を楽しみに訪問するヨーロピアンが多いですね。日本人としては、旅行といっても予定を詰め込みがちですが、読書をしながら昼寝して……というようなバカンスを楽しむ欧米人達にはうってつけの国なのでしょう。そう思うと、筆者も含めてこういった”休む”事が日本人はへたくそのように感じますね。インタビューに答えてくれたワンは、実はラオスではなくタイで会った青年です。出会った当時も、ラオスの現状や出稼ぎでの出来事など、興味深い話を沢山してくれたので、今回インタビューをお願いしました。日本人とは全く違う環境で育った彼は、何を思うのでしょうか……?

 

ワン/男性/26歳/ラオス人

 

ーあなたはどのくらい幸せですか(100%のうち何%幸せか教えてください)

 

幸せだよ。でも、向上心はある。もっともっと自分を高めたいと思うよ。

だから今は70%くらい。

 

ーあなたを自分が幸せと思わせるものは何ですか?

 

新しい事を見つけたとき。ラオスに生まれ育って、幼いときも十分幸せだったと思うよ。今考えると、家の中は物が少なくて、食べるものもとても質素だったけれど、自然がおもちゃ代わりで、外で楽しく駆け回っていたよ。農作業を手伝うことも、遊びの延長線上みたいな感じだったな。家族でご飯を食べて、テレビもなかったけど、お父さんとお母さんとおばあちゃんと兄妹と楽しくしゃべって。物はなかったけど、悲しいとか、不幸と思ったことはないよ。でも、大人になって、テレビやインターネットや、他国から来る人たちから、新しい情報を沢山もらうだろう。そうすると世界が広がって、世界にはなんて面白いものが溢れているんだろうと思ったよ。一生懸命、英語も勉強してまた更に面白いものをどんどん見つけて。人生は発見の連続だね。

 

ーあなたの人生でいちばん大切なものは何ですか?

 

自分自身かな……身体的な事も、精神的な事も全部ひっくるめて、自分が大事。そんな自分で、大切なものを守りたい。あと正直にいうとお金も大切だと思う。ラオスも自給自足で、のんびり暮らせればいいっていう時代じゃなくなってきているんだ。便利なものは欲しいし、みんな子供達にいい教育を受けさせたい。他の国がラオスに参入してきて、いい面も多いけど、その分ラオス人の中でも競争が生まれてしまっている。

 

ーあなたの国の人々は幸福度が高いと思いますか?

 

幸福度は高いかな。ラオスという国と人々だけの世界だったら幸せだと思う。だけど、他の国の人に会ったり、見たりしてしまうと急に比べてしまうんだ。自分は世界の中でも下の方の国の人間なんだなって。じつは僕、バカンスに来ていた欧米人に恋に落ちたことがあるんだ。とてもきれいで快活な彼女の事をどんどん好きになって、できるだけ彼女にラオスのいい所紹介しようと思って頑張ったんだ。でも、経済的な格差はどうしても埋められない。僕がラオス料理を振舞ったり、バイクで色んな所に連れて行ったりすることはできるけれど、観光客向けのレストランやアクティビティには連れて行けない。彼女はそんな事気にしないと言ってくれたし、トラディショナルなラオスの暮らしを見て楽しんでいたと思う。どんな事考えていたのか分らないけど、バカンスとしては楽しんでも、現実的な恋愛じゃないよね。僕は必死に背伸びしてがんばったけど、色んな事に気づいてしまったんだ。彼女の住む先進国と、僕の住むラオスの差を。でも、幸せって良く分らないんだ。先進国からラオスの生活に憧れて住む人も多いでしょ。僕達は羨ましがられるような生活をしているのかな?悲観的になっているわけではないけれど、恵まれた国籍を持っている人達の余裕のある考え方だと思う。僕も一度、ラオスでも先進国でも自分で選んで住めるような人になってみたいと思うよ。

 

ーあなたの国の幸福度を上げているもの、下げているものは何ですか?

 

仏教の精神と、人のやさしさかな。僕らは当たり前だと思っていて、気づかなかったけど他の国の人たちに凄く言われるから。困ったらみんなで助け合うよ。幸福度を下げているのは、教育が行き届いていない事かなぁ。田舎の方では文字が読めない人も結構いてね。農作業をして生活できているから、食べていくには困らないけど、しっかりとした教育を受けている人と受けていない人で、これから国内で格差がどんどん生まれてしまうと思う。平等でないと、不幸が生まれてしまうよね。ずっと昔のままいられたらいいのだけど、気づかないうちに少しづつ生活って変わっていくんだよ。食べ物や飲み物の製品はタイなど、他の国からの輸入が多いんだ。タイで買うより物は高いのに、現金収入はラオスのほうが低い。歪んでいるでしょう? でも良い物は生活の中で少しずつ取り入れられていってしまうから、欲しいし、持っている人が羨ましくなる。それを不幸というには少し大げさだけど、小さなことが積み重なって個人の中で積もっていき、個人が集まれば国として大きな問題に発展するんだと思うよ。

 

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