映画で学ぶ|スリー・ビルボード Three Billboards Outside Ebbing, Missouri

英会話で使える比較級の構文

The more…, the better / the worse…

日本で英語漬けになる環境を作るのが難しいなら、日本語字幕がない映画の公式予告編でリスニング力を鍛えましょう。映画情報を知ることができて、リスニングの学習にも役立ちます。英語フレーズや表現、日本との文化の違いなどのワンポイントの解説から、すべての英語のセリフと翻訳も掲載しています。今回は衝撃と感動のクライムサスペンス『スリー・ビルボード』です。

作品情報

『スリー・ビルボード』
原題:Three Billboards Outside Ebbing, Missouri
日本公開:2018年 2月1日(木)全国ロードショー

 

 

あらすじ

アメリカ、ミズーリ州の田舎町エビング。最愛の娘が殺されて既に7ヵ月が経過していたにもかかわらず、犯人が逮捕される気配がないことに憤るミルドレッドは、ウィロビー警察署長に抗議するために町はずれに3枚の巨大な看板を設置した。町の人々の多くは、人情味あふれるウィロビーを敬愛していたため、看板に憤慨した彼らはミルドレッドを翻意させようとするが、かえって彼女から手ひどい逆襲を受ける。今や町中がミルドレッドを敵視するなか、警察を追い詰めて捜査を進展させるはずが、孤立無援となっていくミルドレッド。ところが、ミルドレッドはもちろん、この看板騒ぎに関わったすべての人々の人生さえをも変えてしまう衝撃の事件が起きてしまう──。

 

 

みどころ

主人公ミルドレッドに扮するのは、アカデミー賞®に4度ノミネートされ、『ファーゴ』で主演女優賞を獲得したフランシス・マクドーマンド。爽快なほどの毒舌でブラックなユーモアを散りばめる一方で、娘を守れなかった悲しみと後悔を繊細に表現するなど、さまざまな感情の芯を捉えた演技で観る者を圧倒します。
各々の大切なものを守るために、予想もしない道へと外れていく大人たちを、ダークなユーモアを潜ませて熱く切なく描き、観る者を途方もない結末へと連れ去るクライム・サスペンスである本作。
アカデミー賞®の作品賞への最短距離として近年特に注目されている、トロント国際映画祭観客賞受賞。先に開催されたベネチア国際映画祭でも脚本賞に輝き、早くも本年度賞レースの大本命との呼び声も高い話題作です。

 

 

知っておきたい英語・文化のワンポイント

“The more…, the better / the worse…”を学ぼう

娘を殺されたにも関わらず、犯人が逮捕されない苛立ちを警察に直接ぶつける今回の映画の主人公ミルドレッド。巨大看板を使って悲惨な事件を人々に知らせ、さらに警察署長を名指しして責めるという手法を取ったことで、警察からのコンタクトが格段に上がります。そこで彼女が発した言葉がこちら。

 

The more you keep a case in the public eye, the better your chances are getting it solved.
事件をもっと人目に付くようにしつづければ、解決に向けてのチャンスが増えるっていうことさ

“The more…, the better…”「~すればするほど、~になる」という表現を取り上げてみます。2文の冒頭をTheでそろえ、続く単語はそれぞれ比較級という形です。さっそく例文を見てみましょう。

 

例文①

A: I just started a new weight loss program and my body hurts.
A: 新しい減量プログラム始めたんだけど、体が痛くて
B: Didn't they tell you?  The more you exercise, the better you'll feel.
B: 言われなかった? 運動するほど、体の調子も良くなっていくって
A: They did.  I don't believe it. 
A: そう言ってたよ。そうは思わないけど

 

パーティー続きの12月、お正月を終えて、エクササイズに関する会話が増える1月にはこんな会話も聞かれるかもしれませんね。「~をもっとすれば、結果としてこんないいことがあるよ」というポジティブな言い方をしています。(辛さを味わっているAさんの答えはなんともネガティブですが…)

 一方で、「~をもっとすれば、結果としてこんなことになってしまうよ」というネガティブな言い方にすることもできます。betterを逆の意味のworseを使います。

 

例文②

A: You know, I really want to go to Hawaii, but I think my next raise will be small. And I hate this uniform.  It's not cute.
A: あのね、すっごくハワイにいきたいんだけど、次の昇給の額小さいと思うんだよね。しかもこの制服も大っ嫌い。可愛くないし
B: The more you complain, the worse your raise will be.  You should be more positive!
B: 文句言えば言うほど、昇給額も少なくなってくよ。もっとポジティブにならなきゃ!
A: I know, but I need a vacation to be positive.  It's a vicious circle.
A: 分かってるよ、ポジティブになるためにバケーションが必要なんだって。悪循環だよね

 

こちらは、相手に忠告したい場面で使うことができるバージョンですね。さらに、goodの比較級better, badの比較級worseだけでなく、様々な単語の比較級を使うこともできます。

 

例文③

A: Hey?  I wanted to ask you something. Aw, man!  I forget now!
A: ねえ? ちょっと頼みたいことがあるんだけど。あちゃー! 今何言うか忘れちゃった!
B: Don't think about it.  Let's just keep talking.  The more you think about it, the harder it is to remember.  How was your last vacation?
B: そのことは考えないで。このまま話していようよ。そのことをもっと考えちゃうと、思い出すのがもっと大変になっちゃうよ。バケーションはどうだった?
A: Oh yeah! I remember now.  I wanted to ask for time off for another vacation.
A: そうだ! 思い出した。またバケーション取るために会社休みたかったんだ

 

あることを頑張れば頑張るほど、大変になってしまうような状況や、選択支があればあるほど、ひとつに決めるのが難しいなど、The more…, the harderもなかなか便利に使える言い方ですね。

 

 

日本語なしの予告編動画でチェックしよう

上のフレーズを聞き取りながら、予告編を見てみましょう。「あらすじ」も参考にするとさらに理解度も違ってくるので、わからないところはもう一度チェックしてみましょう。

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