日本で妊娠・出産を体験したアメリカ人
がいろんな違いにびっくりしたこと6つ

実体験を通してわかった
日本とアメリカの出産事情とは?

アメリカで大学を卒業後、憧れの日本に英語講師として来日したアメリカ人女性が、2018年初めての出産を日本で体験しました。

すでに日本の生活には慣れていましたが、妊娠中からアメリカとの違いに戸惑うこともたくさんあったそう。彼女の視点から他国のことを知るとともに、日本のことを紹介するときのスモールトークのネタとしてお役立てくださいね。

東京で体験した、私の妊娠&出産体験 

普通の出産だって大変なのに、違う文化や違う医療制度の国で初めて妊娠・出産するとなおのこと。

イギリス王室のキャサリン妃はなんと出産後7時間で退院、なんて世界中のマスコミが騒いでいましたが、こんなふうに他の国の出産の事情ってあんまり知る機会がないものですよね。

私は妊娠したときもう5年間も日本に住んでいたので、日本の生活には慣れていたつもりでいました。

でも実際に日本での妊娠・出産をしてみると戸惑うことも多く、日本とアメリカの違いを実感したり、新たに知ることもたくさんありました。

どちらが良い、悪い、はなく、私が実感した体験談として紹介します。

 

 

1.体重管理アナタって実は太りすぎ!?

私はアメリカ人の中でも、遺伝やアメリカ的な食生活によって、正直少しだけ体格がいい方です。それと同じように、日本人は基本的に痩せている人が多いのだと思っていました。

私はこれまで自分の体重を特に気にしたことがありませんでしたが、東京の病院に初めて行ったときにお医者さんが私の体重をすごく気にして、「体重が増え過ぎないように管理してくださいね。あまり増えるとうちの病院では出産ができない可能性があります」と言われました。

自分自身を否定されたように感じてすごくショックでした。そして、体重計が怖くて病院に行くのが憂うつでした。

アメリカの家族とも話しましたが、私の経験したように体重管理について厳しく言われたことがないそうです。

アメリカに比べて日本は妊婦さんの体重管理にとても厳しい、ということに驚きました。

 

2. マタニティマーク優先席を譲ってあげて

 

妊娠すると、区役所や指定の駅などでこの可愛いマタニティマークをもらうことができます。
とても素敵なアイディアだと思いますし、私も電車で席を譲ってもらえたときは本当にありがたかったです。

でも残念ながら、このマークを見ても見なかったフリをする人や、他の人のことを気にしない人が、思っていた以上に多いなと感じました。

特に私が大きなお腹のときに、揺れる電車やバスでずっと立ちっぱなしで体調が悪くなって辛いときなどは、そういう人もいるんだな、とネガティブになりすぎないようしましたが、やはり残念でした。

こういうマークはアメリカでは見たことがありません。もしあったら、優先席が増えたりちゃんと気づいて譲ってもらえるのかな?
アメリカ生活ではあまり公共の交通機関を使う機会がありませんでしたが、アメリカでもこのマタニティマークを取り入れたら、妊婦さんの生活はもっと楽になるかもしれない、と思いました。

 

3.自然分娩痛みなくして、得るものなし?

アメリカでは、痛みなしの出産、いわゆる無痛分娩で出産することが一般的で、大体どこの病院でも出産時には硬膜外麻酔をします。
でも日本では自然分娩で出産することが一般的で美徳。無麻酔で出産したら、あなたは本当の強いお母さんに認定、というほどの印象を受けました。

同時に、アメリカでは一般的な硬膜外麻酔による出産は赤ちゃんにリスクがあると言われていることにも驚きました。

東京では無痛分娩は限られた病院でしかできません。出産は強い痛みを伴うと聞いていたこともあって、自然分娩をしなくてはならないということが分かったときは恐怖でした。

 

4.NICU病院があんまりない?

アメリカでは、多くの産科の病院にはNICU(新生児集中治療室)があります。
私が住んでいる近くの病院にはNICUの設備がなく、少し遠い大学病院などの大きな病院にしかないと言われ、それも驚きました。
同時に、お母さんと赤ちゃんにとって大変な環境だと思いました。

自分の出産は特に問題はないだろう、と思っていましたが大学病院で出産しました。残念ながら、私の子どもが生まれたときは新生児集中治療が必要な状態。

NICUがあって助かりましたが、少し遠いのと面会時間が少なかったことがとても辛かったです。
家族が安心できるように、出産のための医療環境が少しでも改善されたらいいのに、と思いました。

 

5.入院もう1週間…いつ退院できるの? 

退院するまで1週間かかりました。
入院が長くて早く家に帰りたい、と思っていましたが、はじめての赤ちゃんだったので知らないことばかり。

退院までの間に、看護師さんが授乳のことやお風呂への入れ方のことまで、赤ちゃんのいろんなケア方法のことを教えてくれました。

日本では看護師さんからひととおりの基礎を教わることができるので、すごく助かるし良いと思います!

アメリカなら赤ちゃんが生まれてから、大体2日で退院です。アメリカらしいですね。
一般的に病院で赤ちゃんのケア方法をここまで丁寧に教えてもらえないと思うので、アメリカの新米ママは慣れるまでは大変だと思います。

 

6.母乳赤ちゃんに粉ミルクは普通じゃない?

私の母は粉ミルクを使っていたので、粉ミルクと母乳を一緒に使おうとしたら、周りの人たちから母乳で育てよう、と薦められました。

最近ではアメリカでも母乳を薦める傾向もあるようですが、日本に比べて粉ミルクの種類は断然豊富で、一般的に使われています。
日本ほど、粉ミルクは最終手段、というイメージはなかったため、私にとってこのことが悩ましくストレスになりました。

結局、プレッシャーなくちゃんと育児ができることが一番重要だと思い、私は両方で育てることに決めました。
私の体調と育児への気持ちが、以前よりもっと前向きになって楽になりました。

 

 

ライタープロフィール●Courtney(コートニー)

アメリカ・メリーランド州の出身。アメリカで大学を卒業後、憧れの日本に住みたい、と英語講師の仕事を見つけて来日。日本人の男性と結婚して日本で出産。異国の文化の中、日々子育てに奮闘中。

 


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