『ごちそうさんっていわしたい!』記念
キャラクターたちの英語で名セリフ13

あのドラマの名セリフを英訳!!

 

◎その他編

 

泉源太

「 お前がどうでも、わしには関係ないんじゃ。あいつは、表向きはお前の嫁はんやけど、わしにとっては……たった一人の人生の相方なんや」

 

“I don’t care what you think, she is ostensibly your wife, but at the same time she is my partner, I only got her for my life.”

→源太が、満州に行かざるおえなくなった悠太郎からめ以子のことを頼まれた時の返事です。これまで「め以子には興味ないんや」風な建前でしたが、ついに源太の本音が表面化したセリフでした。

 

室井桜子

「何か……悔しい。寒さに凍えて、食べる物も我慢して、命まで差し出すこと求められて、言いたい事一つ言えないなんて……」

 

“How frustrating… freezing to death, have nothing to eat, force giving my life away, and moreover, I have to bite my tongue.”

→特高に赤と判断されて連れ去れたお客を見てつぶやいた桜子のセリフ。周囲が食べたいものを食べて、この時代にしては比較的いい生活しているのでイマイチ実感がともなわないのが残念でしたが、言っていることはよかったと思います。

 

室井幸斎

「焼け跡で……焼け跡でご飯、くれる人なんて、誰もいなくてね。やっと……僕に、ご飯くれる人が……。ごちそうさまでした」

 

“In the debris, there’s no one who gave me foods. Finally, finally I found you who feed me. Thank you for the food.”

→戦争が終わり、大阪の街で食うや食わずの生活をしていた室井さんが、め以子から食べ物を分けてもらった時のセリフです。“Burnt remains”で「焼け跡」ですが、ここでは何もなくなった状態を表す“debris”「残骸」を選んでみました。

 

川久保啓司

「殴られるとな、ごっつ痛いねん。あれはあかん。余計な恨みを生む。逃げ回って、もうええわってなってくれたら、それはそれでええ話やろ? ……あかん?」

 

“Being beaten, it so hurts. I hate it. It just creates resentment. So I think it’s better to squirm my way out of him, until he gives up. Don’t you think? ”

→怪しい人物から守るはずの川久保さんが、希子と一緒に逃げたことに対するセリフ。女の子によっては一発でフラれそうな言動ですが、希子は気にいったようです。温和な人柄を表すセリフで、気づけば彼はそのまま西門家のマスオさん化するわけです。

 

高木馬介

「みんなで一所懸命作ったんです。僕は、この人が、食べてるとこ見たいんです。器が空になったとこ見たいんです。この人のためやのうて、僕のため、僕らのため、この人に、焼氷、食べさせたってください」

 

“We made it all together. I want to see this guy eating. I want to see the empty plate. And that’s not for him but for me, for us. Can you please cook Yakigouri for him?”

→焼氷を食べにきたお客が、特高に連れらされそうになったときに、逮捕も恐れず土下座して許しを乞うた馬介の名セリフ。馬介こそが真の「ごちそうさん」なのではないかと思わせるインパクトがありました。

 

竹元勇三

「いつまでたっても馴染みません。私の美を理解しようという発想は皆無。どこまでいっても、安全、安全の一点張りです。ありがたい話です」

 

“I never fit in there. No one try to understand my virtue. All they concern about is the safety. I greatly appreciate your kindness. ”

→西門家のカレーをごちそうになり、帰りがけに息子の不備を詫びる正蔵に対して言った竹元のセリフ。いつものように唯我独尊なことを言いつつも、悠太郎を認める発言にグッときますね。 「ありがたい話」を直訳しても、仕方ないので、ここでは真意である「感謝」をベースに“I greatly appreciate your kindness.”にしました。

 

いかがでしたか? 個人的には竹元さんが大好きで、「『言い訳』と書いて、『クソ』と読むんだ」とか「私はデパートの大食堂並みの男だぞ! 蕎麦の付け合わせに、ハンバーグステーキを食せる男だぞ!」とか「お前はホントに、ゲスだな」とか、いっぱい入れたいセリフがあったのですが、完全に竹元特集になりそうなので、あきらめました。
また、抜けているキャラクターとしては役所の先輩たちがおりますが、これというセリフが思い出せず、頭に浮かんだのは藤井さんの「べにこ~」だけでした。でも、これは英訳の意味がないので止めておきました(笑)

 

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翻訳/金明香 構成・文/さいとうよしかず(編集部)


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