外国語学習と外国暮らしが教えてくれるもの【11】

犬語を学んで気づいたこと

この英語表現はこういう意味、と覚えても、状況やイントネーションによっては全く違った意味になってしまうこともあります。外国語で相手に誤解されて困った経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。犬と飼い主のコミュニケーションにも似たところがあります。

犬はどのようにコマンドを認識するか

犬を飼い始めて1年近く経ちました。生後4ヵ月で迎えた時と比べると、だいぶ意志の疎通が取れるようになってきました。名前はハルとしておきますね。

ハルは家に来てすぐにお座りができるようになったのですが、最初のうちは、家の外では合図をしてもお座りをしませんでした。興奮しすぎて何も耳に入らないのだろうと私は思っていました。それもあったことでしょう。 

 

ただ、犬についていろいろと読み漁っていると、犬は言葉の音だけではなく、口調や周囲の状況も含めて意味を認識するという説明に行き当たりました。つまり、ハルは座れと言われて座るという行為を、家の中でやることだと思っていた可能性もあります。

伏せを最初に教えたのは息子でした。最初のうちは、息子が言った時しか伏せをしませんでした。息子の言うことの方がよく聞くのかな?とも思いましたが、他のことではそうとも限りません。

息子は声変わりをしてかなり声が低くなっています。ある日、私は思い切り低い声で、息子の口調を真似て「伏せ」と言ってみました。すると、ちゃんと伏せをしてくれるではありませんか。

ハルは「伏せ」という時の声の高さや言い方を含めてこの言葉を理解していたのでしょう。

お手は私と一緒に覚えました。最初はやはり私にしか手を差し出しませんでした。息子は「お母さんにしかしないね!」と不満そうでしたが、私は「お手」という時、ちょっとメロディをつけて言っていたのです。同じメロディで言ってみるよう息子に勧めると、ハルはすぐに息子にお手をしました。

 

正しい英語を使っても誤解されることがある

日本語は敬語があって難しい、とよく言われます。その通りでしょう。しかし、英語もやはり、相手との関係や状況、イントネーションによって、意味合いが変わることがあります。

良い例がExcuse me?というシンプルなフレーズ。
謝る時だけではなく、相手が言ったことが聞き取れなくて聞き返す時も使える、ハズです。実際にネイティブがこう言っているのを聞いた人もいるでしょう。しかしこの表現、ちょっと言い方を間違えるととんでもないことに。
今の日本語でよく言う「はあ?!!!」というニュアンスになってしまうのです。非ネイティブは使わない方がいいでしょう。安全に使えるのはSorry?です。

 

ジョークを言う時も注意が必要です。ジョークは良い関係を作るのに役立ちますが、場合によっては伝わらないことも。相手の反応が今ひとつの時は、I’m just jokingと付け加えておいた方が無難ですね。まぁ、単につまらないジョークだから笑ってくれなかっただけかもしれませんが。

こちらの本には、非ネイティブが仕事の場で誤解なく英語を使うための具体的なヒントが詰まっています。

ビジネス現場で即効で使える
非ネイティブエリート最強英語フレーズ550
著者: 岡田兵吾
出版社:ダイヤモンド社

 

ライタープロフィール●外国語人
外国語としての英語、フランス語、日本語を学生や社会人に教えつつ、通訳・翻訳の経験を積む。新TOEICのスコアは985点。この世界の様々な地域で日常の中に潜む大小の文化の違いが面白くて仕方がない。子育て中。

 

 

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