TOEIC®学習法の勘違い『英語の長文読解力をつけるには3

TOEIC®のスコアアップを目指すなら英語力を上げる、これ当たり前

単語は覚えた、文法もやった、でもなぜか長文になると正答できない…。そんな時はどうしたらいいのでしょうか。英文の意味を理解するには、英文の骨組みを捉えることが不可欠です。前回はS+Vを意識する重要性について書きました。今回は動詞がbe動詞の場合について見てみましょう。

be動詞とは

ある社会人の学習者が英語講師に次のような質問をしたそうです。

「先生、be動詞って何ですか。」

もっと複雑な質問はスラスラと答えていた講師は思わず絶句してしまったとか。

be動詞とは何か。言語学者なら、一生のテーマとして研究するかもしれません。とはいえ、学習者としては、中学、高校、大学と英語の授業を受けながらずっとbe動詞にモヤモヤし続けてきたとしたら、英語人生不運だったかもしれません。

be動詞とは何か」という深遠な問いに答えるのは難しいですが、be動詞が文の中でどのように使われるのか、観察してみましょう。

 

動詞がbe動詞の時

1 主語の性質、状態、属性を表す時

前の記事で「その猫はかわいい」と言う時にbe動詞が出てきました。

The cat is cute.

このように、be動詞の後には形容詞が来ることが多いですね。
名詞が来ることも多いです。

The cat is a pet of the artist.
(その猫はそのアーティストのペットだ。)

このように主語の属性や性質、状態などを表す名詞や形容詞を従えるのがbe動詞の大切な役割のひとつです。つまり、「動詞」と言っても行為や動作を表すわけではありません。この時、名詞や形容詞は主語の補語であると言います。

 

2 動詞の現在分詞を従えて進行形を作る

The smallest cat in my house was sneezing all day.
(私の家で一番小さな猫は一日中クシャミをしていた。)

be動詞の後にまた動詞。このような場合、be動詞は助動詞、後の動詞が本動詞と考えます。

 

3 過去分詞を従えて受動態を作る

次のような場合もやはり、be動詞は助動詞、後の過去分詞が本動詞です。

The cat is carried in a bag.
(猫がバッグで運ばれている)

The abandoned cat was adopted by a young girl.
(その捨て猫は若い女の子に引き取られた。)

どれも中学校で習ったことです。

 

長い文でも骨組みは単純なことも

be動詞のある長い文をいくつか見てみましょう。

1

The guest commentator of our annual event is Helen Brown, the well-known author of the bestselling cookbook “Eggs and Potatoes”.

is の前までが主語、isの後は主語の補語となっています。
この文の骨組みはThe commentator is Helen Brown で、 他の単語はすべて骨組みを修飾しています。訳すと

「私たちの例年のイベントのゲストコメンテーターはヘレン・ブラウン、ベストセラー料理本『卵とジャガイモ』の有名な著者です。」

 

次の例文。

2

The research center of Forest Tomorrow is offering a free consultation seminar next week for local businesses about how to reduce the environmental impact of economic activities.

主語はthe research center of Forest Tomorrow、名詞a free consultation seminarは動詞offeringの目的語です。この文の骨組みは

The center is offering a seminar.

next weekがあるので、この現在進行形は近い未来を表しています。

Forest Tomorrowの研究センターは、経済活動の環境への影響をいかに減らすかについて、来週地元企業を対象に無料の相談セミナーを開きます。」

 

3

What measures must be taken to protect electronic information?

What measuresが主語。be動詞+動詞の過去分詞という構造なので、受け身「取られる」。mustがあるので「取られなければならない」。「助動詞+助動詞+動詞」になっていますね。

「電子情報を保護するためにどんな方策が取られるべきでしょうか。」

 

be動詞を使った熟語のような表現

be able to (〜できる)be proud of (〜が誇りだ)
ableもproudも形容詞なので、be動詞+形容詞という構造になっていますね。

be pleased to(喜んで〜する)やbe supposed to(~することになっている)
それぞれ動詞please(喜ばせる)、suppose(想定する)の受け身から来ています。

 

be動詞のもともとの意味

本動詞としてのbe動詞のもともとの意味は「存在する、ある、いる」です。

Where are you now?
(今どこにいますか?)

I am near the station.
(駅の近くにいます。)

I am from Tokyo.
(私は存在する 東京から→私は東京出身です。)

I am about to go out.
(私はほぼ出かけるという辺りにいる→私は出かけるところだ。)

 

be動詞まとめ

be動詞には、助動詞として他の動詞と一緒に使われる場合と本動詞として使われる場合があります。それぞれの場合でさまざまな用法があるわけですが、be動詞の前後に何があるかという構造を見ることで、正確に意味をとらえることができます。

 

 

ライタープロフィール●外国語人
外国語としての英語、フランス語、日本語を学生や社会人に教えつつ、通訳・翻訳の経験を積む。新TOEICのスコアは985点。この世界の様々な地域で日常の中に潜む大小の文化の違いが面白くて仕方がない。子育て中。

 

 

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