TOEIC®学習法の勘違い『英語の長文読解力をつけるには4』

TOEIC®のスコアアップを目指すなら英語力を上げる、これ当たり前

長文の意味をとらえるためには構文を見ることが不可欠です。ただし長文を読みながら、いちいち5文型や7文型に分類する必要はありません。「S+V+その他の部分」とざっくり分けて考えましょう。前々回と前回で、一般動詞とbe動詞のシンプルな構文を見てきました。今回は、もう少し複雑な文を観察してみましょう。

動詞の後に二つ名詞がある構文

I gave my son a dog.

aveという動詞の後に(my) son, (a) dogと二つの名詞が並んでいます。動詞の後に前置詞を介さないで名詞が来たら、それは動詞の目的語だと前に書きました。この文では目的語が二つあることになりますね。上の例文の場合は、単語の意味からも「私は息子に犬をあげた」となることが容易にわかるでしょう。

目的語は、日本語に訳したとき「~を」という意味になることが多いですが、必ずしもそうではないことに注意しましょう。ここでは、「息子に」も「犬を」も目的語です。そして、このような語順で並んでいるから意味がこうなっています。語順を変えるとどうでしょう。

I gave a dog my son.

これを訳すと、「私は犬に私の息子を与えた。」という意味になってしまいます。英語では語順は命だと前にも書きましたね。

ちなみに、最初の例文と同じ意味で語順を変えたければ、前置詞を使う必要があります。

I gave a dog to my son.

これでも「私は息子に犬をあげた」という意味になります。

もう少し複雑な文になっても、語順の持つ意味は同じです。

We have to send the sales manager a competent Japanese translator as soon as possible.
(私たちはできるだけ早く営業部長に有能な日本人通訳を送らなければならない)

 この文を骨組みだけにすると、次の通りです。

We have to send the manager a translator.

 

動詞の後に名詞二つ、または名詞と形容詞がある構文

We made him a director.

make+人」で「人を~にする」ですから、上の例文を訳せば「私たちは彼を部長にした。」

この場合は二つ目の名詞a directorは一つ目の名詞himの属性を表すことになります。最初の名詞が動詞の目的語、二つ目の名詞はこの目的語の補語にあたります。前回の記事で見た主語の補語の場合もそうでしたが、補語には名詞のほか、形容詞を使うこともできます。

We made our director happy.
(私たちは部長を幸せにした=満足させた)

もう少し複雑な文を見てみましょう。

The newly assigned manager wants to keep the hotel always perfectly clean and bright.
(新任のマネージャーは、ホテルを常に完璧に清潔で明るく保ちたいと思っている。)

この文の骨組みは次の通りです。

The manager wants to keep the hotel clean and bright.

目的語hotelに二つの補語、cleanbrightがあります。

 

次回は、一つの文の中に「主語+動詞」のセットが二つ以上入っている構文の読み方を見ていきましょう。複雑な文になってくると、関係代名詞節がどの単語にどうかかっているかなど、わかりにくいという方が多いようです。それがクリアになると、文意もおのずと見えてきます。

 

ライタープロフィール●外国語人
外国語としての英語、フランス語、日本語を学生や社会人に教えつつ、通訳・翻訳の経験を積む。新TOEICのスコアは985点。この世界の様々な地域で日常の中に潜む大小の文化の違いが面白くて仕方がない。子育て中。

 

 

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