独自の世界観が人気の「グリモワール」
創業者・十倍直昭さん&野村仁美さん

“経験ゼロ、英語力ナシ!”でも、海外に飛び出して大成功!

ファンタジックな世界観が人気を呼び、国内外に多くのファンをもつ、渋谷のアンティークショップ「Grimoire(グリモワール)」。オーナーや店長らが、世界各国で買い付けた商品が並ぶ店内は、おしゃれが大好きな女性たちで毎日賑わっています。今回は、そんなショップの創業者で、日本と海外を行き来しながら働く、十倍直昭さんと野村仁美さんを直撃! 若くして起業したお二人に、たっぷりお話を伺いました。

 

――20代で起業されたお二人ですが、自分のお店をもちたいという気持ちが強かったのですか?

野村さん:大好きなファッションに関わる仕事に就きたいとは思っていましたが、「お店を経営してビジネスするぞ!」という気持ちがあったわけではありません。20歳の時に旅行好きの十倍と出会って、二人でヨーロッパの蚤の市を見て回るうちに「お店やりたいよね!」と意気投合したことがきっかけですね。そうは言っても、海外のアンティーク雑貨が日本で売れるだろうという自信があったわけではなく、とにかく好きな物に囲まれて働きたかったんです。

十倍さん:未経験で資金もなく、最初は本当に手探りでした。古着屋を経営している人の多くは、もともとその業界で働いていた人がほとんどなので、馴染みの買い付けルートがあるものなんです。でも僕たちにはツテがなくて、ルートどころか、どこに行けば良いかすらわかりませんでした。すべて自分たちで開拓するというのは、とても大変でしたね。でも、「これができないから起業はできない」「あれができないから店は出せない」って、そんなことを考えていたらいつまでたっても何も形になりません。やり始めてしまえば、何をするべきかが明確になります。ビジネスでは完璧に準備をするよりも、周りより速いスピードで行動に移すことが大切だと思っています。

 

――すごくパワフルですね! 買い付けで海外を訪れることも多いそうですが、言葉の面での苦労はありましたか?

野村さん:いざ買い付けに行っても、最初はまったく英語が話せず、 ”Hello” と ”Yes”・”No” しか言えませんでした(笑)。学生時代、真面目に勉強していたつもりだったのに、アメリカで一言も出てこなかった時はショックでしたよ。リスニング力の高い十倍と違い、聞き取りも苦手だったので、すごく悩みましたね。

十倍さん:僕は英語がまったく話せなかった23歳の時に、バックパッカーで2か月海外に行っていたんです。最初の2週間くらいは、周りの人が何を話しているのかわからず、本当に怖かったですね。とは言え、どうにもならない状況に陥ると英語を使わざるを得ないので、必死で覚えました。滞在が1か月を過ぎたころに、突然英語がスッと聞き取れるようになったんです。

野村さん:私は、買い付け先に友達ができてから英語力が上がりました。気持ちを伝えたいのに、英語が話せないから伝えられない、というもどかしさが原動力になったんです。まずは、友達の口癖や振る舞いを真似るところから始めました。勉強しておけば実践で役立つなと感じるのは、英語の熟語ですね。 ”make sure” (確認してね)なんて会話で頻出する表現も、こればかりは覚えておかないとわかりません。参考書を使って学習もしていますが、英語って国や地域による表現の違いも多いので、まだまだ勉強し続ける必要があると感じています。

 

――同じ英語でも、そんなに表現が違うものなんですか?

十倍さん:日本でも、東北弁と関西弁はかなり違うと思うんですけど、アメリカ英語って結構クセがあるんですよ。 ”twenty” って、学校では「トゥエンティー」って習いませんでしたか?でも、アメリカでは「トゥエニィ」って発音しないと通じません。あと、 ”water” も「ワラ」ですね。

野村さん:一方イギリスでは「トゥエンティー」、「ウォーター」って発音するので、日本人がもつ発音のイメージと近いです。それから、トイレの表現の仕方も ”washroom” に ”toilet” や ”restroom” など、国や地域によって違います。どれでも通じるなら問題ありませんが、首を傾げられてしまうことも多いので、使い分けが必要なんです。


おすすめ記事