TOEIC®学習法の勘違い『英語の長文読解力をつけるには7』

TOEIC®のスコアアップを目指すなら英語力を上げる、これ当たり前

英文の意味を正確に理解するには、文の構造を見ることが不可欠です。長文の内容を把握するには、文と文の関係や段落と段落の関係を掴むことが必要です。そうすることによって、書いた人の意図や目的を知ることができます。

書いてあることは全部著者の言いたいこと?

書いてあることがすべて著者の言いたいことだとは限りません。むしろ、一番言いたいことが直接書いてある部分は少ないのが普通です。文学的な表現だけではなく、ビジネスレターなどでもそれは同じです。

英語では単刀直入に本題に入ると言われていますが、最初から最後まで本題だけというわけでもありません。仕事で相手を説得しようと思えば、何をどんな順序で言うべきか工夫するのは当たり前のことでしょう。

 

それぞれの段落の役割を見抜く

考えて書かれた文章には構成があります。構成を捉えることが、長文読解の成否を分けることになります。文章の構成を捉えるとは、それぞれのパーツがどんな役割をしているかを見るということです。

最初に一番重要な要件が書いてあることもあります。逆に、まずは自分が言いたいことの背景や理由から述べ、本当の要件は後にとっておくこともあります。また、まず一般的に言われていることを書き、次にそのどこが間違っているのかを解き明かし、最後に自分の意見を書くということもあります。先に例を並べることもあれば、後から例を出すこともあります。

重要なのは、今読んでいる部分は何のために書かれたのか意識しながら読み進めるということです。この段落は、後で述べることの背景を説明している部分なのでしょうか。それとも、例を挙げているにすぎず、後でまとめが来るのでしょうか。あるいは、それこそが最も言いたいことなのでしょうか。

それを知るには、話の流れ、つまり文脈を掴む必要があります。

 

読解力をつけるには、文章全体を読むこと

TOEICは問題量が多いから、全文読まずに飛ばし読みをした方がいい」とアドバイスする人もいるようです。確かに設問のタイプによっては、キーワード周辺だけチェックすれば解ける問題もあります。

しかし、その文章が書かれた目的を知るには、全体に目を通すことが大切です。ひとつの段落だけ読んで答えるとか飛ばし読みするのでは、間違える可能性が高くなります。

それは、書かれた目的を答えるときだけではありません。「本文と合わないものを選びなさい」という問題の場合もやはり、くまなくチェックする必要があります。

全体に目を通すことによって、よくわからなかった細かい部分も察しがつくことが少なくありません。この話の流れなら次はこんな内容が来るはずだとか、こうした例から導きだされるのはこんな結論のはずだと推測することができるからです。

長文を読むときには、今読んでいるところが何のために書かれたのか意識して読み進めましょう。

 

 

ライタープロフィール●外国語人
外国語としての英語、フランス語、日本語を学生や社会人に教えつつ、通訳・翻訳の経験を積む。新TOEICのスコアは985点。この世界の様々な地域で日常の中に潜む大小の文化の違いが面白くて仕方がない。子育て中。

 

 

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