TOEIC®の勉強を効率よく進めよう・パート7の注意点7

TOEIC®のスコアアップを目指すなら英語力を上げる、これ当たり前

TOEIC®も英語のテストのひとつ。英語の基礎を固めることが何よりも大切です。その上で、TOEIC®特有の傾向を知れば効率的に対策をとることがでるでしょう。パート7には、明示してある情報を問う問題のほか、前回解説した文脈問題もあり、また、本文の内容から推測して答える問題などがあります。今回は、推測問題に焦点を当てましょう。

推測問題はキーワードの周辺だけ読んでもわからない

推測問題とは、次のようなものです。

What is suggested about X?
(Xについて何がわかりますか)

What does Mr. Y suggest about X?
(YさんはXについて何を暗示していますか)

suggestは「提案する」の他に、「意味する、示唆する、暗示する」などを表します。suggestの代わりにindicateという動詞が使われることもありますが、ほぼ同じ意味です。

どちらも、Xについて本文に書かれていることから当然こうであるはず、とわかる事実を答えます。

パート7の注意点4で書いた通り、この種の問題はどこにヒントがあるのかわかりにくいので、比較的時間がかかります。

 

TOEIC®の推測問題は深堀り問題ではない

推測問題というと語弊がありそうですね。TOEICの長文は、国語の現代文とは違います。文学や哲学ではないので、深く掘り下げる必要はありません。日常生活や仕事の場で使われる実践的な英文を、早とちりしないできちんと読めればいいわけです。

TOEIC®では基本的に、人による解釈の違いなどは入る余地のない出題がされます。模試をしていて、なぜこの答えになるかわからないという場合は、解答の根拠が見えていないことがほとんどです。

 

本文から明らかに導ける答えを選ぶ

なんとなく雰囲気で選ぶのは厳禁です。本文に「証拠」がない事実を選んではいけません。迷ったときにはまず消去法で、本文と違うという根拠がある選択肢を排除することから始めるといいでしょう。

 

TOEIC®推測問題にはどんなものがあるか

What does Ms. Li suggest about the restaurant?
(Liさんはそのレストランについて何を暗示していますか)

Ms. Liが書いているチャットやメールの中に答えがあるはずです。例えば、「あのレストランに行って待たずに座れたのは初めてだ」と書いていれば、そのレストランは人気があるということがわかります。「新しいシェフが独創的なメニューを出している」とあれば、そのレストランは最近新たにシェフを雇ったということがわかります。

本文が二つ以上ある問題の場合、二つの本文を合わせ見ることで一つの事実が浮かび上がることもあります。例えば、

What is indicated about Smiling Cat?
(Smiling Catについて何がわかりますか?)

という設問があるとします。本文にはメールと表があり、メールはあるイベントの主催者がSmiling Catの重役に書いたもの。何月のイベントのスポンサーになってほしい、いくら出してほしいと頼んでいます。表はイベントと同時期のSmiling Catのマーケティング予算。Events and Sponsorshipの予算欄にまったく同じ金額が入っているとします。おそらくSmiling Catはこのイベントのスポンサーになったのだろうと推測できますね。他の選択肢に本文と反する記述があればなおさらのことです。

 

急ぎながらも落ち着いて読んで正確に答える

最初に書いたように、TOEIC®の問題は専門知識や深い解釈を必要とするものではありません。大量の英文を、短い時間で正確に処理し、本文に明示してある根拠をもとに解答するという点では、「推測問題」も他の問題と同じです。

 

ライタープロフィール●外国語人
外国語としての英語、フランス語、日本語を学生や社会人に教えつつ、通訳・翻訳の経験を積む。新TOEICのスコアは985点。この世界の様々な地域で日常の中に潜む大小の文化の違いが面白くて仕方がない。子育て中。

 

 

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