ハリウッドで活躍する日本人女優 

MAY MIYATAさんインタビュー

キーファー・サザーランド主演TOUCHや

世界中を沸かせた学園ドラマgleeにも出演

キーファー・サザーランド主演のTOUCH(タッチ)や学園ドラマのglee(グリー)など、人気海外ドラマに出演し、注目を浴びている日本人女優がいます。彼女の名はMAY MIYATA(メイ・ミヤタ)さん。生粋の日本人でありながら、今ではハリウッドで活躍の場を得たMAYさんですが、6年前までは多くの留学生たちと同じく、英語の習得を目的に海を渡った1人でした。今回はそんなMAYさんにどんな経緯で海外ドラマに出演できたのかなど、たっぷりお話を伺いました。

 

ー―アメリカに渡ったきっかけを教えてください

大学を22歳で卒業した後、留学資金の100万円を貯めてロサンゼルスに語学留学をしました。ロンドン、オーストラリア、アメリカではニューヨーク、ロサンゼルスで語学学校の授業料、宿泊(ドミトリー)などの滞在費を調べたところ、ロサンゼルスのコリアンタウンの語学学校が一番安かったのでロサンゼルスを選びました。

 

――渡米前後の英語力はいかがでしたか。また、英語学習はどのようにされましたか?

大学受験時にターゲットなどの英単語帳を使って英語を覚えていたので、知っている英単語は結構ありましたが渡米前の英会話力はYes・ Noレベルで、最初に語学学校で行われたクラス分けテストでは下から2、3番目のクラスに配置されました。日本でしていた学習方法は会話のシチュエーションを想像して、日本語で外国人に聞きたいことや話したいこと、例えば「年はいくつ?」とか「仕事はなに?」などを書き出し、英語に訳して丸覚えしていきました。その他に、OCやプリズンブレイク、24などの海外ドラマからも英会話を学習しました。この学習方法は、音声を日本語、字幕を英語に設定して知らないフレーズや使えそうなフレーズをピックアップします。たとえば、“I was supposed to see mom today” (わたしは今日お母さんに会うはずだった)という表現があって、音声の日本語を聞いて理解した後に、その表現を使った例文をノートに書き出しそのまま暗記しました。渡米してからも会話中に登場する単語や文法をメモして語学学校の先生やクラスメイト、現地で友達になったネイティブの友達に使い方を聞き、理解したらすべて使ってみることで日常会話で必要なフレーズを覚えていきました。渡米から6年経った現在は、普通に生活をしていて困らないくらいの英語力はありますが、医学や化学など普段自分の生活で関わりのないジャンルの単語が理解できたり、難しい小説が簡単に読めるかといったら少し違います。当たり前のことを言うようですが、毎日の生活の中で使う会話などは伸びるのですが、使わないところは伸びません。

 

――なるほど。英語の発音について努力されたことなどはありますか?

わたしは歌をやっていたので比較的耳がよく、音をコピーするのが得意なので発音はいい方だと思います。でも、今まで日本語しか話してこなかったので日本語に必要な筋肉や舌の使い方しか知らず、英語に必要なあごや頬の筋肉、舌の使い方を習得するのは大変でした。最初に語学学校に入った時は“R”がどうしても発音できなくて、毎日学校の先生に“R”を発音する時の舌の動きを見せてもらって、その動きを真似して何度も”really?” を聞いてもらいました。1ヶ月くらい”really?”の発音練習を繰り返してようやく正しい発音を習得しました。私のような日本で育った日本人がネイティブになれることはないけど、発音を矯正してネイティブに近づくことはできると思います。

 

――MAYさんのようにロサンゼルスへ留学するとしたら生活費はどのくらいかかりますか?

授業料は安くても月4万〜5万円、ルームシェアの人数やエリアにもよりますが家賃は7万~10万円くらい、車の保険で1万円、車のガス代で5000円前後、さらに食費をプラスした費用がベーシックな生活費ですね。あとは車のローンとか。食費は家でつくることが多いのでそんなにはかかりません。最初の2〜3年は電車やバスを使っていましたが、日本と違って夜中1人で歩くのはとても危険なので、リスク回避のために、アメリカで免許をとりました。アメリカには教習所と呼ばれるものはないので、友達やプライベートスクールに頼むなど、自主的に勉強や実技の練習をするのが主流です。免許取得代は40$~50$で日本に比べるとかなり安いです。ちなみにわたしは実技試験に3回落ちました(笑)。

 

――免許取得はなかなか難関そうですね。アメリカで生活されて変化や成長を感じたことはありますか?

アメリカに来て精神的に強くなりましたね。渡米前は「アメリカに行ってどうするのかな」という漠然とした不安だらけだったのですが、本留学の前に1ヶ月ロサンゼルスに滞在し、その期間に安い語学学校を見つけたり、ルームシェアをする場所を決めていたので、そこで「大丈夫だ」という確信を持つことができました。その後も、車の免許をとらなきゃとか、ガス会社やインターネットの契約を電話越しにしたり、生活しているといろいろトラブルがあるので電話でカスタマーサービスと連絡を取り、小さなことから対処したりと乗り越えなくてはいけないことが次から次へとやってきて。今はオーディションをして奨学金をもらって学校に通っているんですが、日本だったら簡単にすむところが、アメリカでは自分で行動を起こさなければ誰も助けてくれないということが自分を強くしてくれました。


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