外国語学習と外国暮らしが教えてくれるもの【35】

外国語学習の副産物とは

外国語を学習すると、いいことは山ほどあります。新しい言葉をひとつマスターすれば、新しい世界がひとつ開けます。手に入る情報の量も飛躍的に増加します。そうしたことはこれまでも書いてきましたが、意外な副産物は他にもあります。

外国語の学習は「適度な運動」

外国語ができること―それは別に高尚なことではありません。幼い子どもにもできることです。もちろん、ジェームズ・ジョイスを英語で読んで解釈するとか、原語のニュアンスを生かしながら歌の歌詞を翻訳するとなったら話は別です。外国語で相手を説得するのも、正確に通訳するのも難しい仕事です。

しかし、外国語が話せるようになる、読めるようになるというのは、基本的には練習次第で誰にでもできることです。だからといって、全く頭を使わないわけでもありません。スポーツに例えれば、アクロバットではなく適度な運動です。

けがの心配もほとんどなく、精神的な健康に利すること間違いなしです。

 

声を出すと集中できて気分がよくなる

なかなか集中できないという人は、外国語の文章を音読してみましょう。音読しながらほかのことを考えるというのはなかなか難しいということがわかるでしょう。

好きな洋楽の歌詞を覚えて、歌ってみましょう。歌が下手でも気にすることはありません。ほかの人の迷惑にならなければいいのです。声を出すと気が晴れるものです。

腹式呼吸で声を出せば、体の健康にもいいですし、情緒的にも安定するようです。

 

毎日勉強することで生活にリズムが生まれる

語学は少しずつでも毎日勉強するのが一番だとよく言われます。忙しい人には面倒に感じられるかもしれませんが、隙間時間を上手に利用している人は多いです。

また、逆に考えると、生活にリズム感が生まれるということにもなります。例えば、外に出かけられない自粛生活。毎日これだけはするという学習の日課を決め、実行していれば、コロナが終息する頃には外国語をひとつマスターしているでしょう。

語学は適度な運動です。病気療養を余儀なくされているときにも、無理さえしなければ気が紛れて良いのではないでしょうか。もちろん、医師と相談の上で決めなければいけませんね。

退職していきなり時間がたっぷりできたという方も、楽しみながら勉強してみてはいかがでしょうか。若い時と比べて記憶力が落ちているからといって、気にすることはありません。忘れたらまた、覚え直せばいいのです。忘れては覚え直す、また忘れては覚え直すを繰り返しているうちに、本当に身に付いていくものです。

 

ライタープロフィール●外国語人

英語、フランス語、外国語としての日本語を教えつつ、語学力に留まらない読む力、書く力を養成することが必要であると痛感。ヨーロッパで15年以上暮らし、とりあえず帰国。この世界の様々な地域で日常の中に潜む文化の違いが面白くて仕方がない。子育て、犬育て中。TOEIC®985点
https://www.znd-language.com

 

 

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