外国語学習と外国暮らしが教えてくれるもの【40】

語学学習の壁にぶつかったら2

壁にぶつかるのは、今まで進歩してきた証拠です。次のレベルに上がる前の足踏み状態だといえるでしょう。自分の勉強の仕方を振り返るいいチャンスでもあります。「学習の壁」2回目の今日は、タイプ別に対処法を探ってみます。壁にもいろいろなタイプがあります。

単語や文法はきちんとできるが、話の流れが捉えられない壁

英文法や単語を良い方法で規則的に勉強したら、最初のうちはドンドン伸びていきます。特に、それまであまり勉強したことがなかった人は進歩が著しいものです。テストで言うと、短文の穴埋めや間違い探しは完璧に近いところまで行けるはずです。

ところが、長文のリスニングやリーディング、ライティングができないとしたら、総合的な進歩はいつか止まってしまいます。語彙や文法の勉強だけで、話の流れを追えるようにはならないからです。

このタイプの壁は、実際に長文を読んだり聞いたりすることでしか超えられないでしょう。その時、知らない単語や分からない部分があっても止まらずに、最後まで聞く、読むという練習が不可欠です。全体的な意味や要旨を把握した後で、分からない文法や単語は調べるようにしてください。

ライティングにしても同じことで、構成を意識しながら長文を読めば、自分が書く上でもヒントになります。

 

英語のおしゃべりは何となくできてしまうが、正確に話したり書いたりできない壁

オンライン英会話の隆盛で、外国人と英語で臆せずに話せる人が増えました。それ自体は素晴らしいことですね。

気をつけなければならないのは、何となく話してそれで終わりになってしまうことです。話が盛り上がっている時に細かいところを直すのは、講師にとってもやりづらいことです。ひと段落したところで、それまでの重要な間違いをまとめて注意してくれる講師もいますが、話が通じれば良いということになってしまう場合もあります。自分の希望をあらかじめ伝えておくと、オンライン英会話を上手に利用することができます。

例えば、話の途中でもきちんと直して欲しい人は、レッスンの初めにお願いしておくといいでしょう。

また、文法の学習を避けていたら、進歩はいつか頭打ちになるということも覚えておきましょう。オンライン英会話でも、カリキュラムによっては文法的要素が取り込まれています。そうではない場合、必ずどこかで一通り文法の学習をしましょう。オンライン英会話の復習として、自分で辞書や文法書を使って調べるのもいいと思います。

 

英語を読んだり聞いたりしているが、曖昧な理解に留まっている壁

仕事や趣味で普段から英文を読みなれている人もいることでしょう。また、海外ドラマが気軽に見られるようになり、英語を聞きなれている人も多いと思います。

普段からまとまった量の英語を読んだり聞いたりしている人は、全体的な話の流れを掴むのは得意だと思います。しかし、知っている単語は多いがどれも曖昧だとか、正確に使えないという人もいるかもしれません。そのような自覚があれば、やはりきちんと「勉強」することも必要でしょう。曖昧な知識が確かなものになっていくと、ぐんとレベルアップしますよ。

聞くだけではなくシャドーイングやディクテーションをしたり、文法や語彙の勉強をするのがおすすめです。

語学の学習に終わりはありません。自分が「ここまで」と思ったらそこが終わりですね。その壁はもしかすると、レベルアップするためのチャンスかもしれません。

 

ライタープロフィール●外国語人

英語、フランス語、外国語としての日本語を教えつつ、語学力に留まらない読む力、書く力を養成することが必要であると痛感。ヨーロッパで15年以上暮らし、とりあえず帰国。この世界の様々な地域で日常の中に潜む文化の違いが面白くて仕方がない。子育て、犬育て中。TOEIC®985点
https://www.znd-language.com

 

 

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