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大人の学び直し英語【4】

文構造 「主語+動詞」の見つけ方

前回で「主語+動詞」になっていない文について解説したので、今回は心置きなく「主語+動詞」について書きます。どんなに複雑な文にも骨組みと飾りの部分があり、まず骨組みを見つけることが重要です。骨組みがわかればそれぞれの単語の関係がわかり、意味も取りやすくなるというわけです。

 

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主語のカタマリと動詞のカタマリ

「主語」とか「動詞」というと一語のような印象があるかもしれません。一語だけ選ぶとなると、「これは助動詞か動詞か?」など複数の説がある問題に足を取られてしまいます。

ここでは、英語を理解する助けとしてのみ文法を利用しているので、「主語のカタマリ」「動詞のカタマリ」という表現を使うことにします。

 

英文は単語ごとではなく、チャンクごとに捉える

「~のカタマリ」という表現を使うもうひとつの理由は、長い文を読んだり書いたりするとき、単語ごとではなく意味のカタマリごとに区切って捉えた方がいいからです。

長文の勉強の仕方として「スラッシュリーディング」というものがあります。これは、文を意味のカタマリごとにスラッシュ(/)で切っていく練習です。それぞれのカタマリを、英語でchunk(チャンク)といいます。

chunkはさまざまな場面で使われる単語ですが、わかりやすいのは、chunk chocolate barのイメージでしょう。ひとつのカタマリの中に、チョコレートやナッツ、ドライフルーツが一緒に入っています。

その様子は、名詞を中心に冠詞や形容詞が一緒になって主語のカタマリを作ったり、動詞や副詞、前置詞が一緒になって動詞のカタマリを作ったりするのと似ています。

 

動詞のカタマリの前までが主語のカタマリ

英文は、命令文や疑問文などを除くと、主語のカタマリで始まることが多いです。「主語+動詞」を見つけるには、文頭から見ていって動詞のカタマリを探します。大まかにいうと、その前までが主語のカタマリということになります。

The Human Resources department has received seven résumés.

ここではhas receivedが動詞のカタマリなので、その前が主語のカタマリとなります。
「人事部は7通の履歴書を受け取った。」

 

「主語+動詞」を担うことのできる「動詞」とはどんな動詞か

動詞のカタマリがわかれば主語のカタマリが見え、その文の構造が分かるわけですが、この場合の「動詞」とは、辞書で動詞に分類されているすべての動詞を指すわけではありません。

「主語のカタマリ+動詞のカタマリ」を担うことができる動詞は、次の通りです。

1 助動詞と動詞の組み合わせ

助動詞とそれに続く動詞の組み合わせは、文の(かなめ)となる動詞のカタマリを形成します。

先ほどの例文もそのひとつで、has receivedは助動詞+動詞と捉えることができます。

「助動詞の後は動詞の原型だと習ったのに!」と思うかもしれませんね。
will, can, must, may, shall, shouldなどの助動詞の後は必ず原型ですが、haveやbe動詞が助動詞として使われた場合はそうではありません。助動詞にもいろいろあるということです。

(実は、完了形のhaveや受動態、現在進行形のbe動詞を助動詞と捉えない人もいます。しかし、文の要となるという点では同じことです。)

2 動詞が活用しているとき

三人称単数のsがついたり、過去形になっていたりして活用しているときは、その動詞が文の中心的な動詞であり、動詞のカタマリを作っています。

ただし、主語が複数で時制が現在だと、原形のままということになります!

また、過去と過去分詞の形が同じときも注意が必要です。助動詞を伴わない過去分詞は、名詞を修飾して主語や目的語のカタマリに入る場合もあるからです。次の3つの文を比べてみてください。

a) My music teacher made a guitar for his son’s birthday.
b) My music teacher’s guitar was made in the USA.
c) My music teacher’s guitar made in the USA is pretty old.

a) 他に動詞がないので、madeが文の要となる動詞です。主語+動詞made+目的語a guitarとなっています。
「私の音楽の先生は彼の息子の誕生日にギターを作ってあげた。

b) 助動詞+動詞の過去分詞was madeが動詞のカタマリで、受動態になっています。
「私の音楽の先生のギターはアメリカで作られた。」

c) madeの直後にin the USAとあるので、madeは前のguitarにかかっていると見当が付きます。さらに、活用した動詞isがあるので、文の要となる動詞はisの方だとわかります。
「アメリカで作られた私の音楽の先生のギターはかなり古い。」

「主語のカタマリ+動詞のカタマリ」が複数ある文

ひとつの文の中に「主語のカタマリ+動詞のカタマリ」が2セット以上入っている場合もあります。接続詞や関係詞を使った文や一部の分詞構文がそれに当たりますが、また別の回に見るとしましょう。

 

練習問題

(   )の中に入るものを下から選んでください。

. We have received a (   ) product.
a) break b) broke c) broken

2. (   ) loves to hear well of himself.
a) His b) He c) Him 

. Many businesses (  ) to the area, attracted by lower rent.
a) relocating b) relocated c) recently

. (   ) snows throughout the winter here.
a) The country b) He c) It

5. Please (   ) the document before the end of the week.
a) signature b) significative c) sign

. The number of (   ) to Paris will be reduced from the beginning of the next month.
a) flights b) flies c) fly

7. The construction cost for the new city hall will (    ) expensive.
a) too b) be c) was

8. His hospital stay (    ) Christmas.
a) during b) including c) included

. Employees (   ) last month should attend the seminar.
a) hire b) hired c) were hired

10. The addition of five sports to the program (   ) announced at the conference.
a) was b) were c) has

 

解答解説

. c) broken
have received が動詞のカタマリ。空所の前にaがあり、後に名詞productがあるので、この名詞を修飾する言葉が入ると考えられる。
brokenはもともと動詞breakの過去分詞だが、辞書には形容詞としても分類されている。
意味:私たちは壊れた商品を受け取りました。

. b) He
loveは動詞も名詞もあるが、ここでは他に動詞がないので動詞だとわかる。to hearは不定詞であり、それだけでは文の要となる動詞にはならない。
意味:彼は自分のことを良く聞くのが大好きだ。(彼は自分のことを良く言っているのを聞くのが大好きだ。)

. b) relocated
Many businessesが主語である。その後に動詞が必要なので、relocateの過去形を入れる。
もしa)を入れて「このエリアに引っ越す会社は」とカンマまでの全体を主語のカタマリにするなら、動詞attractedは受け身になっているはずだし、カンマは必要なくなる。
そうではなく、カンマ以下が前の部分の理由を表す分詞構文だと捉えれば、意味が通る。
カンマ以下が主語を修飾していると捉えてもいいだろう。
意味:多くの会社が、低い家賃に引かれてこのエリアに引っ越した。

. c) It
天候を表すとき主語はit。snowには動詞と名詞がある。
意味:ここは冬中雪が降る。

. c) sign
Pleaseの後に動詞の原形が必要。c)には名詞と動詞があるが、a)は名詞、b)は形容詞である。命令形なので主語はない。
意味:今週の終わりまでにこの書類にサインしてください。

. a) flights
この文の動詞のカタマリはwill be reduced。ofの後には名詞が必要。名詞の前に冠詞や形容詞が付く場合もあるが、空所の後は前置詞で名詞ではないから、空欄に名詞を入れるしかない。
b)は動詞flyの三人称単数形の他、「ハエ」という名詞の複数形でもあるが、ここに「ハエ」を入れても意味は通らない。
意味:パリ行きのフライトの数は来月の初めから減らされる。

. b) be
助動詞willがあるので、この後に動詞が来て動詞のカタマリを形成すると考える。そのことから、この文のcostは名詞だとわかる。
意味:新しい市役所の建設費用は高いものとなるだろう。

. c) included
stayに三人称単数のsもなければ過去形にもなっていないため、動詞ではなく名詞だとわかる。動詞が必要なので、includeの過去形を入れる。
意味:彼の入院はクリスマスを含んだ(彼はクリスマスにも入院していた。)

. b) hired
助動詞+動詞(should attend)があるので、これがこの文の主語のカタマリだとわかる。よってhireは前の名詞を修飾しているはず。employeesはhire「雇う」という行為では受け身になるので、過去分詞を使う。
意味:先月雇われた従業員は、そのセミナーに出なければならない。

10.  a) was
空所の前に動詞はない。announceするのは人であってこの主語のカタマリThe addition…ではないから、受動態にしないと意味が通じない。be動詞+過去分詞で受動態を作る。
意味:5つのスポーツのプログラムへの追加が会見で発表された。

 

ライタープロフィール●外国語人

英語、フランス語、外国語としての日本語を教えつつ、語学力に留まらない読む力、書く力を養成することが必要であると痛感。ヨーロッパで15年以上暮らし、とりあえず帰国。この世界の様々な地域で日常の中に潜む文化の違いが面白くて仕方がない。子育て、犬育て中。TOEIC®985点
https://www.znd-language.com

 

 

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