英検®はここに注意しよう! 準1級の傾向と対策 - リスニング2
攻略ポイントはここ! 英検®合格への道しるべ
前回の記事では、英検®準1級リスニングの構成と第1部の傾向について解説しました。今回は第2部の傾向と注意点を探ります。
英検®準1級リスニング第2部の形式
第2部には6つの説明文が出題され、それぞれの説明文に2問ずつ質問があります。説明文も質問も1回だけ読まれ、選択肢は問題用紙に印刷されています。
説明文の長さはだいたい150語未満で、ふたつの段落に分かれているようです。
本文のタイトルも読まれるので、どんな内容の話か予め頭に入れることができますね。
本文を聞いたあとで設問を読み、問題に答える時間は10秒です。
英検®準1級リスニング第2部の内容
内容は世界各地の興味深い話題が集められているので、準備勉強も楽しいと思います。専門的な知識は必要ありません。
2020年第3回では、アルガンオイルを作る女性たちをNGOが援助した話や偶然発見された隕石とその影響について、休暇を取るのが難しい農業従事者のためのファーム・シッターなど、さまざまな分野の情報が偏りなく並べられています。
設問は次のようなものがよく出題されます。
What is one thing we learn about …
意味:この話から~についてわかるのはどんなことですか。
このような質問が出るときは、その話の中で~についてさまざまな情報が語られています。one thingとはone of the thingsだと思っていたほうがいいでしょう。当然のことながら、選択肢で話の内容と正確にあっているものはただひとつです。必ずしも自分が覚えているものやよく聞き取れた情報が正解として出てくるとはかぎりません。
その他の設問としては、Whyで始まるものも多いです。
英検®準1級リスニング第2部で気を付けるべきこと
話題がたまたまよく知っているものだとある意味では有利ですが、先入観に足を取られてしまうこともあります。
あくまでも、その説明文では何が話されたのか、その質問では何を聞かれているかに注意してください。
例えば農業に関する話題の場合、選択肢に「政府の助成金が減っている」「作物の栽培はあまり利益が出なくなっている」などが混ざっています。
そのような事実をどこかで聞いたことがあるかもしれません。しかし、問題文の中で触れられていなかったら不正解ですね。英語で内容が聞き取れたかどうかを測るテストなのですから。
2020年第3回の「ファーム・シッター」の話では、「動物の世話をするのは作物の栽培より難しい」という選択肢もありました。本文では、確かに
even simple things, like forgetting to close a gate, can quickly lead to expensive losses.
意味:柵を閉め忘れるといった単純なことでも、あっという間に多額な損害となってしまうことがある。
とあります。しかし、酪農が作物の栽培より難しいとは言っていません。この文の前半では
Livestock and crops require daily attention, and
意味:家畜や作物は毎日注意が必要であり、
とあるので、酪農と作物の栽培両方について話しているのは明らかです。常に話の流れを捕まえるようにしましょう。
言い換え問題に注意
本文とそっくり同じ単語がある選択肢が正解とは限りません。単語だけ同じでも、文全体の内容は違うかもしれません。
逆に、違う表現を使っていても同じ内容のことを言っている場合もあります。
ファーム・シッターの例では、本文で
it can be more difficult for farmers to take time off.
意味:農業従事者にとっては休みを取るのがより難しい可能性もある。
となっているのが、正解の選択肢では
It can be hard for farmers to take vacations.
意味:農業従事者にとって、休暇を取るのは厳しい可能性がある。
と言い換えています。
豊富な言い換え語彙を知っていることも重要ですが、話の流れから、休暇を話題にしていることに気づくことも大切です。
ライタープロフィール●外国語人 | |
英語、フランス語、外国語としての日本語を教えつつ、語学力に留まらない読む力、書く力を養成することが必要であると痛感。ヨーロッパで15年以上暮らし、とりあえず帰国。この世界の様々な地域で日常の中に潜む文化の違いが面白くて仕方がない。子育て、犬育て中。TOEIC®985点 |
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