英検®はここに注意しよう! 1級の傾向と対策

攻略ポイントはここ! 英検®合格への道しるべ

英検®1級。言うまでもなく、英検®の中で、最も難しいテストです。日本で英語力をアピールしたければ、やはり英検®が一番知られているのではないでしょうか。その頂点が1級ですね。今回は英検®1級のレベルと内容について解説します。

英検®1級のレベルはどのくらい?

英検®1級は、実際どのくらい難しいのでしょうか。

日本英語検定協会のホームページによれば、「大学上級程度」が目安とあります。
そう言われても、日本では大学による差が大きい上に、学部の違いもあります。毎日英語を使う学部もあれば、ほとんど使わない学部もあります。もちろん、大学に行かないでも英語が得意な人もいるでしょう。

 

英検®1級はTOEIC®ならどのくらい?

では、やはり日本で受験する人が多いTOEIC®と比べるとどうでしょうか。

英検®1級合格者でTOEIC®L&Rも受験した人は、スコア900点台が多いと言われています。

ただ、これも目安に過ぎません。
TOEIC®L&Rはリスニングとリーディングのみであるのに対し、英検®1級はライティングも重要な要素であり、さらに二次試験ではスピーキング能力も問われます。逆に、英検®1級にはTOEIC®にあるような文法問題はありません。

つまり、ライティングが得意で文法が苦手な人であれば、TOEIC®900点未満でも英検®1級に合格できる可能性が高くなるということです。

 

英検®1級にはどんな話題が取り上げられるの?

話題や内容も英検®TOEIC®ではかなり違っています。

TOEIC®は職場や日常生活が取り上げられます。政治、宗教、社会問題、子ども、命に関わるような事故や病気が話題となることはありません。

一方、英検®1級には社会問題や政治、重大な事故や病気も取り上げられます。歴史、科学、医療やビジネスに関する文章も出題されます。ただ、専門用語が出てくるわけではありません。

TOEIC®が「ビジネス英語」だと言われるのは、職場で使う話ことばや書き言葉が出てくるからです。新しいレストランのオープンや工場の移転など、メディアのビジネスニュースのような長文もあります。

英検®1級でビジネスに関する長文が出たといえば、ビジネスのある傾向を解説した文章だったりします。2021年第1回ではヴェブレン効果(「顕示効果」とも呼ばれ、ブランド物を買う心理がわかりやすい例)が取り上げられていました。

ただ、前もってヴェブレン効果とは何か知っていなければいけないということではありません。出題された長文の中で説明されているからです。問われているのは、その説明が理解できるかどうかです。

また、英検®1級の長文の中には、TOEIC®の1番長い長文の倍以上あるものも含まれています。2021年第1回には、植物の知能に関する長い読解問題が出ました。

 

英検®1級が実用英語だという意味

「英検」は「実用英語検定」の略です。小説や詩は出てきません。

「英検」の「実用性」とは、今日を生きる人間として、今起こっていることに関心を持っているかということです。

2021年第1回のライティングのテーマは次のようなものでした。

Are economic sanctions a useful foreign-policy tool?
意味:経済制裁は対外政策として有用なツールか。

意見と共に3つの理由を述べるよう求められました。

英検®1級の単語・熟語穴埋め問題も難しいと評判ですが、新聞や雑誌を読んでいればそれなりに出会うものもあります。すべてが「ネイティブも使わないほど難しい」わけではありません。

次回は、英検®1級1次試験の構成について書きます。

 

ライタープロフィール●外国語人

英語、フランス語、外国語としての日本語を教えつつ、語学力に留まらない読む力、書く力を養成することが必要であると痛感。ヨーロッパで15年以上暮らし、とりあえず帰国。この世界の様々な地域で日常の中に潜む文化の違いが面白くて仕方がない。子育て、犬育て中。TOEIC®985点
https://www.znd-language.com

 

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