英検®はここに注意しよう! 1級の傾向と対策4

攻略ポイントはここ! 英検®合格への道しるべ

前回から英検®1級筆記試験の第1部、難問と評判の語彙問題について書いています。ここを効率的にクリアするにはどうしたらいいのでしょうか。1級用の単語の本を端から覚える必要があるのでしょうか。

英語は分野が異なっても同じ単語を使う

「アンチテーゼ」の意味を日本語で調べると、「対立する理論」とか「定立に対する反定立」と出てきます。

ところがantithesisを英和辞典で見ると、「反定立」の他に「正反対のもの(人)」という意味もあることがわかります。

欧米では往々にして、普通に使われる単語と専門用語や哲学用語が同じ単語であることが多いです。専門的な用語が一般的な言葉に降りてくる場合もありますが、新しい概念を生み出すとき、前から普通に使われている単語を使うことも多いです。

異なる分野で同じ単語を使うこともよく見られます。その単語が指し示す内容は分野によって違うわけですから、日本語に訳すときに翻訳家は苦労します。

しかし、英単語を覚えるときには、そのことがとても役に立ちます。
ひとつひとつ別々のものとして覚える必要はありません。
コアになるイメージを捉え、そこから派生する意味を押さえれば時短になりますね。

 

英検®1級の準備勉強で避けるべきこと

単文穴埋め問題の対策にあまり時間を割くのはおすすめできません。

それなりに使う単語も出ますが、ほとんど使われない単語も毎回一定数含まれています。

イギリス人で英語を教える資格のある先生、つまり英語の知識があるネイティブ(すべてのネイティブがそうだというわけではありません)でも、「これは見たことがない」という単語が出てきます。

ならば、専用の単語帳を使うのはあまり意味がないかもしれません。

英検®1級を取るのが自分にとって重要だとしても、そのための勉強は、本当に必要な英語力を高めるためでありたいですね。

 

英検®1級の語彙対策 ━ ネイティブが読んでいる新聞や雑誌を読む

英検®1級の語彙対策としては、むしろ英語の新聞や本をたくさん読み、知らない単語や表現があったら自分で例文と共にノートなどに書き留めておくことです。
それを1日に何回か見直して覚えていけば、難しくても役に立つ単語・熟語が身に着くでしょう。

 

英検®1級の語彙対策 ━ 接頭辞、接尾辞、語源に注目

例えば、diffidentという単語が出たことがあります。
あまり馴染みがないかもしれません。
しかし、confidentはよく知っているでしょう。
接頭辞が変わっているだけです。

接頭辞difの意味は、dif etymologydif prefixでググると出てきます。dif, dis, di はいずれもseparationnegationの意味を加える接頭辞です。

ですから、diffidentconfidentのほぼ反対の意味だということですね。

因みに、fidentの語源が知りたければ、fident etymologyで調べればtrustというのが出てくるはずです。

もちろん、試験の本番で調べることはできません。普段の勉強の中で、語源を意識しておくということです。隙間時間で知っている単語を分解して、遊んでみてもいいかもしれません。

語源の知識は、初見の単語の意味を類推するための大切な道具となるでしょう。

 

英検®1級の筆記試験ではどこに注力するべき?

これまで述べてきたように、第1部でほぼ満点を狙うというのは、あまりいい作戦とは言えません。
筆記試験では他のところに力を入れましょう。

英検®1級を目指している人で、読解問題やライティングで点を稼ぐ自信はないという場合、学習方法の大幅な変更を考えた方がいいかもしれません。

 

ライタープロフィール●外国語人

英語、フランス語、外国語としての日本語を教えつつ、語学力に留まらない読む力、書く力を養成することが必要であると痛感。ヨーロッパで15年以上暮らし、とりあえず帰国。この世界の様々な地域で日常の中に潜む文化の違いが面白くて仕方がない。子育て、犬育て中。TOEIC®985点
https://www.znd-language.com

 

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