毎日Eトレ!【1306】力による現状変更

デイビッド・セイン先生が教える
海外の時事英語

英語でこれって何て言うんだろう? 日常会話で使う表現を、人気英会話講師のデイビッド・セイン先生が解説してくれます。日本人が間違えやすいポイントや文化の違い、派生した表現なども教えてくれます。今回は海外の時事英語フレーズ「ロシアの侵攻は、力による現状変更の試みだ」です。さっそく読んで活用しましょう。

 

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The Russian invasion is an attempt to change the status quo by force.

ロシアの侵攻は、力による現状変更の試みだ。

 

侵攻は力による現状変更の試み

ロシアによるウクライナへの侵攻 (invasion) を受け、日本政府も国際的な場で「力による現状変更」に反対を表明しました。「現状」は status quo と言います。これは「そのままの状態」を表し、もともとはラテン語のため政治・社会などのかたい話題で用いられることの多い言葉です。「現状を維持する」なら maintain the status quo、「一方的な現状変更」なら unilateral change to the status quo となります。また、現在認められている国境を「武力で」変えようとする場合、by force (力ずくで) と表現します。force には、air force「空軍」のように「軍隊」の意味がありますが、もっと広く「暴力、影響力、効力、自然界の力」など、さまざまな「力」を表します。in force でしたら「(契約が) 有効で、(法律が) 施行されて」など、「効力のある」という意味合いになります。

 

一緒に覚えよう! 他の言い方・関連表現

This crisis is a serious threat to the rules-based international order, with ramifications well beyond Europe.
この危機はルールに基づく国際秩序への深刻な脅威で、欧州をはるかに超えて影響する。

▶これはロシアによる軍事侵攻を非難するG7共同声明の一節です。「力による現状変更」は、ルールに基づく国際秩序 (rules-based international order) への挑戦とも見なされています。order は「注文、命令」の意味でよく知られていますが、「秩序のある状態」も表す単語で、restore peace and order (平和と秩序を回復する) など、社会の治安について語るときにも使われます。また、この共同声明には ramification「影響」という難しい表現もあります。これは主に悪い成り行きを表す言葉で、ある行動のせいで物事が複雑になる場合などに用います。平和な世界を願ってやみません。

 

講師プロフィール●デイビッド・セイン David Thayne

日本で約30年の豊富な英語教授経験を持ち、ベストセラーの英語の書籍を数多く刊行。英会話イベント・セミナーも精力的に開催している。

 

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