ラボ・パーティ連載 【12】ラボ・パーティのテーマ活動とは?(後編)

前回はラボ・パーティのテーマ活動の初期段階を紹介しました。今回はその後、テーマ活動が完成していく過程ではどのようなことが起きているのか。そしてどのようにして英語が身についていくのか、紹介していきます。

子ども自身が考えてつくるテーマ活動

テーマ活動に取り組み始めて数週間すぎると、子どもたちは物語について疑問に思うことが増えてきます。実際に動いてみると、細かいところまで気になってきますし、それを解決しないと物語が理解できないので、身体で表現することができません。

たとえば『HARRY THE DIRTY DOG(どろんこハリー)』の場合、「ハリーはどうしてお風呂が嫌いなんだろう?」「ハリーはひとりででかけて、怖くなかったのかな?」「家の人はハリーを心配していたのかな?」などと、さまざまなことを疑問に思います。テーマ活動では、そのような疑問点を仲間と一緒に考えていきます。

物語のなかで感じる疑問に、正しい答えはありません。子どもたちは自分たちのグループで答えを見出していけばいいのです。つまり解なき解を、仲間と追求していくというわけです。解(「納得解」と呼ぶこともあります)を見出すときには、子どもの間に「対話」が生まれます(この対話は日本語で行われます)。

ここでも指導者は、決して具体的な答えを教えることはありません。子どもたちが解を見出せるように、子どもの中から考えを引き出したり子ども同士の対話をつないだりします。そのようにして仲間と対話しながら追求した解を身体で表現しながら、テーマ活動をつくっていきます。

 

テーマ活動は「アクティブ・ラーニング」そのもの

テーマ活動は、子どもたち自身がつくるということがとても重要です。自分の意見が取り入れられたり、他者の意見に学んだりしながら仲間とつくっていきます。そのおかげで楽しく続けられ、充実感や達成感を得ることができるのです。このように子どもの心をワクワクさせる学習こそが、学校が目指しているいわゆる「アクティブ・ラーニング」です。いま学校では「主体的・対話的で深い学び」(文科省がアクティブ・ラーニングの代わりに使い始めた用語)を目指していますが、ラボ・パーティではまさにそのような学びを実践していると言えます。

自分たちでつくっていくからこそ物語のセリフを言うときに登場人物になりきることができ、ナレーターとして語るときにも物語を語りたい気持ちが生まれます。そのようにして身につけていく英語は、子どもの心のなかに少しずつ蓄積されていきます。

単語の意味は英語でも日本語でも、文脈(使われる状況)のなかでこそ決定します。文脈が変わると意味が変わってくることばはたくさんあります。テーマ活動では「happy」も「sorry」も物語の文脈のなかで身につけていきます。ですから、自分の身体や心を通じた体験として「happy」や「sorry」の意味を知ることができるのです。母語も使いつつ英語を体験しながらことばを身につけていきます。それがテーマ活動です。

ときには物語の英語をノートに写し書きして、自分が覚えた音を確認することもあります。子どもは多くの音声を体験していますので、自然に読めるようになっていることに自分でも驚くようです。文字でも確認して音声にし、間違えたら直してみて、また使ってみることのくり返しをしながら学んでいきます。

 

子どもの言いたい気持ちを育てる

子どもたちは約3か月間、ひとつのテーマ活動に取り組みます。自分たちでつくったものは誰かに見てもらいたい。その気持ちこそがまさに子ども自身のプレゼンテーションの源です。物語をなぞったものの発表ではなく、子どもたちが対話し協同してつくったものの発表です。ラボ・パーティの発表は成果発表ではありません。子どもたちのプレゼンテーションの場として発表の場を設定します。いつものレッスン会場で保護者の方に見ていただいたり、同じ指導者の元に通う他のグループの友だちに見てもらったり、ときには大きな舞台で発表することもあります。

ラボ・パーティではことばを単にコミュニケーションの道具としてではなく、心の表現としても考えています。子どもが言いたい、表現したい気持ちを大切にしているので人前でのプレゼンテーション力も自然と育成できます。

ラボ・パーティでは、テストや試験などで子どもの学びの達成度を測ることはしません。なぜならそれらの達成度は、大人が作成した基準でしかないからです。達成度を測ることは大人の指導の参考にはなりますが、子どもの英語そのものを育てることに有効かどうかは疑問です。テストや試験が終われば忘れてしまうような英語では、いくら学んでも使えるようにはならないでしょう。

ラボ・パーティでは、子どもが自己表現し、対話できる英語を育てています。そのためにこれまで紹介したように、物語を英語音声で聞き、グループで子どもたちが劇をつくっていく「テーマ活動」を取り入れているのです。

 

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/ラボ教育センター 広報 竹内美貴子さん

1988年、株式会社ラボ教育センター入社。営業職として首都圏、関西エリアを担当。ラボ・パーティ教室運営のサポート、指導者育成も行う。その後、教材研究・開発、広報誌編集などにも携わり、2006年より現職。言語習得、子どもの英語学習、絵本について詳しい。イベントやキャンプでは、⼦どもを対象としたワークショップも行う。中学生以上を対象とした海外ホームステイの引率経験は豊富。

 

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