執事学校を首席で卒業! 藤田幸さん
「大切なのは“チャンスを掴む準備”」

専門留学で、世界への扉が開く!

世界で活躍する執事を輩出する、オランダの専門学校「国際執事アカデミー」を知っていますか?中国や中東など、新興国での執事の需要が高まり、最高水準の執事養成機関として注目されている学校です。そんな「国際執事アカデミー」を首席で卒業した日本人・藤田幸さんに、留学のきっかけや学校で学んだこと、執事という仕事についてなど、たっぷりお話を伺いました。

 

――国際執事アカデミーに留学しようと思ったきっかけは何ですか?

 

執事という職業を意識したのは、トヨタの製造工場で派遣通翻訳をしていた時です。通訳者になるまではサービス業に従事していたので、お客様から「ありがとう」と言ってもらえる仕事が好きでした。そこから一変して企業勤めになったのですが、「サービスを極めるとしたら?」という通訳仲間との会話のなかで、ふと執事という職に興味をもったんです。私の信条は「興味がわいたらとにかく試す!」なので、早速執事について調べ、The International Butler Academy(国際執事アカデミー)に辿りつきました。そして、その翌日には「私、執事になるわ」と宣言していましたね(笑)。

何より、「誰も経験したことのない新しい世界に挑戦したい!」という気持ちが強く、“執事”の世界に飛び込みました。留学をすると決めてからは、一度も迷ったり躊躇することなく、目標に向かって猪突猛進する日々でした。

 

 ――執事学校の授業は英語で進行するそうですが、語学での苦労はありましたか?

 

実は、父の仕事の都合で6歳の時に渡米し、それから21年間アメリカに住んでいたので、英語はネイティブと遜色ないくらい話せます。周りからも、アメリカ生まれだと思われることがほとんどです。英語と日本語を、苦労せずに身につけられる環境で育ったことは、本当にありがいことでしたね。とはいえ、執事に求められるのはビジネス英語を話せることではなく、綺麗な英語をつっかえずに話せることです。たとえば、家に招いた来客のコートを預かろうとする時、普通は“Can/May I take your coat?”と尋ねますよね。ところが、執事は“Allow me to take your coat, Sir/Madam.”と言うんです。これは“質問”ではなく“宣言”なので、Noと言わせない表現になります。さらに最後にSir/Madamと付けることで、相手はコートを預けざるを得ません。

もちろん、学校には英語が第2言語の生徒も数多くいましたが、ネイティブレベルでないと厳しい世界だと感じましたね。

 

――ネイティブレベルとは、ハードルが高いですね。では、学校内の雰囲気はどのような感じでしたか?

 

執事学校はオランダにあるのですが、ヨーロッパ出身者はもちろん、シンガポールやアフリカなど、世界各地から生徒が集まります。さまざまな文化が入り混じる学校内では、まるで世界を旅したような気分が味わえました。所変われば常識も違いますし、自分とは異なる視点や意見を知ることで、世界の広さを実感できます。本で読んだりテレビで見ているだけで知った気になっていても、知識はかなり乏しく、間違いがあることもわかりました。行って、見て、聞いて、接してこそ、初めて“異文化交流”になるんですよね。

そうやって世界を知り、自分の視野が広がることで「もっと知りたい!学びたい!」という気持ちがわいてきます。そして、他者のなかに自分にはない“何か”を見つけた時に、「まだまだ自分は頑張れる」「もっと学んでより高みを目指せる」と気付けるんです。

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