中学英語からまるっとおさらい!
大人の学び直し英語【181】形容詞 -1-
品詞について

前回までで英語の代名詞についておさらいを済ませました。今回の記事から形容詞に入ります。まずは基本中の基本として、英語の形容詞の特徴を解説します。
英語の形容詞は活用しない
日本語や他のヨーロッパ言語では、形容詞が活用する、つまり形を変えることもありますが、英語では形容詞は活用しません。
単数でも複数でも形容詞は同じ形です。
The student is angry.
意味:その学生は怒っている。
The students are angry.
意味:その学生たちは怒っている。
主語studentが複数だとstudentsとなり、be動詞も主語が三人称単数のときはis、複数はareと変わりますが、形容詞angryは変わりません。
ちなみに、日本語では「怒る」は動詞で、「怒っている」という状態を表すにはこれを活用させ、助詞「て」と補助動詞「いる」を加えますが、英語ではangryは一語の形容詞で不変です。
英語で現在や過去、未来など時制を表せるのは動詞と一部の助動詞のみです。
I am young.
意味:私は若い。
I was young.
意味:私は若かった。
日本語では、「若い」という形容詞が活用して「若かっ」になり、それに助動詞「た」が加わっています。英語ではyoungの形は不変で、am, wasというbe動詞で時制を表しています。
形容詞にsが付いてる?!
稀に形容詞にsが付いているように思える単語がありますが、それは次のふたつの理由によるものです。
・その単語に形容詞としての用法のほかに名詞としての用法もある場合
ひとつの例がfine。形容詞として「元気な」「良い」などの意味を持っています。
How are you? -I’m fine. Thank you.
意味:調子はどうですか? -元気です。ありがとう。
名詞としては、「罰金」という意味があります。
They paid parking fines many times.
意味:彼らは何度も駐車違反の罰金を払った。
名詞としてのfineにsが付くことはあっても、形容詞のfineにsが付くことはありません。
・形容詞にsが付いて別の意味の名詞となっている場合
例えば、economicは形容詞で「経済の」「経済的な」という意味ですね。
これにsが付いてeconomicsとなると「経済学」や「経済状態」という名詞になります。
economic growth
意味:経済成長
ここではeconomicは名詞growthを修飾する形容詞。
I studied economics.
意味:私は経済学を勉強した。
ここではeconomicsはsが付いているので名詞です。
そして、「経済学」を表すときは不可算名詞です。
形容詞には冠詞は付かない
形容詞自体に冠詞が付くこともありません。冠詞は名詞のみに付きます。
She has a puppy.
意味:彼女は子犬を飼っている。
She has a cute puppy.
意味:彼女はかわいい子犬を飼っている。
冠詞aはpuppyに付いているのであって、cuteに付いているわけではありません。
aとpuppyの間にcuteが挟まっている形です。
このパターンはTOEIC®にもよく出てきます。冠詞+( )+名詞の形で空欄に入るのは形容詞や分詞など、名詞を修飾できる単語です。稀に名詞が名詞を修飾することもあり、複合名詞と呼ばれていますが、数は限られています。
練習問題
( )内から適切なものを選んでください。
1 He wasn’t interested in (politic/politics) at that time.
2 It was a (politic/politics) decision.
3 I have an (important/importance) appointment.
4 It (is/was) a busy street ten years ago.
解答・解説・和訳
1 politics
-inという前置詞が前にあります。前置詞の後には名詞か動名詞が必要です。「政治」という意味の名詞politicsを選びます。
和訳:彼は当時政治に関心が無かった。
2 politic
-decisionという名詞の前なので名詞を修飾する形容詞politicを選びます。
- -ionで終わっている語には圧倒的に名詞が多いです。
-politicには「政治的な」のほか、「賢い」「思慮のある」「抜け目ない」という意味でよく使われます。
和訳:それは賢い決断だった。
3 important
-後にappointmentという名詞があるので、それを修飾するため形容詞のimportantを選びます。
- -mentで終わっている語は英語ではほとんどが名詞です。
- importanceのように-ceで終わっている語もほとんどが名詞です。
和訳:私は大切なアポがある。
4 was
-ten years agoと過去を表す表現があるので、この文の述語動詞であるbe動詞を過去形にします。
-形容詞busyには「(人が)忙しい」のほかに、「(町や通りが)にぎやかな」「せわしい」という意味があります。
和訳:それは十年前には賑やかな通りだった。
ライタープロフィール●外国語人 | |
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英語、フランス語、外国語としての日本語を教えつつ、語学力に留まらない読む力、書く力を養成することが必要であると痛感。ヨーロッパで15年以上暮らし、とりあえず帰国。この世界の様々な地域で日常の中に潜む文化の違いが面白くて仕方がない。子育て、犬育て中。TOEIC®985点 |