幼児英語教育のウソ・ホント - 効果が上がる方法とは?

幼児英語教育について学びましょう

前回の記事で、乳児の時に英語に触れるメリットについて解説しました。今回は、もう少し成長した幼児期におけるメリットについて取り上げ、臨界期仮説にも触れます。

 

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幼児と外国語

 1歳頃から小学校入学前までに、多くの子どもが母語でおしゃべりを始め、発話能力を発展させていきます。言葉の学習は、周囲の人を真似することから始まります。もちろん幼児はこれを「学習」だとは思っていません。

 この時期に十分英語に触れると、母語を覚えるのと同じプロセスで英語を吸収することが期待できるでしょう。苦労しないでネイティブと同じ発音ができるようになる人も多いです。ただ、幼いうちは母語でも大人のようには発音できないことがありますね。たとえば「ワンワン」と言えないで「ワワ」と言ったり、「たくさん」と言えないで「たくちゃん」と言ったりします。

 英語も同様で、英語圏の幼児はrabbit(ウサギ)と言う代わりにwabbit(くたくた)と言ったり、star(星)と言えないでtar(タール)と言ったりすることがあります。正しい英語を聞く機会が多ければ、多くの場合、直されなくても徐々に正しく発音できるようになっていきます。

 

「学習」を意識せず外国語を吸収する

 ここまで、「英語を勉強する」「英語を習う」といった表現を使わず、あえて「英語に触れる」と書いてきましたが、それは幼い子どもたちが自然にコトバを吸収するからです。

 そもそも母語を習得する時期にありますから、聞こえてくる発音に耳を澄ませ、真似をするのがはごく自然なこと。「学習」ではありません。このことこそ、彼らがたやすく外国語を身に着けるように見える理由でしょう。

 逆に言えば、「学習」として導入すると、英語嫌いになるなど、デメリットが生じる可能性もあります。

 

乳幼児期に英語を習う3つのメリット

 前回からの内容をまとめると、乳幼児期に英語を習うメリットは次の三点と言えるでしょう。

・高いリスニング力
・ネイティブのような発音
・「学習」として意識しない容易さ

 この中には、リーディングやライティングはもとより、話を組み立てる能力や相手の意図を理解する力は含まれていません。

 

外国語習得の臨界期仮説とは?

 子どもたちに比べて大人が外国語に苦労するのは万国共通です。エリック・レネバーグという言語学者は、ネイティブのような外国語能力を取得するには年齢的な限界があるという仮説を唱えました。それが臨界期仮説です。

彼によれば、思春期の始まり(11~12歳)頃までに十分な言語的な刺激を受けていないと、ネイティブレベルにはなれないということです。レネバーグの論文が出版されたのは1960年。その後他の研究者が黙っていたわけではなく、この仮説にはさまざまな修正が加えられました。

臨界期仮説に関しては、また別の回に詳しくご紹介したいと思います。

 

 

ライタープロフィール●外国語人

英語、フランス語、外国語としての日本語を教えつつ、語学力に留まらない読む力、書く力を養成することが必要であると痛感。ヨーロッパで15年以上暮らし、とりあえず帰国。この世界の様々な地域で日常の中に潜む文化の違いが面白くて仕方がない。子育て、犬育て中。TOEIC®985点
https://www.znd-language.com

 

 

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