幼児英語教育のウソ・ホント - 効果が上がる方法とは?
幼児英語教育について学びましょう

前回までで、乳幼児期に英語に触れるメリットについて解説しました。今回は、実際に英語を使って活躍している有名人を例に、英語学習と年齢の関係を見てみましょう。
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カズオ・イシグロ
2017年にノーベル文学賞を受賞した作家のカズオ・イシグロさん。
現代英文学におけるもっとも重要な作家のひとりとみなされています。たいていの「ネイティブ」より見事な英語を繰るイシグロさんは、どのような英語学習歴を持っているのでしょうか。
現在はイギリス国籍ですが、ご両親はふたりとも日本人。長崎に生まれ、幼い頃は長崎市立の幼稚園に通ったとのこと。お父さんのお仕事のために5歳でイギリスにわたりますが、当初は永住の予定はなかったようです。現地の小学校に通い始めてからも、家では日本語で話していたそう。常に日本人であるご両親の目を通して世界を見ていたと回想しています。
ケント大学の英文科を卒業し、イースト・アングリア大学大学院創作学科へ。ここで本格的に小説を書き始めたのでしょう。もちろん英語で。イシグロさんの作品は、作者の名前を隠したらイギリス人が書いたといっても通ると言われており、発音もネイティブと変わらないそうです。本人は、「言語的には、自分は多くのネイティブが持っているような堅固な英語の基盤は持っていない」と言っているようです。
真田広之
俳優だけでなくプロデューサーとしても大活躍の真田広之さん。2024年にはテレビドラマShogunがエミー賞を受賞し、大きな話題となりました。
海外進出は1999年、日本人として初めてイギリスのロイヤル・シェイクスピア・カンパニーに参加したときでしょう。1960年生まれですから、20代の終わり頃ということになります。その後、アメリカに拠点を移しました。
Shogunは俳優が日本語を話すドラマでしたが、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーやアメリカ映画では、セリフは英語です。これは脚本に書いてあるのであらかじめ覚え、練習することができますが、普段から通訳なしで仕事をされるそうです。
発音の面では、ネイティブレベルではないものの大変明確だという評判です。
まとめ
カズオ・イシグロさんにしても真田広之さんにしても、もともと語学の才能に恵まれていたという仮定も成り立ちます。作家や俳優としての資質が豊かだということは、言葉の感覚が鋭いということにほかなりません。
しかし、このふたりの事例は、アメリカやイギリスで移民を対象に行われたさまざまな研究を裏付けています。それによれば、6歳以下で英語圏に移り住んだ人には通常外国人らしいアクセントはありません。英語圏への移住年齢が上がるにしたがって、母語の影響によるアクセントを持つ人の割合が増えていくということです。
ライタープロフィール●外国語人 | |
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英語、フランス語、外国語としての日本語を教えつつ、語学力に留まらない読む力、書く力を養成することが必要であると痛感。ヨーロッパで15年以上暮らし、とりあえず帰国。この世界の様々な地域で日常の中に潜む文化の違いが面白くて仕方がない。子育て、犬育て中。TOEIC®985点 |