幼児英語教育のウソ・ホント - 効果が上がる方法とは? -5-
幼児英語教育について学びましょう

英語習得と年齢との関係について、例を挙げながら解説しています。一般的には、6歳から8歳頃までに十分ネイティブの発音に触れれば、ネイティブレベルの発音が身に付きやすいと言われています。では、それ以降では、努力しても間に合わないのでしょうか?今回は、この問いに答えるための調査をご紹介します。
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12歳を過ぎたらもう英語は間に合わないのか
1997年、12歳以降に始めて英語に触れた人を対象として、ある調査が行われました。調査に参加したのは、オランダで英文学を専攻している学生たち。英語を発話してもらい、その録音を英語のネイティブスピーカーに判定してもらいました。その結果、11人のオランダ人学生のうち、5人がネイティブレベルという評価を受けました。
もっと大掛かりなものもあります。イギリスで行われたある調査では、被験者は20代から60代までの大人で、3つのグループに分かれています。
第一グループは、英語のネイティブで地方アクセントがあまり感じられない人たち。大学卒業者。
第二グループはイギリス在住でオランダ語を母語とし、12歳以降にオランダで英語を始めた人たち。13歳以前に英語圏に行った経験はなし。英語の先生や同僚から英語力が高いと推薦されて参加。大学卒業者。
第三グループはやはりイギリス在住でオランダ語を母語とし、12歳以降にオランダで英語を始めた人たち。13歳前に英語圏に行った経験はなし。ただし、特に英語力が高いわけではありません。大学卒業者。
すべてのグループの人たちに英語を話してもらって録音し、ネイティブスピーカーに5段階で評価してもらいます。評価5だとネイティブ、1だと母語のアクセントが大変強いということになります。結果は意外なものでした。平均点が一番高いのは第二グループ、つまりネイティブではないが英語力が高い人たちだったのです。ネイティブからなる第一グループは2位、予想通り第三グループが一番低い結果となりました。
調査結果からわかること
まずひとつ言えるのは、「ネイティブの発音」といってもひとつではなく、イギリスだけでもいくつもあるということです。また、ネイティブは自分の発音をあまり気にせず、いつも明瞭に話すとはかぎらないのに対して、英語学習者は努めて正しい発音をしようとするでしょう。
そしてこの調査は、12歳以降でもネイティブレベルの英語力に達するのが可能であることを証明しています。ただし、達成できた人とできなかった人がおり、その要因としてはモチベーションやトレーニング、日常生活における英語の必要性などのほか、適性も挙げられています。つまり、努力さえすれば誰でもネイティブレベルになれるというわけではありません。
発音に関して、ネイティブレベルに達する可能性が高いのは、やはり早く英語を始めた人であることに変わりはないでしょう。ただ、8歳で可能性の扉が閉まってしまうということではありません。
ライタープロフィール●外国語人 | |
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英語、フランス語、外国語としての日本語を教えつつ、語学力に留まらない読む力、書く力を養成することが必要であると痛感。ヨーロッパで15年以上暮らし、とりあえず帰国。この世界の様々な地域で日常の中に潜む文化の違いが面白くて仕方がない。子育て、犬育て中。TOEIC®985点 |