幼児英語教育のウソ・ホント - 効果が上がる方法とは? -12- バイリンガルとセミリンガル

幼児英語教育について学びましょう

前回の記事では、英語保育園で期待できることについてまとめました。今回は、英語保育園をはじめとした幼児英語の限界について解説します。

 

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年齢相応の言語能力

 前回の記事の最後で、「年齢相応の語彙や会話力」が身に付くと書きましたが、これはもちろん保育園児にふさわしい英語ということです。

 小学生になれば小学生にふさわしい英語が必要ですし、中学生になれば中学生にふさわしい英語が必要になります。LとR, BとVの区別が楽にできるからといって、大人にふさわしい英語運用能力があるとはかぎりません。それは日本語と同じです。中学生が中学生らしい日本語を話せるのは、成長しながら日本語を学び続けてきたからです。中学生にもなれば、家族の中で使う日本語と、学校の先生に対して使う日本語を使い分けることもできます。

 英語保育園で身につくのは、幼児にふさわしい英語だけだということを覚えておきましょう。また、語学は使わなければすぐに忘れてしまうものでもあります。幼いときに英語圏に住んでいて英語がペラペラだったという人も、使わなければ話せなくなってしまいます。

 

 

ふたつの言語のバランス

 母語もまだまだなのに、外国語を習うのは良いことなのかという議論は常にあります。

 バイリンガルな家庭で育つ場合、子どもは話す相手によって言語を切り替えることができるようになります。たとえば、お父さんと話すときは日本語、お母さんと話すときは英語といったように。ひとつのことを表現するのにふたつの体系があるということを自然に理解しているのです。日本人の家族が英語圏で生活するときも、区別はわかりやすいと言えます。家の中では日本語、外では英語というわけです。

 しかし、英語を話すシチュエーション、日本語を話すシチュエーションがあいまいだと、幼児は混乱を起こすことがあります。日本語と英語をまぜこぜに使ったり、どちらも十分に発達しないというリスクが出てきます。どちらも中途半端となってしまうことを、セミリンガルと呼ぶこともあります。セミとは半分のことですね。これを避けるためには、英語で話す理由がお子さんにとってわかりやすいことが必要です。たとえば、ネイティブの先生と話すときは英語、レッスンの間は英語、このアニメは英語、など。また、ふたつの言語のバランスも必要です。保育園で英語に触れている時間が長いのなら、家ではたくさん日本語でお話する、一緒に日本語の絵本を読むなど工夫するといいでしょう。

 

 

ライタープロフィール●外国語人

英語、フランス語、外国語としての日本語を教えつつ、語学力に留まらない読む力、書く力を養成することが必要であると痛感。ヨーロッパで15年以上暮らし、とりあえず帰国。この世界の様々な地域で日常の中に潜む文化の違いが面白くて仕方がない。子育て、犬育て中。TOEIC®985点
https://www.znd-language.com

 

 

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