長い夏が終わり、ニューヨークにもいよいよ涼しい風が吹き始めました。友人たちと久々に会うと、”How was your summer?”の一言に始まり、会話のほとんどは夏のバケーションの話題で持ちきりです。”Where did you go?”と聞けば、帰ってくる答えは、マイアミ、ハワイ、ロスなど、羨ましい限り。中でも一番多い答えが、ハンプトンです。

明日は待ちに待った週末。平日忙しいニューヨーカーたちは、週末のブランチが大好きです。予約を取っていないところも多く、話題のお店にはいつも長蛇の列が。映画、『プラダを着た悪魔』で主人公の仕事が決まった時、”Jobs that pay the rent”という表現が使われていたように、ニューヨークは家賃も物価も基本的に高いので、皆生活のために朝から晩まで必死で働いています。そんなニューヨーカーたちにとっては、例え1時間並ぼうと、おしゃれなお店で、大切な人たちとゆっくり過ごす週末はやっぱり格別なようです。

ニューヨークに移り住んで、早一年が経過しました。私たちはこれまでに何度か旅行で来たことがありましたが、毎日”TO-DO LIST”を達成することで忙しく、ゆっくり余裕を持ってニューヨークという街を見つめたことがありませんでした。実際に住んでみると、観光客として訪れた時とは違ったものが見えてきます。サブウェイに乗り、スーパーで買い物をし、ヨガクラスに通う。そうやってローカルと同じように行動をとることで、その土地と人の特性やパーソナリティーが浮き彫りになります。このコラムでは、ガイドブックには載っていないニューヨーク事情を、私たち姉妹のフィルターを通してご紹介していきます。今回のテーマは、“ニューヨークが私たちに教えてくれたこと“です。