IELTS ライティングの注意点 5

TOEFLとIELTSの違いを知って、試験に役立てよう!

IELTSのWritingに関して、これまで「課題を満たす」「一貫性とまとまり」といった評価基準について見てきました。今回は、「文法知識の広さと正確さ」を押さえておきましょう。

 

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文法知識の広さと正確さとは

「文法知識の広さと正確さ」と聞いてまず思い浮かぶのは、中学校のときから習ったさまざまな文法事項を知っていて、間違いなく使えるということでしょう。

その通りです。
自分で書いた文章は、先生等に見てもらう前に必ず自分でチェックして、単純なミスを減らせるよう練習しておきましょう。

もうひとつ、文構造にバラエティを持たせることも大切です。
これは、日本語で小論文を書くときには意識することが少ないのではないでしょうか。

 

英語のエッセイはバラエティのある文構造で書く

詩や歌詞では、あえて同じ文構造を繰り返すことで効果を生むことがあります。たとえば、著作権が切れているところで次のような佐藤春夫の詩があります。

 

君を見ぬ日のうぐひす。
海近き宿のうぐひす。
波の音にまぢりなくよ。うぐひす。
ひねもす聞くよ。うぐひす。

(「うぐひす」佐藤春夫)

 

最初の2行は「うぐひす」という名詞で終わる体言止め。次の2行は動詞+終助詞「よ」で一度文を終えてから、前の2行と同じ名詞を繰り返しています。それによって、五七五などの音数にしないでもリズムとまとまりが生まれています。

英語のエッセイでこのようにリズムを揃えると、必ず先生に直されると思っていた方がいいでしょう。良い英語のエッセイとは、単純なS+Vの文や、一文の中にS+Vが二つ以上ある複雑な文などが混ざり合ったものなのです。

複雑な長い文だけでもいけません。バラエティを持たせることが大切です。

 

構造の異なる文とは

構造の異なる文を具体的に見てみましょう。
次の文は、すべて構造が異なっていると言えます。

1 They proposed an alternative plan.
意味:彼らは代替案を提案した。
S+V+Oの単文です。

 

2 The construction will begin next month.
意味:建設は来月始まる。
S+Vの単文です。

 

3 The project is unrealistic.
意味:そのプロジェクトは非現実的だ。
S+V+Cの単文です。

 

4 The project would give a younger population many job opportunities.
意味:そのプロジェクトは若い人々に仕事の機会を多く提供するだろう。
S+V+O+Oの単文です。

 

5 The project is unrealistic and might harm local businesses.
意味:そのプロジェクトは非現実的で地元のビジネスを害するかもしれない。
S+V+C and (S)+V+Oの重文です。ふたつの節のうち、どちらが主節、どちらが従属節とも言えません。


6 Although the project seems unrealistic, the committee of specialists approved it.
意味:そのプロジェクトは非現実的に見えるにも関わらず、専門家の委員会はそれを承認した。
前半が従属節、後半が主節で複文です。

 

7 If the residents file a lawsuit, the project could be stopped.
意味:住民が訴訟を起こしたら、プロジェクトは差し止められるだろう。
If節が従属節、後半が主節です。

 

8 The project which the residents were opposed to was stopped.
意味:住民が反対していたプロジェクトは差し止められた。
関係代名詞節(whichからtoまで)が主語のThe projectを修飾しています。

 

書く内容が決まったら、文構造にも気を配ってください。1から4のような単純な文と、6から8のような複雑な文を意識して混ぜることです。そして、5のように、二つの文をandやor, but, soなどで繋ぐ重文も時には使ってみましょう。

要は、同じ文構造を続けるのは避けるということです。

 

 

ライタープロフィール●外国語人

英語、フランス語、外国語としての日本語を教えつつ、語学力に留まらない読む力、書く力を養成することが必要であると痛感。ヨーロッパで15年以上暮らし、とりあえず帰国。この世界の様々な地域で日常の中に潜む文化の違いが面白くて仕方がない。子育て、犬育て中。TOEIC®985点
https://www.znd-language.com

 

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