八田流英会話道場:第七回
相手に忠告や注意をするパターン
空手の型のように英会話をマスターしよう!
③中学2,3年生の子供を叱る
♠:Paul, come here and sit down. I wanna have a talk with you.
ポール、ちょっとここに来て座れ。話したい事がある。(come here and sit down:ここに来て座れ。万国共通で、説教(またはシリアスな話)の前文句。Wannaはwant toの口語表現)
♦:OK, dad.
お父さん、わかったよ。。
♠:I hear you are getting lazy these days. You don’t do your homework and you don’t help your mother around the house.
最近、お前は怠け者になっていると聞いている。学校の宿題はしないし、お母さんの手伝いもしない。(around the house:家事、家の手伝い)
♦:I don’t understand what you are saying.
何の事を話しているのか分からない。(よく使われるフレーズ)
♠:Your grades are coming down. Particularly, your grades on science courses are horrible. You used to like science classes. What is going on with you.
成績は下がって来ているし、特に理科系の科目はガタガタだ。科学は好きだったよな。どうなっているんだ。(used to~はuseの過去形ではなく「ずっと~だった」という用法で、発音もにごらない。×「ユーズド トゥ」 ○「ユーストゥトゥ」。What is going onは気軽な挨拶としてもよく使われるフレーズ。「どうした?」)
♦:I don’t know. I feel just fine.
どういう事かな? 自分はうまくいっていると思っている。
♠:No, you just don’t feel fine. Something is not going right with you. We really have to get to the bottom of it today.
いや、うまくいっているなんて事はない。君の何かがおかしくなっている。今日はその結論まではっきりさせよう。(go to the bottom of:結論まで、とことん)
♦:How come you are being tough on me.
何で僕に厳しいの?(be tough:つらく当たる(「いじめてる」に近いニュアンス)
♠:You know I am not just giving you a hard time. Your mother and I are worried about you.
お父さんがお前に無茶を言っている訳ではない事くらい、分かっているはずだ。お前のお母さんと私は、ほんとうにお前の事を心配している。(give a hard time:つらく当たる、無茶を言う)
♦:Yeah, I know that.
それは分かっているよ。
♠:Then, let us get on the stick and start working. And stop being a scatterbrain.
じゃあ、しっかりして勉強を頑張ろう。もう気の散る人間にはなるな。(一体感を出すためにlet usを使っている。stickは棒(くい)のこと。「根気よく頑張る(そこにくいを打ち込んだように)」という表現。stop be~はdon’t be~よりも強い表現。scatterbrain:集中力のない、気を散らす。(Scatter:まき散らす))
♦:OK, dad.
お父さん、わかったよ。
【英語こぼれ話】
叱責、指示の使い分け
叱責にも、TPOによる明確な使い分けがある。
1) 母親に叱られるような場合には、My mom chewed me out. (chewed ~ out :~を叱りつける)I told him off.(told ~ off:~を叱りつける)
2) 上司から叱られる場合には、My boss bawled me out.(bawl:怒鳴る)
3) 会社の人事や権威者から公の場で叱られる場合には、I got reprimanded by my superior. (reprimand:叱責する)
などと言う。
また、指示のレベルによっても明確な使い分けがある。
1) 号令をかける場合には、I shout an order.
2) 権威をもつて命令する場合には、I gave them a word of command.
3) 訓令を出す場合には、A set of instructions has been provided.
などと言い、家庭での躾の場合だと、Home Discipline などと言う。 何れの場合においても、Now, listen to me! などと相手の注意を引いて、「貴方は 聞けば解るはず、聞いていないだけなのだ!」と叱責する。相手のある行動に対して 叱責する事は良いが、人格否定は、Character Assassinationとも言われて、パワハラにも繋がるから注意しよう。
八田信男プロフィール
高校生のときから英語に興味を持ち、米軍キャンプに出入りをする。しかし、受験英語と実践の差に愕然とし、その後、生きた英語を学ぶために米国へ留学。シリコンバレーでビジネスマンとして活躍し、コミュニケーションスキルを磨き続ける。現在は第一線を退くも、責任のある立場を兼任。自らが体得した英語によるコミュニケーションのノウハウを広く伝えるべく、八田流英会話道場を設立する。
構成・文/八田信男