留学に必要な英語力を測る
『TOEFL®テスト』解説

『役立つ英語資格』徹底解説!【Chapter.3】

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取材・文/甲斐真理愛(編集部)

 

英検やTOEIC®テストなど、英語力を証明する資格ってたくさんありますよね。ただ、それぞれの資格の違いやその資格が何に役立つのかいまいち分からず、「自分に合った資格を見つけるのは大変」と感じている方も多いのでは? 

そこで、それぞれの運営団体の方に、試験の内容や特徴について詳しくお伺いしました。この機会に、自分にピッタリの資格を見つけて下さい!

 

『TOEFL®』

海外の大学や大学院で学ぶために必要な英語力を測る英語資格テスト『TOEFL®(トーフル)』。1964年のスタート以来、受験者が増加し続け、今では世界で最も歴史と実績のある英語テストのひとつになっています。そんな試験の特徴などについて、TOEFL®テスト日本事務局の方にお伺いしました。

 

――『TOEFL®』の特徴を教えてください。どんな方が受験するのでしょうか?

 

「やはり海外の大学へ留学したいと考える、20歳~25歳くらいの受験者が多いようです。また、大学院で経営学を学ぶためなど、キャリアアップを考える社会人が受験する場合も多いですね。」

(国際教育交換協議会(CIEE)日本代表部 TOEFL事業部 部長 根本 斉さん・以下、同)

 

――では、その試験内容について教えてください。

 

「試験は、“リスニング・リーディング・ライティング・スピーキング”の4技能です。TOEFL®は、他の英語資格のテストに比べて問題文自体の分量が多く、たくさん読めて正しく理解する力が問われます。例えば、英文を読んで要約文を作る問題では、その要約文の文法の順番まであっていないと正解できません。なので、問題の意図をすばやく理解、整理して、そこから要約文を作る。そんな英語の総合力が必要になります。そういった意味で、難易度が高いと感じる方も多いようですが、当協議会HP(http://www.cieej.or.jp/toefl/toefl/data.html)上に、ETS作成のテストの評価基準やサンプル問題などを掲載しているので、学習ツールとして活用すると点数アップにつながると思いますよ。例えば、「リーディングスコアを22点とった人はハイレベルと評価され、具体的にこんなことができていました。また、語学レベルを高めるためには、こんな学習法が有効」などという情報が詳しく紹介されています。

留学に必要なスコアは、各教育機関が設定するのでまちまちですが、大体、50点台〜70点。高いところでは80点台〜100点(TOEFL®は120点満点)程度の語学レベルを要求する教育機関が多いように思います。

TOEFL®の特徴は、“どの国の受験者がどの時点で受けても、公平に評価されたスコアを得ることができるテストである”と言えると思います。それは、TOEFL®を運用するアメリカの非営利教育機関『Educational Testing Service(ETS)』の理念に通じるものでもあります。例えば、天体の動きなどのサイエンス的な事柄は、どの国でも共通の認識を持っていますよね。TOEFL®ではそういった、特定の文化や宗教などに偏らない問題が多く出題されます。逆に、アジアやヨーロッパなど、特定の地域のバックグラウンドをもっていれば試験攻略に有利、などといった問題はありません。そういう意味でも、公平性のあるグローバルスタンダードな試験といえます。

これからの時代は、ますますグローバル競争が進み、アカデミックな学のある英語が求められるシーンが増えてくると思います。評価基準などをおさえて、テストに挑戦してみてください!」

 

難易度が高いと思われがちなTOEFL®も、攻略の手がかりはたくさんあるようですね。TOEFL®で“学のあるグローバルスタンダードな英語力”を身につけてみては?

 

■『TOEFL®(トーフル)』                                        

【申し込み方法】ETS HP上、または、電話、書類郵送で申し込み可能

【申し込み期限】申し込み方法により異なる。オンライン申し込みの場合は原則受験日の7日前まで

【試験日】 年間約40回(主に土・日に実施)

【試験会場】居住地域により異なるが受験者が選択

【受験代金】225ドル

【受験資格】原則誰でも受験可能(但し、受験間隔を12日間空ける必要有)

【必要な個人情報】氏名、住所、メールアドレス、生年月日、出身地

【当日の本人確認書類】原則パスポート

【試験時間】4技能で4時間から4時間半。途中、休憩あり

【スコア】1技能30点×4技能の、120点満点

【試験結果】スコアの確認は試験日から約10日後

【成績証明】テスト前日22時まで、出願先4校まで無料で送付依頼可能

【有効期限】2年間

【公式ホームページ】http://www.ets.org/jp/toefl



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