全くダメな英語が1年で話せた!

アラフォーOL Kayoの『秘密のノート』
著者 重盛佳世さんの“学習のコツ”とは?

話題の英語学習本の著者を直撃! Vol.1

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取材・文/甲斐真理愛(編集部)

 

話題の英語学習本の著者を直撃するインタビュー第1回目に、「全くダメな英語が1年で話せた! アラフォーOL Kayoの『秘密のノート』」著者、重盛佳世さんをお迎えしました。中学生レベルの英語力で、イギリス留学にチャレンジし、現在は、ホストファミリー宅で英国生活を満喫中の佳世さん。そんな佳世さんが、留学生時代に、必死で書き留めた授業のノートをもとにした同書は、英会話初心者を中心に「英語を分かりやすく、楽しく学べる」と大ヒット! その内容のこだわりや出版に至ったきっかけ、留学やイギリスでの生活を経て気づいた、英語学習のコツなどをたっぷりお伺いしました。

 

――もともとは、日本で海外ブランドの広報をしていた佳世さん。なぜ、仕事を辞めてイギリスへ留学しようと思ったのですか?

 

英語が話せるようになったら人生の可能性が広がりそう! と考えたからです。
広報をしていた当時、海外出張や国際マーケティング会議に出席したりなど、英語を使う機会が多かったのに全くできなくて悔しい思いをしていました。ただ、当時は大好きな仕事が最優先の生活を送っていたので、英語を学習する時間がもてなくて。そうこうしているうちに40歳手前になり、「これからは仕事でバタバタするより、少しマイペースに過ごしてみたいな」と考えて、イギリス留学を決意しました。イギリスを選んだのは、以前、仕事で訪れた時に、すごくいい雰囲気の国という印象があったからです。後は、もう十何年と仕事で走り続けていたので、一度日本を離れて人生をリセットしたくて。

 

――思いきった行動ですね!

 

よく勇気あるねって言われます。思い立ったらすぐ行動する性格なので、後先考えずにイギリスに行って、空港についた途端、我にかえったんです。「英語が話せないでこれからどうするんだろ」って(笑)。だって、イギリスに着いた日の夜、すごくお腹がすいていたのに、ホストファミリーに「お腹すいた」って言うことすらできなかったんですよ。その他にも、生活する上で困ったことや疑問に思うことがありましたが、当時は、何も聞くことができない子供状態。そんな英語力で学校に通ったので、レベルが下から2番目のクラスからスタートしました。それなのに、最初の2日3日は先生が何を言っているか、全然分からなかったですね。

 

――学校の授業はどうでしたか?

 

教え方が日本と違うので戸惑いました。例えば、イギリスの授業は、習う内容の順番を気にしないんです。日本の授業だと、全員が揃ってから、「さぁ、今から始めますよ」でスタートして、まずはbe動詞から始めて、その後に助動詞を勉強して……とか、習う順番があるじゃないですか。そうやって、全員が同じことを順序だてて習うのですが、こっち(イギリス)の授業は1~10までやることがあるとしたら、私がイギリスの授業に出席したときには、もう123は終わっていて4からスタートする状態で。順番に覚えていくというより、その時その時で学べるものを学んでいくスタイルなので、出席したタイミングによるヌケも多かったです。

 

――でも、順番通り習わないと理解できないですよね?

 

ですよね! 私も授業で習った内容の順番がバラバラで、ヌケがあるのが気持ち悪くて(日本人だなぁってつくづく思いました)。ですから、順番やカテゴリを整理してノートにまとめ直していました。それである時、「can」や「must」などの助動詞を全部ピックアップして、過去形だとこう変わって、否定形になるとこう変わる……、という一覧表を作ってクラスのみんなに見せたんです。そしたら「これいい、分かりやすいね!」と言ってもらえて。それを見た先生も、分かりやすいからって授業で私のノートを使うようになったんですよ!

 

ノートのまとめ方は全部自分流です。例えば、「おいしい」ひとつとっても、「delicious」とか「nice」とか、表現にいろんなレベルがあるんです。で、そのレベル別にまとめた表などを先生に見せて、意味が合っているのか確認して、どんどん自分流の表を作っていきました。

 

――そんなオリジナルノートを、『秘密のノート』として出版したきっかけは?

 

豊かな英語表現をしたい! という自分の探究心が、秘密のノートを作りあげたのだと思います。私、イギリスにきてからも、本当に英語を覚えられなくて……(苦笑)。でも、負けず嫌いだからなんとか覚えられないかと考えてあみ出したのが、授業のノートをまとめて、表やグラフにする方法だったんですね。今でも、日常生活で英語の使い方が分からなくなった時に、サッと秘密のノートを取り出してチェックしています。そんな風に、“英語が分からない時のお助けブック”として皆さんにも使っていただければありがたいなと思います。

 

あとは、私が英語を覚える時に、その英語はなぜそういう意味で使われるのかという、言葉の背景というか“理屈”を理解しないと覚えられなくて。だから、その背景や理屈を絵やグラフで表してノートにまとめたんですよ。そういう覚え方って多分、日本人特有だと思うんですけど。

 

――確かに、言葉の意味や理屈をきちんと理解しないと頭に入ってこないですよね。

 

本当にそう! 英語を身につける最大のコツは、“言葉の意味をきちんと理解するまで逃げないこと”だと思うんです。 私は、言葉の意味を理解しないまま使ってしまい、イギリスで不思議な顔をされたことが何度もあります。そんな時は、その言葉のどこが間違っていたのかきちんと聞くようにしていました。聞けばちゃんと教えてくれますから。例えば、パブでビールを渡されて「このグラスからあふれそうになった状態が“too much”で、ちょうどよく満たされている状態が“enough”。満たされていない半分くらいの状態が“not enough”だよ」とか。それで、「あぁ~、なるほどね!」って納得して、身につけていました。
授業でも分からないことがあったら、休憩時間に先生をつかまえて「こう教わったのですが、どうしても分からないんです。もう一度教えてください」とお願いして、先生がマンツーマンで教えてくれてやっと理解する、というのが日常でした。そしたらそれに関連した質問がもっと出てきて、それも納得するまで追求したりして……。とにかく、分からないことをうやむやにしない、放置しないということが大切です。

 

――なるほど。ほかに学習のコツがあるとすれば、どんなことですか?

 

英語を間違うことを恐れないことです。日本人って英語ができないことにコンプレックスを抱いたり、失敗を恐れ過ぎる部分があると思います。でも、日本人だから完璧な英語でないのは当たり前であって、その失敗から学ぶことの方が多いと思います。私なんて失敗エピソードで覚えた英語だらけですよ、それで一冊できてしまうくらい(笑)。
あとは、日本人ってすごく真面目な人種なので、「こんなことを聞いたら笑われちゃうかな、迷惑かな」と考えすぎてしまいがち。そのことが、英語の上達をとめてしまっています。分からないなら、素直に聞けばいいだけです。だって、子供とかは分からないことがあれば「なんで? どうして?」って聞いて学んでいくわけじゃないですか。そうやって、何が間違っていたのか聞くことをやめてしまったら、なんにも学べなくなります。

ただ、私も今だからこんなことを言っていますけど、「自分はなんでこんなに英語が覚えられないのだろう……」とネガティブに考えて、英語の学習がストップしてしまうこともありました。特に、留学している頃はずっとそんな感じで。それが、一昨年、こっちに(イギリス)に来たときに、割り切れたんです。「英語ができる風な日本人を演じて、カッコつける必要はない。私は日本人だから英語ができないというのはみんな知っているし、間違えて当たり前じゃん」って。そう思えたときから自然と英語が身についていったし、コンプレックスを感じず生活できるようになりました。 だから、あの人はあんなに英語ができるのになんて、人と比べたり、覚えられないのを年齢のせいにしちゃうのもNG。できない理由をネガティブに考えずに、好奇心をもって楽しく勉強すれば、英語は身につきますよ!

 

■プロフィール
重盛佳世(しげもり・かよ)
1969年長野県生まれ。美大を卒業後、大手スポーツアパレルメーカーに入社。広報として、多くの海外ブランドの宣伝やPR業務に携わるも、英語力が無いばかりにくやしい思いをしたことも多々。その後、40歳を目前に退社しイギリスに留学。コンコルドインターナショナルに入学して、英語の楽しさと、イギリスそのものに魅了される。現在は、ホストファミリー宅にてイギリス生活を満喫中♪

 

●佳世さんが留学した『英国コンコルドインターナショナル』HP
http://jp.concorde-int.com/


●佳世さんの学校訪問記事が読める『英国コンコルドインターナショナル』のブログ

http://jp.concorde-int.com/blogs/kayo-book.html/

 


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