前回に続いて、可算名詞の冠詞を取り上げます。冠詞は学習が進んでも、なかなかスッキリとはわからないやっかいな文法のひとつですね。基礎をしっかりと掴むことから始めましょう。

定冠詞: the

theは定冠詞と呼ばれ、基本的に、それがひとつしかない場合や、複数であっても、ほかには無い場合に用いられます。

たとえば、太陽という天体はこの世にひとつしか存在していないので、the sunと常にtheがつきます。これは分かりやすいですね。

可算名詞の定冠詞と不定冠詞

しかし、多くの可算名詞は、場合によって不定冠詞a(an)と定冠詞theを使い分けます。
不特定な場合は不定冠詞a(an)、特定なら定冠詞theです。

１ There is a dog in my neighborhood.
意味：うちの近所に犬がいます。

犬という動物はたくさん存在していて、その中の１頭なのでaが付きます。
この犬はこの話（文章）の中で初めて出てきたということで、話のこの時点で「犬」は特定の犬ではありません。

では、この話の続きで「その犬は人懐っこいんですよ」と言いたかったら、どうなるでしょうか。

２ The dog is friendly.

例文２では、「今話に出てきた犬」「私の近所に住んでいる犬」ということで、「犬」はこの時点で世界に一頭しかいない「その犬」を指しています。

「近所に犬が複数いる」と言いたければ、

There are dogs.

となります。では、「その犬たちは人懐っこい」だとどうなるでしょう。

The dogs are friendly.
意味：その犬たちは人懐っこい。

近所にいる「その犬たち」というグループは、ほかの犬たちとは違う特定のグループなのでtheを使うことになります。

練習問題

空所にa, an, theのいずれかを入れてください。

１ I have ( ) cat. ( ) cat is fat.
２ ( ) earth is round.
３ I have three birds. ( ) birds are small.

解答・解説・和訳

１ a, the
和訳：私は猫を飼っている。その猫は太っている。

２ the
和訳：地球は丸い。
-太陽と同じように、地球もこの世にひとつしかないのでtheが付く。

３ the
和訳：私は鳥を３羽飼っている。その鳥たちは小さい。

ライタープロフィール●外国語人
	英語、フランス語、外国語としての日本語を教えつつ、語学力に留まらない読む力、書く力を養成することが必要であると痛感。ヨーロッパで15年以上暮らし、とりあえず帰国。この世界の様々な地域で日常の中に潜む文化の違いが面白くて仕方がない。子育て、犬育て中。TOEIC®985点 https://www.znd-language.com

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