英語学習カウンセラー・西澤ロイが語る
『頑張らない英文法』の学習法とは?
文法の理解こそ英語を“使いこなす”ための近道!
ロングセラー書籍『頑張らない英語学習法』著者の、“納得!! 英語学習カウンセラー”西澤ロイさん(インタビュー記事はコチラ⇒西澤ロイさん「英語上達のカギは“納得”すること」)が、新たに『頑張らない英文法』を出版。TOEIC®満点の西澤さんが見つけた、文法力を上げるためのポイントとは? 今回、西澤さんご自身にお話を伺いました。
――『頑張らない英語学習法』の続編として発売された『頑張らない英文法』ですが、英語学習のなかでも「文法」をテーマとして選んだのはなぜですか?
数年前、中学生に英語を教える機会があったのですが、その時に、中学校で行なわれている英文法の教え方が昔と全然変わっていなかったことを知り、衝撃を受けたんです。今までの日本の英語教育は、文法のルール暗記や、英訳・和訳のための知識を詰め込む作業が重視されていました。しかし現在は、ネイティブ感覚についての書籍がたくさん出るようになり、世の中的にも“訳す”や“暗記する”だけではなく、英語を“使う”ための学習に変わりつつあります。でも、15年前も今も、中学校の英語教育が全然変わっていなかった……。そんな現状を目の当たりにし、これは何とかしなければと思い、社会人はもちろん、英語の先生にも役に立ち、そして中学生も読める学習本を作ろうと思い、『頑張らない英文法』を執筆しました。
――英語を“使える”ようになるために「英文法」の理解が大切なのはなぜですか?
文法は「言葉の使い方そのもの」だからです。ただし欠かせないことは、文法書などを読んで知識を蓄えることではなく、文法を“理解”し、実際に“使える”ようにすることです。
文法は暗記科目ではありません。例えば日本語の文法を、日本人である私たちは暗記していませんよね。「助詞の“が”には3つの用法がある」みたいな話は聞いたことがないでしょう。それは、誰もが言語を感覚的に理解しているからなんです。
変な例えに思えるかもしれませんが、「犬」という動物の理解も同じことです。「犬にはこんな特徴がある」と習って覚えた、という人はおそらくいないと思います。犬を実際に見たり、触れ合ったりして、犬を理解したのではないでしょうか。
例えば以下のように犬の特徴の説明があったとします。
・4本足の哺乳類
・ワンワン鳴く
・(しつけると)お座りやお手をする
・うれしいと尻尾を振る
このように言葉でいくら説明をしても、理解できるのは、既に犬を知っている人だけなのです。つまり重要なのは、犬の実体を感覚で掴むこと。英語も全く同じです。「英文法」のいろんな項目を学ぶよりも、まずは「英語の考え方の根本的なところ」を掴むことをオススメします。
――「英語の考え方の根本」とは、例えばどのようなことですか?
例えば、英語は日本語と語順が逆なので、日本語の語順に並び替える「返り読み」が従来の教え方でした。でも本来は、ネイティブがしているのと同様に、英語の語順の通りに理解すべきですし、それは誰にでもできることです。例えば、「I went to a bookstore yesterday.」と「Yesterday, I went to a bookstore.」ではニュアンスが大きく異なり、ネイティブは確実に前者を選びます。「時」というものは脇役に当たる情報ですから、後に言うのが自然なのです。そのことを理解していれば、感覚的に前者を選択するはずなのです。他にも、「I have eaten lunch.」のような英文があった時に、「これは現在完了形だ」と分かる人はたくさんいらっしゃるでしょう。しかし、「なぜ現在完了形が選ばれているのか」「過去形で I ate lunch.と言うのとはどう違うのか」、そこが分からなければうまく“使う”ことができませんよね。
――確かに、根本が分からないとただの暗記になってしまい、英語の苦手意識が加速する気がします。
そうですね。従来の英語学習は、やや研究的な傾向があったので、「難しい」とか「嫌い」と思っても仕方のないものだったと思います。でも本来、英語は暗記すべきものではなく、直感的に感覚で理解できるものなんです。ですから、「○○には用法が3つある」などと分析的に捉えるのではなく、感覚的に掴むことをオススメします。英語を感覚で掴めると、「英語っておもしろい!」と自然と思えますよ。
――では最後に、「頑張らない英文法」をどのような人に読んで欲しいですか?
本書は「英文法」と銘打っていますが、難しいことは全くありません。「中学生1年生の秋に、単語や文法の暗記で英語に嫌気がさしてしまう前に読んでほしい本だ」というご感想をいただいています。ですから、「英語をもっと楽に学びたい」と思っている方々にぜひ読んでいただきたいです。内容としても、be動詞、語順、itとthat、前置詞など基本的かつ、応用のきく重要な部分の解説をしています。中学校の教科書で出てくる順番で解説してありますので、抵抗なく読めるはずです。そして、お読みいただいた後には、英文を読んで文法を実際に味わってみていただきたいです。そうすることで、英文法への理解を深めていって下さい。そして、本書を通じて英文法の「本当の姿」を理解することができたら、英語への苦手意識は薄れますし、難しいともあまり思わなくなるはずです。英語を実際に使うことで、より大きな世界・ステージでご活躍いただけたらうれしいです。
西澤ロイ(にしざわ・ろい)
TOEIC®テスト満点の“納得!! 英語学習カウンセラー”。「英語の上達法」「英語の考え方」の専門家。「英語感覚」や「英語の考え方」を分かりやすく日本語で伝えるスキルには定評がある。著書に『頑張らない英語学習法』『頑張らない英文法』(共にあさ出版)、『英語を続ける技術』(かんき出版)。
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◆応募締切:2014年3月16日
◆当選通知について:全応募者の中から厳正な抽選のうえ当選者を決定します。
当選者の発表は賞品の発送をもってかえさせていただきます。
◆注意事項
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構成・文/齋藤悦子(編集部)