超合理的アメリカン・キッズの学習法は
プリントを捨て、ノートも取らない?
Kids Are all right〜アメリカの良い子・悪い子・普通の子〜
●日本とは違う、ちょっと変わったアメリカの学習法
次に、アメリカン・キッズたちの、ちょっと変わった学習法を紹介しましょう。
私が教師をはじめて驚いたことのひとつに、手ぶらで来る生徒が多いことがあります。鉛筆も、ノートもな~んにも持って来ません。
たしかに、当校の授業スタイルは“immersion”形式(没入法、ターゲット言語で授業を行う)で特定のテキストを使わず、“activity”(ゲームや工作など)を通じて言葉を学んでいくのが中心です。しかし、文字を書く練習をしたり、ノートを取ったりして欲しい場面もあります。
▲粘土を使った学習風景
また、その日に配った“handout”(プリント物)や“work sheet”(練習用紙)を置いていっちゃう子もいるのです。持って帰らせようとすると、「いらない」と言うんですよね。「おうちで復習する習慣がないのかしら」と思います。
しかし、これはうちのような「語学教室」に限ったことではありません。私は“Community College”(日本の短大のようなもの。カルチャー・スクール的に気軽に習いたい授業だけ受けるのも可能。ここで基礎的な単位を取った後、大学に編入する生徒も多い)に通ったことがありますが、そこにも筆記用具もテキストも持ってこない学生がたまにいました。また、講義中、熱心にノートを取る生徒に至っては、半数いるかいないかです。
日本ではちょっと想像つかないかもしれません。ですが、ピクサー・アニメーションの『モンスターズ・ユニバーシティ』を観た方なら、水玉模様のデカぶつモンスターのサリーが、モンスター大学の講座初日に手ぶらで来て、隣の学生に鉛筆を借りていた場面をご存じでしょう。サリーみたいなノンシャラン(無頓着、のんき)とした学生がゴロゴロいるのです。
では、この学生たちはアメリカで問題視されているかというと、“Laid back”(ゆったりのんびり)と称し、肯定的ライフスタイルとして許容されているのでびっくりです。
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