表現の幅がグッと広がる!
“色”にまつわる英語表現

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構成・文/和田鈴香(編集部)

 

「アイツ、まだまだ青いよね~」「赤っ恥をかいた!」なんて、日常会話で何気なく使っている“色”にまつわる表現。実は、日本と同様に、英語圏でも色にまつわる慣用表現がたくさんあります。そんな、“イディオム”と呼ばれることわざや慣用句、熟語の数々を色別にご紹介! 知っておくと、表現の幅がグッと広がりますよ。

 

○White

white lie(ホワイト・ライ):悪意のない嘘

このイディオムは「人を傷つけないためにつく嘘」のことをさします。「純潔」「潔白」「真実」など、プラスのイメージで使われることが多い“white”が、嘘という単語のマイナスイメージを打ち消しています。「嘘も方便」ということわざに近いニュアンスで使える表現ですね。

“She told a white lie to protect her family.”で、「彼女は家族を守るために罪のない嘘をついた」といった使い方ができます。

 

white elephant(ホワイト・エレファント):無用の長物・持て余し物

その昔、タイでは失脚させたい敵に、神聖視されている白い象を贈っていました(タイには実際に白象がいるんです! かなりレアですが……)。もらった相手は、象が要らないからといってぞんざいには扱えないため飼い続けるしかなかったそうです。そのため、象の飼育費用がかさみ、経済的に破綻してしまうことから、「(お金のかかる)やっかいな物」という意味で使われるようになったそう!

“Such a big gift is a white elephant to us.”で、「こんな大きな贈り物はありがた迷惑だ」といった使い方ができます。

 

white as a sheet(ホワイト・アズ・ア・シート):恐怖やショックで血の気が引く

「シーツのように真っ白」という字面の通りに、さっと顔色が変わることを意味しています。「顔面蒼白」という四字熟語を連想させるイディオムですね。

“She went as white as a sheet with fear.”で、「彼女の顔は恐怖で血の気が引いた」といった使い方ができます。

 

●Black

black day(ブラック・デー):最悪の日

プラスイメージをもつ“white”とは反対に、“black”は「邪悪」という意味合いをもつことに由来しています。ちなみに韓国では、「ブラックデー」という記念日が4月14日にあります。なんでも、バレンタインデーやホワイトデーに恋人ができなかった者同士で集まって、黒い衣服を身に着け、黒い飲食物を口にする日なのだそう。

“We'll never forget the black day that he died.”で、「私たちは彼が死んだ最悪の日を忘れないだろう」といった使い方ができます。

 

black sheep(ブラック・シープ):やっかい者

昔は黒い羊の羊毛は染める技術がなかったため、白い羊毛と比べて価値が低く扱いにくかったことが、このイディオムの語源です。ロシアでは「白いカラス」という表現が、同じく「やっかい者」を意味しています。“目立つ者はやっかい”とも感じられるこの表現は「出る杭は打たれる」という日本的な感覚に共通するものを感じますね。

“He is the black sheep of the family.”で、「彼は家族のやっかい者だ」といった使い方ができます。

 

●Red

see red(シー・レッド):カッとなる・激怒する

闘牛が赤い布を見ると怒り出すことからできたイディオムです。似たような表現の“a red rag to a bull”は「人の怒りをかうもの」という意味です。

“I don’t understand why he sees red.”で、「なぜ彼が激怒しているのかわからない」といった使い方ができます。

 

red eye(レッド・アイ):夜行便

夜行便ではなかなか寝付けず、睡眠不足で目が赤くなることに由来しています。ちなみに、英語圏ではビールにトマトジュースを加えたカクテルの他にも「レッドアイ」と名前のついた飲み物が複数あるそうなので、海外で注文する際は勘違いしないよう注意が必要です!

“The only flight available is a red eye flight next week.”で、「乗れそうなフライトは来週の深夜便だけだ」といった使い方ができます。

 

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