英国ではさりげなく読む新聞で
あなたは格付けされている
日本人の知らない海外就職で本当に必要なスキル
一般紙も専門誌も未だに男性向けの日本に比べ、英国の新聞は国とジャーナリズムと政治の歴史が奥深く、男社会だった昔に比べて現代の新聞は性別関係なく読書層に広がりを見せます。
英国では、さりげなく読んでいる新聞が人の50%をもの語ると言われています。新しい職場に新聞片手に出勤……なんてしていると知らず知らずのうちに友達が決められていきます!
最近ではフリーペーパー、媒体のデジタル化、SNSが便利なので日々わざわざ新聞を購入して読む方は減ってきており、週末の特大号だけとっているという人も多いですよね。会社が定期購読しているので会社で読むという人もいますね。
日曜日は、数時間コーヒーをすすりながら特大号を読むというオールドファッションな過ごし方も人気です。
新聞は大きく分けて2タイプ。
安く、内容も話題作り目的が多くゴシップや娯楽の記事が多い、格付けが一番下の大衆紙。ザ・サンなどがこのカテゴリに入ります。発行部数がダントツです。日本のYahoo! などのニュースサイトにもよく出てきます。セレブのゴシップもハリウッド俳優ではなく、ローカルやテレビドラマの俳優。
そして中級階級のデイリーメール紙。時事記事が否定的な内容が多く、根拠が薄いガン関連の記事や、動物ネタも多いのが特徴。海外ニュースがでるとオンライン読者の反応は話題に関係なく差別のコメントが殺到。こんな媒体の態度が社会からの反感を買い、スポンサーとの争いも目立ちます。英国離脱のときには読者の大半がOUTに一票を入れたのだとか。
そして上流階級の新聞媒体たち。値段も高めでそれぞれ政治的見解も異なるのが特徴です。
どれだけ高いのかといいますと、ファイナンシャル・タイムズは日刊で£3.00(430円)。週末特大版は£4.30(620円)になる週も。大衆紙は日刊で40p(60円)なので、比べても5倍の価格です。
ここまでくると、日本の新聞とは感覚が異なってくるのかもしれませんね。
読む(持つ)新聞で格付けされると、各媒体のステレオタイプをちらっとご紹介。
(個人意見ですが、そこまではずれていないはず)
ガーディアン *労働党・自由民主党;左寄り
料理をしないけれど食に興味があり、趣味は美術鑑賞または読書の読者たち。エコ好き、キヌア好き、オープンでLGBTサポーター。
週末に郊外のオウチに呼ばれると、暖炉の燃えるリビングに新聞が重なり置かれている。たいていクロスワードが半分終わっているだけで、新聞の内容は読まれていないことが多い。
テレグラフ *保守党;右寄り
これといってあまり特徴がないテレグラフ紙の読者。普通のステレオタイプ。どちらかというと内向的。テレグラフ紙にこだわりはなく、なんとなーく読んでいる。
ファイナンシャルタイムズ *自由民主党;-
大手金融社や空港ラウンジに山積みされているピンクのブロード紙。読者の多くが金融系。勤務中はスーツだけれど、オフにテイストのなさが残念なのもこのグループ。たまにジャージで運転手付きの高級車から手ぶらで、この新聞だけを持って降りてくる大物とかがいる。
タイムズ *保守党;左より
この読者と議論するとややこしくなる。どちらかというと頭脳派が多く、色々とこだわりを持っているタイプが多い。列記とした上流階級の読者が多いのも特徴。クロスワードも上流紙の中では難問中の難問。
いかがでしたか?
どのメディアのフィルターを通して社会と繋がるかで英国では大差がでます。
格付け関係なく、多数のジャーナリズムに触れて自分のアイデンティティや思考を探すことは海外においてとても大切なステップのひとつです。
伊勢 音亜(いせ・おとあ)
英国在住暦22年。社会人暦10年。元コンサルタントの英国人起業家に付き添いVC、スタートアップ、飲食業界、ブランディングなど幅広い業界にて幅広い経験を持つ。現在はロンドン、LEON社にてエンゲージメント、ブランドコミュニケーション、社内報の編集を担当。
「人を動かす英語術」紹介しているブログもチェック→ http://ameblo.jp/otoa-ise/