海外の友達との食事で困らない!
日本食とそのマナー:回転すし編
日本の外食マナーをかんたん英語でアドバイス!
「海外から友達がきた!」そんなチャンスには、ぜひ日本食を体験してもらいたいもの。しかし、実際に連れていってみると、マナーやメニューの説明を英語で伝えるのは至難の業です。特に、食べ物については、アレルギー体質の人もいるので、きちんと説明したいところですよね。そこで、そんな「困った」に役立つマナーやメニューを英語で紹介しちゃいます。ジャンル別に紹介しますので、ぜひ参考にしてください。もちろん、店舗を営業している人も必見です。今回は回転寿司編です。
◆ 入店から着席まで
まず友達を案内するのに、回転寿司の説明が必要ですね。
●コンベアに載ってまわっているお寿司を、自分でとって食べる店です
“This restaurant is the place where you pick sushi from a rotating conveyor belt.”
次は入店。回転すし屋は、人気店になると好き勝手に席に座れないケースもあるので、店員が席へ案内してくれるのを待つよう伝えましょう。もし、友達が店員にチップを渡して良い席を得ようとしたら止めてください。
●店員の案内を待ってください
“Can you wait for a server to get into a restaurant. ”
席についたら、食べ物に向かって咳やくしゃみをしてはいけないことを説明しておきましょう。これは、日本人でもやる人がいるので、とても困ります。
●食べものに、咳やくしゃみを吹きかけないでください
“Please refrain from sneezing or coughing on the dishes.”
◆ 事前準備
次は食べる準備です。注意しなければならないのが、お茶を作るときにお湯を出すアレです。誤って手でも洗おうものならヤケド必至ですので、事前に使い方を教えてあげることが大切です。なお「お茶」が寿司屋だと「アガリ」と呼ぶことも、併せて教えてあげると喜ぶかもしれません。
●まず、自分でお茶を作りましょう
“First, let’s make yourself a cup of tea.”
●湯呑にティーパック(粉末茶)を入れて、この機械でお湯を注ぎます
“Place a teabag (or green tea powder) into a teacup, and pour hot water from the faucet.”
●お寿司屋さんでは、お茶は「あがり」というスラングで呼ばれます
“The green tea served at sushi bars is called ‘agari.’”
次は、醤油の準備です。最近では醤油専用の小皿が用意されているケースがほとんどです。ですが、昔のように自分が食べた後のお皿を流用する場合は、説明が必要ですね。ここでも醤油が「むらさき」と呼ばれることを教えてあげましょう。
●小皿に醤油を入れます
“Pour soy sauce into a small plate.”
●醤油を入れるお皿はありません。自分が食べた後の皿を使います
“There is no soy sauce dishes. We put it in the used plate.”
●醤油は「むらさき」というスラングで呼ばれます
“The sushi slang for soy sauce is ‘murasaki.’”
最後はガリです。これはどのような食べ物か説明してあげましょう。
●これはガリといって、しょうがをスライスしたものを酢、砂糖、塩で漬けた食べ物です
“This is ‘gari’, a thinly sliced ginger pickled in sweet vinegar, sugar and salt.”
●口直しに食べます
“It is eaten to freshen your mouth”
●無料で好きなだけ食べて大丈夫です
“You can eat as much as you want,it’s free.”
お箸の使い方についての説明が必要な場合は、言葉よりも実演するのが早いと思います。どちらかというと、お寿司は手で食べることを教えてあげてはいかがでしょう?
●日本にはお寿司を手で食べる文化があります
“In Japanese culture, sushi can be eaten by hand.”
◆ すし皿の取り方
いよいよ食事開始です。簡単そうに見えて、ここからが大事かもしれません。少なくとも3つのマナーを教えましょう。1つ目は「寿司だけをとらないこと」。2つ目は「席を離れて寿司をとりにいかないこと」。3つ目は「とった皿を戻さないこと」です。3つ目は想像つくのですが、最初の2つは、日本人だと気づきにくいアクションです。必ず説明しましょう。
●寿司だけとらず、お皿ごととってください
“Please don’t grab sushi itself but with the plate.”
●席を離れて、お皿をとりにいかないでください
“Please don’t leave your seat to go grab sushi dishes.”
●一度とったお皿は、レーンに戻してはいけません
“If you pull a plate off the line, you can’t put it back.”
この3つを説明したあとは、選びかたのアドバイスもしてあげましょう。そのアドバイスとは皿の色によって値段が違うことです。均一料金の店ならよいのですが、万が一高い皿ばかり選んでしまったら大変です。以下の説明をしたうえで、お皿を指さして値段を言ってあげましょう。「柄が派手なものほど高い」という説明もよさそうですが、派手の認識が違う場合もありますので、やめておいたほうが無難です。
●お皿の色(種類)によって値段が違います
“Prices differ depending on the colors (or patterns) of sushi dish.”
◆ お寿司の種類
お皿の取り方をマスターしてもらったら、ネタの説明をしてあげましょう。代表的なものをいくつかチョイスして紹介しています。
●マグロ
“tuna”
●ヅケは、マグロを醤油につけたものです
“‘Zuke’ is tuna marinated in soy sauce.”
●トロは、マグロの脂のった部分です
“Fatty tuna is the fatty part of the tuna.”
●鉄火巻きは、マグロを海苔で巻いたものです
“Tuna roll is raw tuna slices and rice rolled in laver.”
●ネギトロは、トロとねぎを混ぜたものです
“Negitoro is the minced fatty tuna with raw leek.”
●イカ
“calamari (or squid)”
●タコ
“octopus”
●いくら
“salmon roe”
●ウニ
“sea urchin”
●アナゴ
“conger eel”
●エビ
“prawn (or shrimp)”
●甘エビ
“sweet shrimp”
●ヒラメ
“turbot”
●サバ
“mackerel”
●タイ
“sea bream”
●シャコ
“mantis prawn (or mantis shrimp)”
●玉子
“egg (or omlette)”
●ホタテ
“scallop”
●赤貝
“ark shell”
◆ ワンランク上の食べ方、楽しみ方
実際に食べ始めると、シーンによって説明が必要な場合もあると思います。たとえば軍艦巻きの食べ方。別に逆さにして醤油に着けても良いですが、上に醤油を垂らすほうが食べやすいです。ただし、醤油を垂らしやすいかは別問題ですが……。ほかにも、アナゴのように逆に醤油をつけてはいけない寿司もあるでしょう。また、自発的に注文したい友達もいるはずです。そんな例をいくつか集めてみました。
●食べ終わったお皿は、重ねてください
“Please stack the used dishes.”
●そのタイプのお寿司は、上から醤油をかけるとよいですよ
“It would be better to put soy sauce directly on sushi with that type of plates.”
●そのお寿司は、味がついています
“The sushi is already cooked and seasoned, so you don’t have to dip it in soy sauce.”
●回っていない寿司は、注文できます
“If the belt doesn’t have what you want, you can make an order.”
●壁に、本日のおすすめメニューがあります
“Check out today’s special on the wall.”
●ドリンクや味噌汁なども注文できます
“You can also order drinks or miso soups.”
●わさびは食べられますか? わさびはホースラディッシュのようなものです
“Can you eat wasabi? It’s like Japanese horseradish.”
●日本のわさびは、海外のわさびと違ってとても辛いです。覚悟してください
“Japanese wasabi is much more spicy and hotter than foreign one, so please be careful when you eat it. ”
◆ お会計
会計時の注意点としては、席にいてお皿を数えてもらい伝票をもらう店なのか、帰ることを伝えるだけでレジに行っていいのかの違いだけです。いずれにせよ「お会計」と言ってから、店員の挙動を見て、どうするかを伝えてあげます。あとは、日本の文化として職人さんに「ごちそうさま」を言うことを伝えてもいいですね。
●店員がお皿の数を数えてから、レジに行きましょう
“Let the server to count the plates first, then we go to the cashier.”
●職人に「ごちそうさま」と言いましょう
“It would be great to tell ‘Gochiso-sama’ to the sushi chef.”
以上で回転寿司店は終了です。店舗によってはハウスルールもありますが、そもそも一度も行ったことのない店を案内しないと思いますので、おおむねカバーできるはずです。ぜひ、友人の日本旅行をエンジョイするお手伝いをしてください!
翻訳/金明香 構成・文/さいとうよしかず(編集部)