No thank you.はちょっと失礼かも
「感謝」しながらソフトに断るには?

デイビッド・セイン先生が教える
ヘンな日本人英語を使える英語に

英語が母国語でない相手とやりとりすることも多い人なら、ビジネスシーンでも使いたいのはシンプルで分かりやすい、簡単な英単語や英語表現ですよね。その簡単な英語の中にも、日本人が言ってしまいがちな間違い英語や、表現をちょっと直すだけでスマートなビジネス英語になる表現があるんです。

そんなビジネス英語表現を、人気英会話講師である、デイビッド・セイン先生に教えてもらいます。誰でも身に覚えがありそうな、ケアレスミスを減らして、スムーズなビジネスコミュニケーションしてみましょう。


第2回 オフィス

ちょっとの差で全然違う! 好感の持てる断り方って? 


 

イマイチ英語 No thank you.

結構です


イチオシ英語
 Thanks, but no thanks.

ありがとう、でも結構です

 

No thank you.はそっけなさ過ぎることが多いんです

忙しそうなあなたを見て、同僚がDo you need a hand?(手伝おうか?)と声をかけてくれたら、あなたならなんと答えますか?答えがYESならThanks. That would be great.など。反対にNOなら、No, thanks you.が定番ではないでしょうか。しかし、実はNo, thank you.だけだと、言い方によっては「けっこう!」と相手をはねつけるようなニュアンスに取られてしまう危険があり、あまりおすすめできません。

「断る」という行為はなかなか相手に気を遣うものですよね。日本語でも、「結構です」とだけ言うのはあまりにもそっけないと感じる人が多いと思います。まずは、「ありがとう」と相手の好意に感謝を述べてから、「でも、大丈夫ですよ」のように続けるのが一般的ですよね。英語でも同じです。Thanks, but no thanks.なら、最初にお礼を言っているのでソフトに断る感じになる上に、断りたいという自分の気持ちははっきり相手に伝わります。

  

アメリカ人もNOと言えない!?

ちょっと話は脱線しますが、「アメリカ人はいつでもNo.とはっきり言える人たち」というイメージをお持ちの方は多いかもしれません。しかし、それはかなり「言いすぎ」と言わざるをえません。たとえば、アメリカ人女性がある男性にデートに誘われたとします。その男性がどんなにタイプとは違っても、単にNo.(イヤ)と言ってつっぱねることができる人はかなりまれです。やはり断るというのは気が引けるもので、たとえそれがウソでも「予定があるから」「ダイエット中だから」という理由をつくって断るのが普通だと思います。

  

自分がNo Thanks.と言われたら、どう答えるべき?

次に、あなたが先ほどの同僚だとして、手伝いを申し出たとします。相手にThanks, but no thanks.と言われたときの返しフレーズの例を見ていきましょう。

 

Are you sure?

ほんとに?

*念押しする時の表現です。

 

Okay, let me know any time when you need help.

分かった。手を貸して欲しい時はいつでも言って

*「いつでも頼んでもらっていいよ」というひと言がとてもフレンドリー。

 

 

関連表現

その他の「断り表現」をチェックしましょう。

 

No thanks, but thanks for asking.

結構です。でも、聞いてくれてありがとう

 

Thanks, but I’ll pass this time.

ありがとう。でも今回はやめておくよ

*「やめておく、遠慮する」という意味のpassを使った表現。誘いを断る時のひと言。

 

That’s very kind of you, but I’m okay.

親切にありがとう。でも、私なら大丈夫です

*That’s kind of you.で、相手の好意に感謝するフレーズになります。

 

I’m really sorry I already have a plan that day.

ごめんなさい。その日は予定があるんです

*I’m sorryの代わりにI’m afraidも使われます。

 

 

今日のボキャブラリー

ホッチキス

オフィスで使うモノの名称には和製英語も多く、そのまま言っても通じないことが多々あります。たとえば「セロテープ」。これはアメリカでは一般的にscotch tape(3M社の商標登録)と呼ばれます。「シャープペン」はmechanical pencil、「ノートパソコン」はlaptop、「コンセント」はoutlet、そして「ホッチキス」はstaplerです。

 

構成・文/デイビッド・セイン

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