ネイティブが緊張するSit downは
先生口調? プレゼンなどではこれ!
デイビッド・セイン先生が教える
日本人のヘンなビジネス英語
ビジネスシーンでも使いたいのは、英語が母国語でない相手とやりとりすることも多いから、シンプルで分かりやすい簡単な英単語や英語表現ですよね。簡単な英語の中にも、日本人が言ってしまいがちな間違い英語や、表現をちょっと直すだけでスマートなビジネス英語になる表現があるんです。
そんなビジネス英語表現を2週間に1度、人気英会話講師である、デイビッド・セイン先生に教えてもらいます。日本人なら誰でも身に覚えがありそうな、ケアレスミスを減らして、スムーズなビジネスコミュニケーションしてみましょう。
第17回 プレゼン
脱Sit downで聴衆をスマートに誘導! 場の空気を自分のものにする
イマイチ英語 Sit down, please.
着席!
イチオシ英語 Can everyone take a seat, please?
みなさん、席に着いて下さい
Sit down, please.は先生みたい!?
私はドラマなどでしか聞いたことがないのですが、日本の学校では、「起立」「着席」という号令がよく使われていますよね。アメリカの学校には、このような授業前後に行う「決まりごと」はありません。どのように授業が始まるのかと言うと、冒頭に下記のような「あいさつ」があるだけです。
先生:Good morning, everyone.
みなさん、おはようございます
生徒:Good morning, Ms. Brown.
ブラウン先生、おはようございます
ただし、授業が始まっているにもかかわらず教室をふらふらしていたりすると、先生に「席に着きなさい」と怒られるのは同じです。Sit down, please.というのは、まさにこの「先生や親が子どもに命令する時の言い方」なのです。親が子どもに「ご飯ができたから座って」という時にもよく使われます。pleaseを使っているので一見丁寧な言い方に思えますが、身内以外に使うと失礼に感じる人もいるので要注意です。
Please sit down.=「立ち上がらないで下さい」?
Please sit down.もまた大人同士の会話ではNGと言っていいでしょう。Please sit down.は、pleaseが文末に来るバージョンと少し違って、「立ち上がらないで下さい」、あるいは「お願いだから座って」と注意するようなニュアンスに聞こえる場合があります。
sit downを使ったフレーズとは異なり、(Please) have a seat.は「おかけ下さい」のニュアンスなので、とてもオススメです。来客にロビーや応接室でイスを勧める時に使いましょう。
また、Would you care to sit?なら、イスに座ることを相手に提案するフレーズになります。Would you care to ...?で、「…しませんか?」という提案になるので、例えば同僚や仕事相手と一緒に電車に乗っているときに、「(空いているので)もしよろしければどうぞ」という意味で、この表現をさらっと言えるとスマートですよ。
プレゼンで多数の人に呼びかける時に有効な表現は?
では、本題の「プレゼン」を始める時の声かけについて、話を進めましょう。プレゼン前のように、比較的大人数に対して言う場合は、今回のイチオシ英語Can everyone take a seat, please?などがピッタリです。実は、Please have a seat.などは、接近した少人数に向けて言う分にはいいのですが、大きな声で言う場合や、マイクを通して言うような場合には、誰もが「自分が言われている」と分かるように、everyoneのような言葉を入れて、疑問文で問いかける方が効果的なのです。
関連表現
プレゼン前に使えるネイティブの英語表現はこちら!
プレゼンテーションを始める前の、「誘導」や、「音量、ルール等の確認」に使えるフレーズをチェックしましょう。
□ We have more seats available up here.
まだこちらの方に空いている席がございます
□ Can you hear me back there?
後ろの方、私の声が聞こえていますか?
□ Please don’t hesitate to interrupt me if there’s anything you don’t understand.
わからない点がございましたら、話の途中でもいいのでご質問下さい
*hesitateは「~をためらう」という意味なので、don’t hesitate to ...で「…をすることをためらわないで」ということ。
今回のボキャブラリー
まとめる(要約する)って何て言う?
「まとめる」を言い表す英語にはいろいろありますが、今回ご紹介するのはsum up。文頭で、「まとめると」という意味を表すTo sum upやSumming upなどの形でよく使われます。sumには「合計する」という意味も。なお、「要約」という意味のsummaryの動詞形summarizeも「まとめる」の意味を表します。sumで始まるこの3つ単語、まとめて覚えてしまいましょう!
構成・文/デイビッド・セイン