How much? は○○っぽい!
値段の交渉を上品に言うにはこれ
デイビッド・セイン先生が教える
日本人のヘンなビジネス英語
ビジネスシーンでも使いたいのは、英語が母国語でない相手とやりとりすることも多いから、シンプルで分かりやすい簡単な英単語や英語表現ですよね。簡単な英語の中にも、日本人が言ってしまいがちな間違い英語や、表現をちょっと直すだけでスマートなビジネス英語になる表現があるんです。
そんなビジネス英語表現を2週間に1度、人気英会話講師である、デイビッド・セイン先生に教えてもらいます。今回は「英語で値引き交渉」。日本人なら誰でも身に覚えがありそうな、ケアレスミスを減らして、スムーズなビジネスコミュニケーションを目指しましょう。
第21回 交渉
ちょっとの工夫で言葉に「品」をプラス!ビジネスライクな値段の尋ね方
イマイチ英語 How much?
いくら?
イチオシ英語 How much would this be?
おいくらでしょうか
How much? は○○っぽい!
「価格」の話はネゴシエーションの肝とも言える部分。「交渉」の第1回は、価格を尋ねるときの言い回しを取り上げます。
「いくらですか?」と訊くときの定番フレーズと言えば、How much (is it)?でしょう。もちろん、これは普段の買い物で使う分にはperfectly fine(全く問題なし)なのですが、ビジネス、特に交渉の英語としてはやや「子どもっぽい」「軽薄」といった印象を与える可能性のある表現なのです。
3語足してビジネスライクなHow muchを使いこなそう
値段を訊くときの表現には、ちょっと「くだけすぎ」な印象が否めないHow much?「いくら?」以外にも、「(代金を)請求する」を意味するchargeを使ったHow much do you charge?や「(お金が)かかる」を意味するcostを使ったHow much does it cost?などがあります。
その中でも今回「イチオシ」したいのがHow much would it be? です。このフレーズにはwouldが使われていることから、「もし購入・契約した場合、いくらになるのでしょうか?」という仮定法の形を取っている表現だとわかります。つまり、婉曲的な言い方になるので、より丁寧で品のある感じに聞こえるのです。
「料金」に関する表現と弁護士ジョーク
「料金」「費用」「代金」を表す英語には複数あることはご存知の方も多いでしょう。各単語について、いくつか例を挙げておきます。
cost – (cost) initial「人件費」、labor cost「人件費」
charge – gas charge「ガス料金」、extra charge「追加料金」
fee – admission fee「入場料、入学金」、rental fee「レンタル料金」
rate – room rate「宿泊費」、exchange rate「為替レート」
fare *主に乗物の運賃について使われる – express fare「急行料金」
その他、deposit「預り金」やbudget「予算」といった単語も必須のビジネス用語です。また、「物価」は、priceの複数形pricesで表されるので、「東京の物価」ならprices in Japanとなります。
最後に、ちょっと趣向を変えて、How muchを使ったジョークをご紹介します。弁護士の「価格」を皮肉ったアメリカンジョークです。
A: Are you a lawyer?
弁護士さんですか?
B: Yes.
はい、そうです
A: How much do you charge?
料金はおいくらですか?
B: A hundred dollars for four questions.
質問4つで100ドルです。
A: Isn't that awfully expensive?
それってかなり高いですよね?
B: Yes. What's your fourth question?
そうですね。4つ目の質問は?
関連表現
値引きをお願いしたり高すぎると言いたい時は?
価格交渉で使える表現をチェックしましょう。
高すぎると訴える
□ It seems a little expensive.
少し高いように思います
□ It’s over our budget.
予算を超えています
値引きを要望する
□ Do you think a 30 percent discount is possible?
30%の値下げは可能だと思いますか?
□ If we buy in bulk, could we get 30 percent off?
大量仕入れをすれば、30%オフにしてもらえますか?
今回のボキャブラリー
地味な仕事、裏方仕事ってネイティブは何て言う?
「地味な」を、「報われない、有難く思われない」と考えれば、thankless jobのように表現が当てはまります。あるいは、「地道な努力を必要とする仕事」なら、a job that takes steady effortsなどと言えます。ちなみに、「裏方仕事」なら、background workです。
例文
A lot of what I do is background work.
I want to be a leader of a big project someday.
私の仕事のほとんどは裏方仕事なんです
いつか自分自身のプロジェクトを動かせるようになりたいなあ
構成・文/デイビッド・セイン