【海外NEWS1】アカデミー賞のドレス
海外ニュースが使った英語スラングは?
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海外ニュースから紐解く英語
2月29日、ロサンゼルスのハリウッドで行われた88回目となるアカデミー賞のレッド・カーペットから、ファッションチェックに関する英語をご紹介。有名な女優ふたりが同じ様なドレスを着て来たことがちょっとした話題に。さて、「ドレスはどっちの方が似合うと思いますか。」簡単に言えそうなことでも、現地の英語だと表現がちょっと違う…?
Oops! 似たようなドレスで登場したふたりの女優
今回は日本時間の先月29日、ロサンゼルスのハリウッドで行われた88回目となるアカデミー賞のレッド・カーペットから、ファッションチェックの話題。
人気コメディ女優、また脚本家でもあるティナ・フェイと、『キューティ・ブロンド』や『メラニーは行く!』などで知られる人気女優リース・ウィザースプーンが似たような紫のドレスを来てレッド・カーペットに登場。
ふたりの美女が同じく美しいドレスを着て来たとなれば、「紫のドレスはどっちの方が似合ってたと思う?」と聞きたくなるもの。
実際にそれが見出しや本文に使われていた記事もちらほら…。
英語で「どっちが似合ってた?」と書くなら?
さて、これを英語にするとしたら、どのように書きますか?
英文はいつも「S + V (主語+動詞)」で作られますので、まずは主語、「誰が」を考えます。それから動詞「(何を)どうした」を考えましょう。
この場合、「どっち(ティナかリース)が」、と主語を知りたい=主語がまだ分からないパターンなので、”Who”を使います。「似合う」とは「うまく着こなせたか」、つまり「着た」というのが動詞です。
wear「着る」ではなくて「着た」と過去形になっていることも忘れずに。…ということは”wore”
さらにこの場合は「何を」着たか。「S + V + O (主語+動詞+目的語)」という構成です。
着たのは「紫のドレス」でしたよね。つまり”the purple dress”。
最後に「より上手く」着こなせたか、ということで”better”。
Who wore the purple dress better?
S V O
これで間違いない英文でしょう。
海外でよく使われるファッションスラングは?
では、実際に海外のファッションニュースで配信されている記事を例に見てみましょう。
“Who Rocked the Purple Gown Better?”
誰が紫のドレスをより上手に着こなせたか→どっちの方が似合う?
実際のニュース記事の本文を見てみると次のような単語がworeやdressの代わりに使われているのが分かります。
ひとつめは rock
“rock“はスラングで、「何かを良い結果となるように使う」「間に合わせる」という意味があります。こちらの実際の記事の例では「上手く着た」→「着こなせている、似合う」という意味になるわけです。この単語はどちらかと言えば若い人が、また、年齢に関係なくファッション関係のパーソナリティーやコメンテーターなら使うと思われる単語です。例えば、日常生活の中で60~70代くらいの年代の方に使っても分からないこともあるかもしれませんし、NHKアナウンサーがニュースで使うような言葉ではありません。
例えば、You rock that shirt pretty well. 「そのシャツすっごく似合ってるね」 などと言ったりして、かしこまった感じより、カジュアルな間柄で使われるようなニュアンスになります。
覚えておきたい gown
日本語で「ドレス」と呼ばれる、「パーティーなどの正装に着るロングドレス」は、実はこちらの単語が使われることが多いのです。ですから私たちが普段「ウェディングドレス」と呼んでいるものは、ネイティブはWedding gownと言うのが一般的です。
対してdressは、「ワンピース型の長い婦人服」という意味しかありませんので、フォーマルドレスだけを指すわけではなく、カジュアルなワンピースも含めた服全般に使えます。
おまけコラム
海外のファッションニュースで見るoptって?
もうひとつ、レッド・カーペットのファッションニュースをチェックしていると、よく出てくるのが…optという言葉。こちらはopt to~またはopt for~として、chooseと同意で使えるワードです。実際のニュースでは次のような一文も見かけました。
Both of these lovely ladies opted to rock the same exact color.
ふたりの美女が全く同じ色を選んだ
ちなみに、opt to~またはopt for~はニュースだけでなく会話の中でも使われます。また辞書にはこのような定義が載っていませんが、chooseよりもopt to~またはopt for~は、あることを選ぶのにもう少し時間をかけたようなニュアンスで使われることが多いように思います。
例えば、
We looked at many nice apartments but opted for a house once we saw one.
綺麗なアパートを何件も見て回ったが、結局、一目見て一軒家に決めた
という感じです。chooseを使っても、家を選ぶのに時間がかかったことは文脈からわかりますが、こういうときにoptを使うと時間がかかったというニュアンスを含んで伝えることができます。
それにしても著名なふたりが同じようなドレスを着てきてしまうなんて…。
What are the odds?(その確率は何?→そんな偶然ってある?)
ライタープロフィール●キャッチポール若菜/日英 映像翻訳者
オンラインマーケティング業務に約8年携わり、現在はエンターテイメント系通訳(撮影、収録、リハーサル時の通訳)や字幕翻訳に従事、特に日本の人気ドラマやアニメ、バラエティ番組の英語字幕を多数手がけている。大手英会話学校、私立中学校等で各種英語講座を担当した経験もあり、現在でも法人向け英語研修やエグゼクティブ向け英語レッスンには定評がある。