【海外NEWS6】70歳で出産!? 
間違えやすい、妊娠・出産の英語表現

70歳のインド人女性が第一子出産
妊娠した、妊娠していた違いは?

インドで「自称70歳」の女性が第一子を出産したことが話題になりました。体外受精で無事に出産となった今回のケースは最高齢級の出産と言われています。妊娠・出産の話題は日常的な会話で出てくる話題でもあります。まずは基本的な表現をおさえましょう。

「妊娠する」という英語の表現は?

 今回の記事では一度だけ登場しているpregnantという単語。

 日本語では「妊娠する」という動詞の形をとるのが英語では「妊娠している状態」を表す形容詞なので使い方に注意が必要です。

 例えば「彼女は妊娠した」と、日本語ではS + Vに見えますが、英語ではShe became pregnant.「彼女は妊娠した」と言い、動詞はbecameになるため、S + V + Cの形になります。

 一方、「妊娠していた(前はそうだったけれども今は違う)」と言う場合にはShe was pregnant.「彼女は妊娠していた」なり、becomewasで違いが出てくるので注意して使ってみましょう。

 

She became pregnant.

彼女は妊娠した

 

She was pregnant.

彼女は妊娠していた

➡なにみに、これを応用して「最初の子の時は…」When I was pregnant with my first child...などと言うこともできます。

出典:the guardian 

 

 さて、become pregnantの方は実際のニュース記事内から探して見ましょう。ニュース記事内ではこんなところに使われていました。

The risk to her health of becoming pregnant was no higher than if she had been middle-aged.

「妊婦としての健康リスクは、仮に彼女が中年だったしても同じくらい高かった」(中年で妊娠していても健康リスクには変わりなかっただろう)

 ということなのですが、どのように読んでいったらいいでしょう。

The risk to her health「彼女の健康のリスク」of becoming pregnant「妊娠している状態(pregnant)になる(becoming)」was no higher than「同じくらい高かった」if she had been middle-aged.「もしも彼女が中年であったとしたら」

 このように分解することができます。

 

 

「産まれました」は言えるけど、「産む」って何て言う?

 「私は1998年に生まれました」をI was born in 1998.と言うということは英語の授業で習ったと思いますが、「子を産む」となると、はて…? と考えてしまう人が多いのではないでしょうか。

 今回の記事内にはこの「子どもを産む」という表現が現在形・過去形含め4回くらい出てきています。

Daljinder Kaur gave birth last month「ダルジンダル・コールさんは先月第一子を出産」after two years of treatment using donor eggs「提供された卵子を使った治療を2年間した後」at a fertility clinic in the northern state of Haryana.「〈インド〉北部ハリヤナ州の不妊治療施設で」 give birthという表現です。

 上の記事のようにgive birth「子どもを産む」と言います。She gave birth to twins!「(彼女に)双子が産まれたんだって!」のように使います。

 

 

70歳で子を産めた経緯は...

 さて、この記事。何が驚きってこの母親の年齢です。どうやったら70歳で子が生まれるの? とそこが気になるところです。

 先にも出てきましたが、fertility clinic「不妊治療のクリニック」ありきの妊娠・出産だったようです。

 記事内に6回出てきたIVFという言葉も近年の妊娠・出産というトピックの会話ではよく出てくるようになりました。IVFIn vitro fertilizationの略で、「体外受精」のことです。IVF treatmentともin vitroとも言われます。

 

 先に書いたgive birth「産む」と一緒に使うこともできます。

例)

She gave birth through IVF. 

IVFを経て子どもを産んだ

 

Their first baby was conceived through IVF.

最初の子は体外受精で授かった

conceiveは「身ごもる」という意味で、この文は「最初の子」が主語のため、受身形となり、was conceived「身ごもった」となっています。

 

 

このニュースに対する海外の反応は?

 今回のニュースでは驚き以上に道徳的・倫理的問題を問う声が多く、本人たちは「神様が私達の声を聞いてくれた」と喜びのコメントをしているのに対し、「神様じゃなくて体外受精のおかげ」やら、「そこまでの高齢で乳幼児を育てるのは無責任」など厳しいコメントを目にします。

 インドでは養子を迎えられるのが45歳までということで、今回の記事の夫婦はそれも叶わず、体外受精で自分達の子どもを産むことを選択されたようです。

 日本でも晩産化は進み、厚生労働省によれば、2011年から第一子出産平均年齢が30歳代になり、上昇傾向にあります。不妊治療によって生まれた子どもの数も2004年から2010年までの6年間で約59%とのびています。

 70歳代での出産、みなさんはどう感じましたか?

 

 

ライタープロフィール●キャッチポール若菜/日英 映像翻訳者

オンラインマーケティング業務に約8年携わり、現在はエンターテイメント系通訳(撮影、収録、リハーサル時の通訳)や字幕翻訳に従事、特に日本の人気ドラマやアニメ、バラエティ番組の英語字幕を多数手がけている。大手英会話学校、私立中学校等で各種英語講座を担当した経験もあり、現在でも法人向け英語研修やエグゼクティブ向け英語レッスンには定評がある。

 

 

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