E質問箱【6】苦手な人も5分で解消!
冠詞 a とtheを間違えない方法①
ケンブリッジ大学認定英語教師
ケネス宮本が英語の疑問にお答え
外国人との会話中に、会社での商談の時に、ささいな英語の疑問がわくことってありますよね? そんなあなたの疑問に、ケンブリッジ大学認定英語教師のケネス宮本がお答えします。日頃ふと浮かんだ疑問、ぜひ気軽にメールで質問をお送り下さい。
Helloooooooooooooooooooooooooooo!!
How are things, my friends?
物事のほどはいかがなものでしょうか?^^
今回はこんなご質問にお答えしまーす!
★質問はこちらです^^
冠詞の「a」と「the」のつけ方の違いがいまいちよくわからないんです。
a boy かな~と思って答え見たら the boyだったり…。
冠詞の意味と機能をシッカリ理解すれば間違えない!
おお~、キマシタね!
解消したい疑問ランキングがあるとしたら、確実に上位に入る疑問でしょう。
この、名詞の前につく「冠詞」ってやつは、日本語の文法構造にはない品詞。
だから慣れるまでに時間がかかりがちなヤツらですが、何のためにあるのかが分かれば使えるようになりますよー。
というわけで、「冠詞」を見ていきまショー!(^0^)/オー!
冠詞には、aとtheの2種類があります。
よくある訳し方としては、
a
意味:「ひとつの」、「ひとりの」、「ある」
➡意味でいったらoneと同じ
the
意味:「その」とか「あの」とか
これらを踏まえて、例文を作ってみましょっか。
ご質問にありましたboyを使って。^^
There is a boy in my neighborhood.
うちの近所に、男の子がいてね
He runs every morning, even when it’s raining!
彼は毎朝走ってるんだよ、雨が降ってる時でも!
さて、2番目の文ででてくる He「彼」って、誰でしょうか???
3...2...1...
そう、boy「男の子」と思ったあなたは正しい!
代名詞heが使われてるってことは、それが誰なのか、読んでる皆さんに分かってる、ってことですよね?
そして、さらに正確にいうと、Heってのは、The boyなんです!
「その・男の子」、ということ。
つまり、「the+名詞」は「代名詞とおなじ感覚」をもつものなんです。
「もうすでに話のなかに登場してる人や物事」に、theがつくんですねー。^^
誰・何なのかを特定できる人・物事であることを示すので「定冠詞」と呼ばれます。
一方で、最初の文での「男の子」がa boyになってるのは、聞いてる側にとって、その男の子が誰なのか分からないからです。
「ひとりの男の子」、「ある男の子」、ということ。
誰・何なのかを特定できない人・物事を示すので、aは「不定冠詞」と呼ばれます。
ミスをなくせば会話が格段にスムーズになる、あるある冠詞の間違いとは
例えば、あなたは友達と話していて、前の日に観た映画のことを思い出しました。
その映画のことを話題にだすのは初めてだから、
Oh, I saw a movie yesterday.
あ、昨日映画を観たよ
すると友達は、
Yeah? What movie?
そうなの? どの映画?
なんて返してきて、会話が流れるわけです。
ところが、全く同じ場面でtheを使って、
Oh, I saw the movie yesterday.
と言ったとしますと、お友達は困惑して、
The movie? What movie?
あの映画? どの映画?
なんて反応をするかも知れません。
「何か映画の話してたっけ?」といった感じに。
もし、ふたりのあいだで過去にその映画の話をしていて、共通の事柄になっているのであれば、theがピッタリきますよー。^^
もうひとつ、その会話例も作ってみましょう。
例えば、あなたは先日、友達から勧められて名作「ローマの休日」を観たとします。
そのことを次に会った時に伝えると、
You: Hi! How are you doing?
あなた:やあ!調子どう?
Friend: Hey, not bad. How are you?
友達:やあ、悪くないよ。そっちはどう?
You: I’m fine. And hey! I saw the movie!
あなた:元気だよ。そんで、ねえ! あの映画観たよ!
Friend: Oh, Roman Holiday? You did! Did you like it?
友達:ああ、ローマの休日? 観たんだ! どう思った?
You: I liked it very much! It’s a sweet movie!
あなた:すごく良かった! 素敵な映画だね!
なーんて会話になるでしょう。
すでに話をしていたので、「あの映画」といえば「その映画」って状態だったわけです。^^
「ほらアレね」的な使い方もできる
話に出ているのが一度や二度でなく、常に話題に出るような人・物事も、お互いに特定できるのでtheが使えますね。
Chris: Oh, no. I’m so drained.
クリス:うあ~。グッタリ
Sarah: What’s wrong?
サラ:どうしたの?
Chris: You know, the yeller came...
クリス:ほら、あの怒鳴り屋さんが来てさ…
Sarah: Oh. And you helped him? Sorry to hear that.
サラ:あ~。で、あなたが対応したの? お気の毒ね
ちゃんちゃん。^^
ではでは、まとめましょう!
theは、「その」、「あの」と言って相手が分かる人や物事につける!
これがtheの基本的な働きでーす。^^
そして当然、初登場の人や物事や、「その、あの」と特定できない人や物事にはつきません。
かつ、その言葉が「数えられる名詞」の時にはaがつきます。
でもaのことはそこまで気にしないで、theに慣れていくといいですよー。^^
ライタープロフィール●ケネス宮本
アメリカ、イギリスなどで計7年の海外生活経験をもつ生粋の日本人。英語教師、翻訳・通訳、コラムニスト。雑学(科学全般・歴史・芸術など)が大好き。色んな言語をカタコトで話すのも大好き。取得資格:ケンブリッジ英語教師資格(CELTA)ほか語学系。