E質問箱【14】自動詞・他動詞って、
ちゃんと知っておかないとダメ?
ケンブリッジ大学認定英語教師
ケネス宮本が英語の疑問にお答え
外国人との会話中に、会社での商談の時に、ささいな英語の疑問がわくことってありますよね? そんなあなたの疑問に、ケンブリッジ大学認定英語教師のケネス宮本がお答えします。日頃ふと浮かんだ疑問、ぜひ気軽にメールで質問をお送り下さい。
Helloooooooooooooooooooooooooooo!!
How’s life, everybody?
皆さん、日々どんな感じですか?^^
さっそく今回のご質問を見てみましょう!
★質問はこちらでーす^^
自動詞と他動詞って何ですか?
会話の中で意識しておいたほうがいいんでしょうか?
また、実際会話でポイントとなることがあったら教えてください!
文法用語は基本的に意識しなくていい、でも概念を知っておいて損はない
いやあ、この疑問をもつ人は多いですよねー。
ただ、こうした文法用語は、あまり気にする必要はありません。
「確かに私も自動詞・他動詞のことを知らない」って思った方もいるんじゃないでしょうか?
それだけ、おぼえてなくてもいいことだからです。
僕(ケネっち)は、正直なところ文法用語を多用するのは好きじゃありません。
文法用語を基準にして、多用していると、頭デッカチで柔軟性に欠ける学習になりがちですし、身につく能力もそうなりがち。
日本人が英語をとても苦手としてる原因のひとつは「文法を気にしすぎる」ことですしね。
学校でそういうアタマにされちゃってるんですが。
それよりも、言語ってものは「意味を知ること」と「使いこなせること」が大事です。
英語圏の国々では文法をろくに教えないので、ほとんどの人たちは言語の分析に慣れてません。
「形容詞ってなに?」って普通に聞きかえす大人だっているんですよー。
とはいえ!
外国語を身につけるのは、どうしても経験より知識を得ることにカタヨリがち。
ですから、文法用語を知っておくのは確かに便利です。
例えば、「名詞」「動詞」「形容詞」「副詞」とか、「主語」「目的語」とか、「現在形」「過去形」などといった言葉にはすごーくお世話になりますよね。
こうした基本的な文法用語を知るのは避けられないですし、それだけにちゃんと理解もされてます。
逆にいうと、基本的なもの以外は無理しておぼえようとしなくてよいものが多いわけです。
ケンブリッジ大学認定英語教師の僕だって、面倒だし意味がないから理解しようとしない用語もあります。
たまに調べて理解しても、意味がないからすぐに忘れます。笑
よく理解できない文法用語がある場合は、「こういう用語があるんだな」と思ってればよいです。
焦って理解しようとしないで、「いずれ解る」ぐらいに構えてるのをオススメします。
その時間を、英語の言葉そのものを発する・理解することに使うほうがよっぽど有意義ですよー。
自動詞と他動詞。文法的な違いは「目的語をとるかどうか」だけ!
前振りがめっちゃ長くなりましたが、ご質問の「自動詞」と「他動詞」について見ていきましょう!
「動詞」ってものは、こうした2種類の分け方がある、ってことですね。
文法的に説明しますと、ポイントは「目的語をとるかとらないか」の1点だけです。
目的語っていうのは、動詞のすぐ後にきて、「…を」「…に」の意味になる名詞ですね。
I jog every day.「毎日ジョギングするよ」だったら、動詞jogには目的語がありません。
I love you.「あなたを愛している」だったら、動詞loveには目的語youがあります。
OK, I’ll tell him.「うん、彼に伝えるね」だったら、動詞tellには目的語himがあります。
…と、目的語なるものを確認したところで、自動詞・他動詞を見てみましょう!
自動詞
作用がおよぶ他者を必要としない、自己完結する動きを表す動詞。
よって目的語を伴いません。
上の例文でのjogは自動詞になります。
また、The sun rises.「日は昇る」ならriseは自動詞です。
他動詞
他者への作用をもって成立する動きを表す動詞。
よって目的語を伴います。
上の例文でのlove、tellは他動詞になります。
また、He raised his hand.「彼は手を上げた」ならraiseは他動詞です。
「目的語をとる・とらない」って言い方なら、もっと馴染みがあるでしょう?
その言い方をしてれば万事オッケーです。^^
ちょっと、練習問題を用意しましょっか!
次の動詞は、それぞれ自動詞・他動詞、どちらでしょう~?
go / eat / talk / give / open
どうでしょうか?
実際に文を作ってみればすぐに判りますよー。
I go to an English class.
英語教室に行ってます
➡目的語をとらず前置詞が続く。自動詞
I eat bread for breakfast.
朝食にはパンを食べるよ
➡作用がおよぶ先(目的語。ここではbread)がある。他動詞
Let’s talk about it.
そのことを話そう
➡目的語をとらず前置詞が続く。自動詞
Yes, give me the photo!
うん、その写真ちょうだい!
➡目的語がある(ここではmeもthe photoも)。他動詞
openは、自動詞・他動詞どちらにもなる動詞のひとつです。
The door opened.
ドアが開いた
➡自己完結してますね。自動詞
She opened the door.
彼女はドアを開けた
➡この場合は目的語the doorがありますね。他動詞
いかがでしょう?
こうして見てみると、自動詞・他動詞なんて用語は気にしないで、その言葉の意味・使い方が分かっていればよい、とも感じられると思います。^^
これが他動詞!? 知っておくと習得度が高い英語の印象に
感覚的に自動詞だと思ってたら実は他動詞だった、なんてものもあります。
いくつか例をあげてみましょう。
discuss 「…について話し合う、協議する、論ずる」
この1語でtalk aboutと同等。
例: Let’s discuss it.「そのことを話そう」
➡このシンプルな1文をおぼえておくと慣れやすいですよー
mention 「(会話・議論などで)…に触れる、…の事を言う」
この1語でsayやspeak aboutと同等。
例: Don’t mention it.「そのことは言わないで」、転じて「どういたしまして」
➡こちらもこの1文をおぼえておけば慣れやすいですね
visit 「…を訪ねる」
この1語でgo to see、come to seeと同等。
例: He visited me.「彼が訪ねてきた」
➡He came to visit me.という言い方もよく聞きます
補足:名詞としてのvisitは前置詞toを伴います。
My visit to Paris last year was great!
去年のパリ訪問はすごくよかった~!
いかがでしょう?
ヨーロッパ人でも、このことを知らずに前置詞をいれちゃう人が多いんです。
知っておくと細部がキレイな、習得度の高さを感じさせる英語になるでしょう。^^
あと、よりマイナーなところで。
reveal「明らかにする」、present「現す・見せる」などはちょっと特殊。
いささか柔軟性に欠けるというか、自動詞としては使えないことになってる純然たる他動詞です。
そのため、明らかになる物事・現れる物事が主語になってる場合は、目的語として…selfを伴います。
The truth revealed itself.
真実が明らかになった
A good sign presented itself.
よい兆候が現れた
「こんなのがあるんだな~」ぐらいに思っておいてくださいませ!^^
あなたのE質問(英語の質問)はこちらにどうぞ!
toukou★cheerup.jp
★マークを@マークに変えてお送りください。お気軽に!^^
ライタープロフィール●ケネス宮本
アメリカ、イギリスなどで計7年の海外生活経験をもつ生粋の日本人。英語教師、翻訳・通訳、コラムニスト。雑学(科学全般・歴史・芸術など)が大好き。色んな言語をカタコトで話すのも大好き。取得資格:ケンブリッジ英語教師資格(CELTA)ほか語学系。
「ケネっちの記事をもっと読みたい!」という方は記事一覧へどうぞ!
更新は毎週金曜日です。
ぜひブックマークしておいてください!^^