E質問箱【7】苦手な人も5分で解消!
冠詞 a とtheを間違えない方法②
ケンブリッジ大学認定英語教師
ケネス宮本が英語の疑問にお答え
外国人との会話中に、会社での商談の時に、ささいな英語の疑問がわくことってありますよね? そんなあなたの疑問に、ケンブリッジ大学認定英語教師のケネス宮本がお答えします。日頃ふと浮かんだ疑問、ぜひ気軽にメールで質問をお送り下さい。
Helloooooooooooooooooooooooooooo!!
How are you, everyone?
みなさん調子はいかがですか?^^
前回は、aとtheの使い分けについてのご質問にお答えしました。
その解説のために、theの基本的な考え方についてお話ししましたね。
そして今回も、引き続きtheについてお話したいと思います。^^
この記事を読む前にぜひ前回の記事を読んでおいてください。
今回は、theのちょっとした応用的な考え方になりますからねー。
前回の記事はこちら! ▶ E質問箱【7】苦手な人も5分で解消! 冠詞 a とtheを間違えない方法①
今回お話しするのは、「すでに話に出ている名詞だから」ではないtheの使われ方です。
大事なのは、「語り手・聞き手のお互いが分かる・特定できる」ということ。
「唯一無二」「象徴的」なら誰でも分かるのでthe
お互いにとって、「○○といえばアレ」と言えるものなら、theがくっついてきます。
例えばですねぇー。
I’m going to the supermarket.
スーパーに行ってくる
なんて時。
まずほとんどの場合、どのスーパーに行くかが決まっている場合が多いでしょう?
「スーパーっていったら、あのスーパーだよ」って感じ。
だから中学などの英語の授業では、post office「郵便局」、library「図書館」など、いつも決まって行く場所・街にひとつしかない施設にはtheが付けられるんですねー。
そこから、「唯一無二の人・物事」、「象徴的な人・物事」にも使われます。
誰に言われなくても、必然的に特定されてしまう人・物事だからです。
例えば、the worldと言えば、僕たちにとってひとつだけの「(この)世界」ですね。
ボクシングの「チャンピオン」もひとりだけなのでthe championになります。
「校長」もひとりだから自然とthe principalですし、「総理大臣」ならthe prime ministerです。
「最もよい・悪い映画」もひとり・ひとつなので自然と特定されてthe best movie・the worst movieになりますねー。
序数で表される人・物事にもtheが付きます。
「初めてのこと」ならthe first timeだし、「2回目」ならthe second timeって具合。
初めての時以外に初めてのことはなく、2回目以外にも2回目はないからですね。
同様に、「1位・2位・3位…」でもthe first place・the second place・the third place…と、何位であってもtheが付きます。
象徴的な人・物事で言いますと…。
例えば、the Devilといえば、他の何者よりも悪魔である「サタン」です(固有名詞化して頭が大文字にもなってますね)。
西洋で「書物といえばコレをおいて他になし」である「聖書」なら、the Bibleだし、時にはthe Bookとも呼ばれます。
You are the man!
男だねぇ~!/君こそ男だ!
➡「男と言えば君が思い浮かぶ」ということ
You are the star!
あなたは最高!
➡他の誰よりも楽しませる・活躍する・惹きつける
なんて表現もありますよー。^^
該当する対象が複数の場合はその全部・全体
もちろん、該当する人・物事がいくつかあって、特定の幅がひろい場合もあります。
例えば、校長に対してthe teachersと複数形になるなら、その学校の「先生全員」を指すことになります。
the students of this classと言えば、「このクラスの生徒(全員)」です。
「社長と取締役たち」なら、the president and the directorsですねー。
あと、僕が住んでる近所にはコンビニが3軒あって、どれも同じくらいの距離で別々の方向にあるんです。
そんな状況で「コンビニに行ってくる」と言ったら、「その3軒のどれか」とまでしか特定できませんよね。
One of the three convenience storesということ。
ですから、「どのコンビニに行くの?」となるのが自然です。
Kenneth: I’m going to the convenience store.
ケネス:コンビニに行ってくるよー(頭の中ではいつも行くコンビニを描いてる)
Friend: Which one?
友達:どのコンビニ?
Kenneth: Um… The one down the slope.
ケネス:えっと…。あの、坂を下っていったところ
なーんて感じになりますねー。
不既出の名詞にtheが伴う、もうひとつの条件
上の会話例の、最後のセリフは、theが付けられるケースがもうひとつあります。
The one down the slope.
ここでtheを伴ってるone(=コンビニ)のあとに、「坂を下っていったところの」と特定を助けていますよね。
このように、「すぐあとに説明がくる」ことで「相手にもソレと分かる人・物事」にも、theがくっつくんです。
例えば、パーティなど人がたくさんいる時にも、
Sarah: Do you know that guy over there?
サラ:あそこにいる男の人知ってる?
Chris: Huh? Which guy?
クリス:え?どの人?
Sarah: The one in the black suit jacket.
サラ:あの、黒いスーツの上着を着てる人
Chris: Ah, that’s Jamie. Do you wanna talk to him?
クリス:ああ、ジェイミーだ。話したい?
Sarah: Yeah, I wanna meet him. He looks nice!
サラ:うん、知り合いたいわ。彼いい感じ!
なーんて会話になることもよくあるでしょう。^^
っというわけで、まとめますと。
① 「○○といったらソレ・アレ」という共通理解がある
② すぐあとに説明がつくことで特定できる
といった人や物事にも、theがくっつきまーす。^^
theが使われるケースって他にもあるんですけれど、前回と今回での説明を踏まえればまず理解できるはず。
いろんなケースで聞いたり使ったりして、慣れていってくださいねー。
「ここで使われてるのは何で?」なんて疑問があれば、ぜひご質問くださいませ!^^
ライタープロフィール●ケネス宮本
アメリカ、イギリスなどで計7年の海外生活経験をもつ生粋の日本人。英語教師、翻訳・通訳、コラムニスト。雑学(科学全般・歴史・芸術など)が大好き。色んな言語をカタコトで話すのも大好き。取得資格:ケンブリッジ英語教師資格(CELTA)ほか語学系。